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北尾トロ『怪しいお仕事』

2008-03-12 16:57:21 | ノンジャンル
 北尾トロさんが'98年に単行本として出された「怪しい人びと」を改題し文庫本として'06年に出された「怪しいお仕事」を読みました。
 では、どのような怪しい仕事が紹介されているかと言うと、「悪徳興信所」「競馬予想会社」「競馬の予想屋」「カギ師」「野球賭博師」「幽霊ライター」「『車で融資』の金融業者」「お寺売買のコーディネーター」「ポーカー賭博屋」「ヌード撮影の仕掛人」「必殺掲示人」「寝室覗き屋」です。この中で、実在しないのは最後の「寝室覗き屋」で、これは著者が夕刊紙に「夫婦の営み、見ます。」とだけ書いた三行広告を出し、実際に夫婦のセックスを見られるかどうか試したルポです。
 実際に法に触れることをしているのは、手に入れたネタで客をゆする「悪徳興信所」、偽の当たり馬券を偽造している「競馬予想会社」「競馬の予想屋」、当然「野球賭博師」「ポーカー賭博屋」です。他のものは怪し気な商売といったところでしょう。「お寺売買のコーディネーター」では、お坊さんたちがいかにして住職になり、高い地位を手に入れて行くか、つまりお坊さんの世界で生き残って行くかの仕組みが分かって勉強になりました。また、「野球賭博師」では、一日に50万を賭ける世界を垣間見て、神経がすり減る思いで野球賭博で喰って行く人の大変さを体感しました。私の友人でも一時パチンコで生活費を捻出していた人がいましたが、朝から晩までパチンコをしなければいけない生活に耐えきれずに、カタギの生活に戻ったという話を聞いたことがあり、賭博で生活するというのは「ギャンブルで楽しんだ上にそれで得た金で生活できるなんて、いいなあ」と素人が考えるほど甘いものでは全然ないということを再確認しました。
 中には期待はずれの職業もありますが、結構楽しんで読ませてもらいました。読んで損はしないと思います。