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ジョージ・クルーニー監督『グッドナイト&グッドラック』

2008-03-01 18:51:04 | ノンジャンル
 米アカデミー賞の作品賞にノミネートされた、ジョージ・クルーニー監督・脚本の'05年作品「グッドナイト&グッドラック」をWOWOWで見ました。
 '58年10月の「エドワード・マローを讃える会」が開かれ、マッカーシズムと戦った英雄としてマローが紹介され、マローは社会正義とテレビの関係について演説します。
 時は変わって'53年のCBSテレビ局。世間のテレビやラジオが自分たちが標的になることを恐れて、マッカーシーの批判を控える中、ミシガン州でマイロという男の父が反政府的だという理由で空軍を解雇されたと聞き、マローは自分の番組で取り上げることにします。周囲のスタッフは反対し、空軍も圧力をかけてきますが、マローは放送を強行します。マローは昔共産党のシンパで、研修でモスクワにも行き、ソ連に雇われていたこともあるというデマが流され、CBSの会長の耳にも入り、マローは呼び出されますが、彼は事実無根だと言い、マッカーシーと勝負に出ると言いますが、会長はもし勝負に負ければCBSの職員が路頭に迷うことになるので、マッカーシーが自滅するのを待て、と言います。しかし、明らかな人権侵害を見過ごす事はできないとマローは言い、マッカーシーを扱った番組を放送する決心をします。'54年、マッカーシーについての番組が放送され、新聞から賞賛を得て皆喜びますが、極右の新聞はキャスターのホレンベックを非難し、彼はショックを受けます。それからしばらくしてマイロの父が復職したというニュースが流れ、CBS局員は喜びに沸きます。国防総省の職員も共産党員だったとマッカーシーが告発しますが、マローは周辺の調査を開始し、マッカーシーに反論の場を与えるために番組を提供します。マッカーシーはあくまでも自分が正しいと述べますが、マローはそれにまた反論を加えます。上院はついにマッカーシーの召還を決めますが、彼の健康上の理由で無期延期されます。そうした中、ホレンベックが自殺します。会長はマローの番組のスポンサーが降りたことをマローに知らせ、番組の時間を火曜のドールデンタイムから日曜の午後に移し、あと5回の放送で番組を終了させ、スタッフも削減させることを命じます。再び冒頭のマローの演説のシーン。彼はやがてゴールデンタイムに報道番組が流される時代が来ると予告するのでした。

 題名は、マローが番組の最後に必ず視聴者に向けて言う挨拶です。白黒画面が事実の重みを感じさせ、主役の役者もいかにも反骨的なジャーナリストという感じで良かったのですが、映画自体は割に地味で、赤狩りと戦ったテレビキャスターということで、もっと激しいものを期待していたので、ちょっと拍子抜けでした。それから、細かいことですが、この時代はテレビの番組の中で煙草を吸う人が実に多いのに驚きました。考えてみると、ドラマは別にして他の番組で煙草を吸うシーンて今では無いですよね。時代の違いを感じました。やはりここまで地味だと、米アカデミー賞は取れないでしょうね。社会正義とかに興味のある方は、より面白く見られるんじゃないか、と思った映画でした。