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吉田喜重監督『鏡の女たち』その1

2013-09-23 06:51:00 | ノンジャンル
 吉田喜重監督・共同企画・脚本の'02年作品『鏡の女たち』をDVDで見ました。
 門から出る日傘を差した和服の女性・愛(岡田茉莉子)を尾行する黒い車。愛は役所の戸籍係に行き、失踪していた娘の美和が見つかったという連絡を受けたと言います。同じ市内で正子という名前で住んでいたという美和は、持っていた母子手帳で本人と分かったということで、愛はその母子手帳を当時作ってくれた郷田(室田日出男)と一緒に、彼女が拘置されている警察へ会いに行きます。相変わらず尾行する車。正子は愛の孫である夏来(一色紗英)の母であり、幼女誘拐の常習犯ですが、以前の3回とも子供と一緒に遊んで自宅まで届けていることから、警察でも取扱いに困っているということでした。愛は正子が誘拐するのが常に11日だと聞き、それは美和の失踪した日と同じだと言って興奮します。愛はアメリカにいる夏来に電話し、すぐに戻ってくるように言います。電話の脇の割れた鏡。すると、愛を尾行していたテレビ局のプロデューサーである小林という女性が愛の許を訪れ、広島でアメリカ兵も1人被爆していることが、医者をしていた、愛の亡き夫が残したメモにより分かったので、それを取り上げる番組に協力してほしいと言ってきますが、愛は何も知らないと追い返します。玄関脇の割れた鏡。
 愛は郷田に娘が釈放されたことを知らせ、2人で会いに行きます。バックミラーに映る愛の顔。正子(田中好子)のアパートを訪ねた2人は、彼女が愛の娘ではないかと思い訪ねてきたと言い、24年前に失踪したのだと言いますが、正子は美和という名前に聞き覚えはないと言います。病院で娘を出産し、夏来と名付けてすぐに失踪し、夏来は今アメリカにいると言う愛は、正子に母子手帳を見せてもらい、やはり間違いないと思いますが、正子は自分の手にしていたバッグに入っていただけで、他人のバッグだったのかもしれないと言い出します。誘拐容疑で自宅捜索を受けた時に見つかったというその母子手帳でしたが、正子はDNA鑑定を勧め、精神科の近藤先生に詳しくは聞いてくれと言います。家族のような付き合いができないかと言う愛の顔は、割られた鏡に映り、正子がその鏡は自分がヒステリーを起こして割ったのだと言うと、愛も美和が家を出て行く時に同じように鏡を割ったと言います。
 帰宅した夏来に愛は正子と会った時の様子を話しますが、記憶が朧げで自信がないと言います。夏来はおばあちゃんをママと呼んできたし、今でも本当のママなんていらないと言い、一度自分を捨てた人を母とは認めたくないと言います。一方、郷田は正子の部屋に男(西岡徳馬)が入っていくのを目撃します。愛と正子は公園で再会し、気付いたらこの公園で赤ん坊を抱いていたと話す正子は、出産した気もするし出産したいと思っていただけかもしれないと言い、自分は流産し、同じ病院の人の母子手帳を盗んだのだと言い出し、悪いのは自分だと考えないと気が狂いそうになると告白します。正子に求められ、当時の美和のことを話す愛は、夫と折り合いが悪く、20歳の時に家出し、4年後に横浜の病院から電話があり、行ってみると、既に美和は出産を終えて消えた後だったと言います。辛くても思い出すことがあるのがうらやましいと語る正子。愛は幼い頃のあなたは天使のようだったと言うと、正子は愛が茶碗についた口紅を拭く仕草を見て、母もそうしていたと言い、それを聞いた愛は正子は幼い頃から私が紅を引くマネをするのが好きだったと語ります。手を取り合う2人。2人は喫茶店を出て別れますが、それを夏来は見かけます。
 レジで働く正子。近藤先生からこちらを伺ったと郷田は、正子の部屋に出入りしている男・光岡の許を訪ねます。光岡は5、6年前正子はここで働いていて、記憶喪失者の身元引受人として今でも愛人関係にあると嘯きます。
 夕暮れ。愛と夏来は並んで夕食を食べていますが、愛の夫が亡くなって5年も経つのだから、明日からは向かい合って2人で食べようと愛は言います。愛は正子と会った話をしていると、郷田がやって来て、光岡に会った話をします。女一人で生きていくのは大変で、身寄りもないのだから誰かから助けてもらうのは当然だと言う愛に、平気で人を愛人呼ばわりする男は信用できないと郷田は言います。この際DNA鑑定されては?と言う郷田に、あの人は美和ですと愛は言い、明日家に呼びましょう、と夏来は言います。(明日へ続きます‥‥)

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto