ジェフリー・ディーヴァー『死を誘うロケ地』

　ジェフリー・ディーヴァーの翻訳でまだ読んでいなかった最後の一冊「死を誘うロヶ地」を読みました。
　映画のロケハンを仕事にしているペラムは、ニューヨーク州北部のクリアリーという町をロケ地に選びますが、盛んに妨害され、最後には相棒のマーティを殺されてしまいます。マーティの検死と捜査に消極的な町の保安官の態度に郷を煮やしたペラムは独自に捜査を進め、マーティを殺したのは、町のジャンク屋を営む双子であり、彼らは保安官と町長とそして思いも掛けない人物と麻薬のネットワークを作っていたのでした。
　
　後のリンカーン・ライム・シリーズの面白さを期待するのは酷でしょうが、執筆２作目にしてみれば結構楽しめました。特にラストの銃撃戦のシーンはハラハラドキドキさせられました。解説の方が書いていらっしゃいましたが、ディーヴァーの小説には無駄な文章が一つとしてありません。そこが面白さの原点となっています。
　今回もどんでん返しが用意され、ペラムと女性の話もふんだんに出て来ます。廃刊になっているため、非常に手に入りにくいもので文庫本が2000円ほどしますが、買って損はないと思います。オススメです。
　なお、詳しいあらすじは「Favorite Novls」の「ジェフリー・ディーヴァー」の項に載せておきましたので、興味がありましたら、ぜひご覧ください。