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クリント・イーストウッド監督『荒野のストレンジャー』その2

2013-09-01 05:51:00 | ノンジャンル
 昨日の続きです。
 翌朝、ダンカンの墓には墓標がなく、それが原因で霊がさまよっているのかも、と言うサラ。彼女はダンカンが原因で町は余所ものを恐れるようになり、ホテルを壊し7人も殺した男のことも怖れて当たり前だと言います。ただ一杯やりに立ち寄っただけだと言う男。モーガンの手下らの埋葬が終わると、男はモーデカイに命じ、町中を赤く塗らせます。「ラーゴ」の看板に赤いペンキで書かれた「地獄」の文字。ルイスはサラに集会に出るように言いますが、サラは断り、町の住民たちを見ていると胸が悪くなると言います。それに対しルイスは、ダンカンが鉱山が国有地にあることを知り、当局に報告すると言って譲らなかったことを語り、そうなれば金鉱は閉鎖され、町の人々の暮らしがなりたたなくなっていたと言います。それを聞いて町を出る決心をするサラ。一方、モーガンを乗せた馬はステイシーらの前まで来ると、モーガンを落します。瀕死のモーガンはステイシーに助けを請いますが、ステイシーは会社の金庫の番号を教えてくれたら分け前をやるし助けてもやると言うと、モーガンは断り、ステイシーに刺し殺されます。「まだ血が残ってたぜ」とうそぶくステイシーの手下。そこへモーガンの血の後を追ってきた男の銃弾。ダイナマイトを置いて回る男は、ステイシーらを翻弄し、男はステイシーの手下の1人の耳を撃ち抜きます。馬で去る男と喚くステイシー。
 真っ赤になった町に戻った男は、砂煙りが見えたら鐘を鳴らせと命じ、男たちに用意するようにとモーデカイに言わせます。モーデカイに「事が済んだら?」と聞かれ、「町に残る」と答える男。鐘が鳴り出すと、男は「最初の合図はお前がやれ」とモーデカイに言い残し、自分の馬に跨がり、町の人々が見る中を進み、町を去ります。“歓迎”の垂れ幕の下を馬で走り込んで来るステイシーら。モーデカイは「撃て!」と命じますが、町の男たちは次々と逃げ出し、残った者たちも次々にステイシーらに倒され、元保安官は捕えられます。
 酒場に集められた町の男たちの前で元保安官に暴行するステイシーら。そこへ隠れていたサラが引っ立てられて来ます。ステイシーに許しを請うサラ。するとステイシーの手下の1人が酒場の外から来た鞭に捕えられ、路上に引っ張り出されます。炎をバックに立つ男は、手下を鞭打ち、最後には鞭で手下を絞殺します。微笑むモーデカイ。ステイシーが町の男たちを外に出すと、仰向けに倒れた手下の周りを町の男たちは囲みます。そこに投げ込まれるダイナマイト。それを見た町の男たちは散り散りになりますが、ステイシーが調べるとダイナマイトは偽物でした。馬がいなくなってると言うステイシーの手下。ステイシーと手下は道の両側に別れて進みますが、手下は上から投げられた鞭に首を巻かれ、首を吊られて死にます。一人になったステイシーが用心深く進むと、やがて暗闇からランプが投げ込まれます。そちらの方へ行くと聞こえて来る「助けてくれ、助けてくれ」という囁き声。やがて背後に男が現れ、それに気付いたステイシーは男と対峙しますが、銃を撃ち落されます。「お前は誰だ?」と言った後、胸に3発の銃弾を受けるステイシー。「お前は誰だ?」ともう一度ステイシーは言うと、崩れ落ちます。そして男を撃とうとしたデイブは、モーデカイに射殺されます。
 翌朝、小さい柩に無理矢理詰め込まれる遺体たち。男は白馬に乗り、町を去ります。カリーは笑って見送り、片目を失った元保安官も笑っています。モーデカイは丘で墓標を刻んでいて、男にもうすぐ終わると言います。モーデカイに名前を尋ねられた男は「知ってるはずだ」と言い残して去り、モーデカイの刻んだ墓標には「保安官ジム・ダンカン、ここに眠る」とありました。蜃気楼に消えて行く馬上の男。無気味な音楽がまた流れ、映画は終わります。

 主人公が回想の中で鞭打たれるシーンで、主人公の一人称のカメラと三人称のカメラが揺れながら繋がっていくところは『恐怖のメロディ』と共通するものでした。基本的に“演出”の映画だと思いましたが、“構図”がないがしろにされている訳でもなく、映像の連鎖を楽しく見ることができました。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto