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スティーヴン・キング『不眠症(上)』

2012-03-18 09:34:00 | ノンジャンル
 スティーヴン・キングの'94年作品『不眠症(上)』を読みました。
 「プロローグ 死時計が時を刻む(?)」 メイン州デリーで暮らす70才のラルフは、脳腫瘍で死を迎えようとしている妻の死を刻む時計の音に悩まされます。ある夜、隣人のエドが悪態をつきながら飛行場から車を出し、トラックにぶつかると、その運転手に「中絶した胎児の山を荷台の樽の中から出せ」と興奮して叫んでいるところに遭遇したラルフは、何とかエドをなだめますが、エドが首にまいているスカーフには中国風の文字が刻まれていました。
 「第一部 チビでハゲの医者」 妻を亡くしたラルフは、しばらくすると朝の目覚めが早くなりだします。ある日、ラルフが馴染みの店にいるところへ、エドの妻ヘレンが酷い暴行を受けた顔をして、幼い娘のナタリーを危なっかしくぶらさげながら、店に辿り着きます。エドの仕業だと認めたヘレンは、警察には通報しないでと言いますが、ラルフは警察に通報してから、エドに会いに行きます。エドは、妻が中絶を容認する〈ウーマンケア〉グループの行っている署名運動にサインしたことで暴力を振るったことを認め、自分が中絶に反対する〈命の友〉グループに入っていること、いずれはお前もチビでハゲの医者と会うようになることをラルフに告げ、警察に連行されていきますが、しばらくすると、〈ウーマンリブ〉本部に偽の血を入れた人形を投げつけるデモに参加したかどで2度目の逮捕を受けます。
 その後もラルフの目覚めの時間は早まる一方で、やがて睡眠時間は2~3時間にまで縮まってくると、時折人に色とりどりのオーラがかかって見えるようになり、その人の素性や考え、健康状態が分かるようにもなってきます。周囲の人々のアドバイスに従って、早く目覚めないための様々な方法を試してみますが、一向に効かないラルフは、薬屋で薬剤師のワイザーに出会い、ずっと先まで予約がつまっている中国人の鍼灸師を紹介してもらいます。一方、ヘレンは〈ウーマン・ケア〉のDV保護施設〈ハイ・リッジ〉に入り、図書館で職を得ることにも成功しますが、エドはヘレンに手を出すなとラルフに警告し、中絶を指揮する〈百人隊の隊長〉はお前だろうと言い出します。
 やがてエドは逮捕が続いたことで製薬会社をクビになり、一方、ラルフは図書館にいるところを〈命の友〉の狂信者にナイフで刺されますが、ポケットに入っていた催涙スプレーで撃退し、難を逃れます。催涙スプレーは、ヘレンを〈ウーマン・ケア〉に誘ったティルベリーからもらった物でしたが、それをラルフのジャケットのポケットに入れてくれていたのは、近所の老人ドランスでした。彼は「鍼灸師の予約をキャンセルしろ」とラルフに言ってくれていましたが、この事件によってラルフは彼を信用し、鍼灸師をキャンセルします。
 数日後、朝早く目覚めたラルフが2階の自室から街角を見下ろしていると、肺気腫の女性が住んでいる家から、大きな鋏を持つチビでハゲの白衣の二人組が出て来るのが見えました。胸騒ぎのしたラルフは警察に匿名の電話をかけると、案の定、その女性は密室状態で病死していました。ラルフはその2人組がエドの言っていた「チビでハゲの医者」であり、彼らの存在が人の生死に関わっていると直感します。
 するとラルフの見るオーラは増々色を増して行き、彼はついに同居人のビルにその事実を告白すると、ビルは医者に行けと言いますが、妻の脳腫瘍を見抜けなかった医者のところへ行く気のないラルフは、ビルの進言を無視して家を後にします。
 「第2部 秘密の町」 ある日、ラルフはビルのパナマ帽を被った、チビでハゲの第三の医者を見かけます。彼の存在に気付いているのは自分だけのようで、その医者はメスを持っていて、野良犬のロザリーの頭上に伸びている命の帯を切ってしまいます。
 そんな折り、未亡人でビルともども親しくしていたロイスも不眠に悩まされ、ラルフと同じようにオーラが見えることが分かりますが、ビルもロイスも他の人のオーラを吸い込み、若返ることができるようになるのでした。(明日へ続きます‥‥)

→Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto/