gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

阪本順治監督『行きずりの街』

2012-03-17 08:55:00 | ノンジャンル
 阪本順治監督の'10年作品『行きずりの街』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 塾の教師・秦野(仲村トオル)は教え子の祖母が危篤なのを受け、東京にいるはずの教え子・ゆかりを探しに行きます。ゆかりの住むマンションの一室は何者かによって乱されていて、角田という男が金を出して部屋を借りていたことが分かります。マンションを出た秦野は中込(窪塚洋介)と2人の男に尾行されますが、何とか振りきります。以前ゆかりのルームメイトだったという女性は、六本木のクラブでゆかりとバイトしていた時に角田と知り合ったと言い、その後、ゆかりは学校を辞め姿を消したとも言います。
 六本木のクラブを訪れた秦野は、角田の情報は得られませんでしたが、そこにいた大男に「エロ教師」と罵倒され、怒った秦野は店を飛び出します。高校教師時代の教え子だったマサコ(小西真奈美)の店を訪ねた秦野は、12年ぶりに彼女と会い、ずっと好きだったと言いますが、1ヶ月で彼女と離婚したことを回想します。その後、マサコの店に来た角田は、大男に店を連れ出されます。翌日ゆかりのルームメイトだった女性に電話した秦野は、角田と一緒だった大柄の男が敬愛女学院の経理の仕事に言及していたことを聞き出します。敬愛女学院は秦野が以前勤めていた学校で、マサコがそこを卒業したと同時に結婚したことで教職を奪われた学校でした。学校に行った秦野は、事務員の木村から、角田が敬愛の元経理部長で最近離婚したこと、現理事の池部(石橋蓮司)が勧める新キャンパス建築の現場で、角田と池部とだけ一緒だった時、秦野のクビに反対した前理事長が事故死したこと、池部は以前は単なる小さなメンテナンス会社の社長でしかなかったことを聞き出します。するとそこにゆかりが現れ、秦野と学外で秦野を見張っていた中込らに見つかるとタクシーに乗って逃げ出しますが、秦野はゆかりに「電話を待ってるぞ」と言い残します。
 木村と、彼女に呼ばれてきた、理事長とともに秦野のクビに反対した元英語教師の園部と会った秦野は、前理事長がマサコの母と不倫していたことを嗅ぎ付けた池部が、前理事長を脅して自ら理事となり、新キャンパス建築で甘い汁を吸い、角田が不正経理でゆかりのために金を得ていたことを教えます。マサコの母(江波杏子)は秦野に、前理事長との関係を認める一方、マサコへの秦野の仕打ちを責めます。その後、マサコの店に行った秦野は、雨で服がずぶぬれだったことからマサコの家に入れてもらい、マサコと結婚したことを周囲から誹謗されて自分だけ田舎に帰ってしまったことを詫び、彼女と口論になりますが、結局二人はセックスに至ります。翌朝ゆかりから電話をもらった秦野は彼女に会いに行き、角田が彼女のために借りてくれたもう一つのマンションに行くと、そこには前理事長を池部が殺した証拠写真と告発状があり、ゆかりは角田がそれを使って池部から金を巻き上げ、ゆかりのために使おうとしていたと言い、中込らに拉致されそうになったこともあると言いますが、そこへ中込らが乱入し、二人は拉致されます。
 学校の建設現場に連れて来られた二人は、角田が既に殺されていることを知ります。大男は写真が一枚足りないと言い、隠し場所を教えろと秦野をリンチしますが、実はそれは中込が持っていて、池部を新たにゆするのでした。大男と中込の乱闘が始まり、隣室ではリンチされていた秦野が黒板に隠されていた棒を使って反撃し、結局、大男と中込は相討ちとなり、秦野も残りの2人をやっつけ、写真を持ち去ろうとした池部も脳溢血を起こして倒れます。学校に来ていたマサコは、学校から逃げ出してきた秦野とゆかりと出会い、ゆかりに「自分も19才の時、命をかけた恋をしていた」と語り、3人で夕食を食べようと言うのでした。

 人物関係が複雑で理解しがたく、映画が進むにしたがって、それぞれの人物が何を考えているのかが少しずつ分かるようになるという難解な映画で、最後になってやっと純愛映画だったのかと分かったほどでした。原作が映画にあまり向いていず、阪本監督としても、どうにもならなかったのではないでしょうか?そんな印象を与える映画でした。