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中谷美紀『嫌われ松子の一年』

2008-03-05 16:44:06 | ノンジャンル
 年末の朝日新聞の特集記事「2007年 心に残った一冊」の「エンタノンフ」(娯楽を提供するノンフィクション)のコーナーで紹介されていた中谷美紀さんの「嫌われ松子の一年」を読みました。
 映画「嫌われ松子の一生」に主演した中谷美紀さんが、撮影中に自分の身に起こった出来事を綴った日記です。したがって撮影日記ではありません。自分がオフの日に行われた撮影に関しては書いていませんし、逆に自分がオフの日にしたことが書いてあります。
 読んでまず感じたのは、中島哲也監督の中谷さんへの暴言のひどさです。「殺してやる」を連発し、「お前が死んだら別の女優で撮るから(死んでも構わない)」と言ったり、人間扱いしていません。そして、「あんたの感情なんてどうでもいいから」の一言で中谷さんは切れ、その後の撮影を拒否し、現場を離れてしまいます。その後、いろんな人から慰められたのでしょう、翌日から撮影に復帰するのですが、まあひどい監督だなあ、と思いました。CMの世界では有名な方らしく、「この映画が終わったらCMに帰るから」と再三言っていたそうです。
 あとがきで、出来た映画を見て、自分の苦しみが報われた思いから中谷さんは涙するのですが、文の最後に「今では大好きと言える中島監督に、『ありがとうございました』と言いたい」と書いてあるのは、正直には私には受け取れません。私は今でも中谷さんは中島監督を好きではないと思います。いくら映画の出来が良かったにせよ、私は人間として許せない人だと思いました。
 その後に監督の弁解が載ってもいるのですが、まさに弁解で、同情の余地は全くありません。映画の世界にいつまでもいず、さっさとCMの世界に帰っていただきたいと思いました。
 1日もあれば読んでしまえる本ですので、中谷さんの悲惨な体験を追体験したい方にはオススメです。