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長澤雅彦監督『夜のピクニック』

2007-09-01 15:32:25 | ノンジャンル
 WOWOWで長澤雅彦監督の'06年作品「夜のピクニック」を見ました。
 しみじみとした音楽のもと、芝生に夜横たわり笑いが止らない3人の女子高生。去年の回想シーンから始まります。夜を徹して80kmを歩き抜く高校の定例行事・歩行祭が始まります。校庭はお祭り騒ぎ。タカコはニューヨークに引越したアンナからの葉書を読みますが、そこにはタカコたちが最後まで歩けるように去年おまじないしといたから」と書いてあります。いよいよ出発。タカコはチアキと演劇の脚本家志望のリカと歩きます。海に着くころには脚は棒になり、去年水死体の横を歩いて通ったことを思い出すと、去年の歩行祭の写真に謎の少年が写っていたことも思い出します。夜になって、その謎の少年が現れ、自分はアンナの弟で見物に来たついでに姉の好きだった男子を身に来たと言って、男子を探しに行ってしまいます。今日が誕生日の西脇にブリッコのリョウコはプレゼントを渡し、西脇につきまといます。タカコのことが好きなのにすげない態度しかとれない西脇のために、友人の小田がタカコを西脇のところへ連れて行こうとしますが、できません。すると変わり者のロック少年が西脇をリョウコから強奪し、やはり西脇のことが好きなのに言い出せないリョウコは西脇に「誕生日おめでとう」と言えます。2時間の仮眠。死んだように眠る生徒たち。タカコは友人からタカコと西脇は異母兄弟だと聞かされます。残り20km。西脇も小田もタカコも走り出しますが、西脇は足首をねん挫してしまいます。タカコも途中から歩いて、椅子で休んでいる西脇と小田に追い付き、3人で西脇のリュックを代わりばんこで持ってあげることにして再出発します。そこへアンナの弟が現れ、アンナの好きだったのは西脇で、西脇とタカコが異母兄弟だということをそこでばらしてしまいます。西脇とタカコが和解する感じになってきたところへリョウコが現れ、西脇を強奪します。そこへまたロック少年が現れ、リョウコを西脇と引き離し、タカコと西脇は2人で歩き出します。話しているうちに二人は和解し、タカコの友人はアンナのおまじないはアンナの弟であることに気付きます。最後の急坂を登りきり、ゴールする4人。そして新しい人生がまた始まるのでした、という話です。
 西脇とタカコが和解するシーンはいいシーンなのですが、他のシーンがこの映画を台なしにしています。まず、原作にない回想シーンとか幻想シーンとかが完全に浮いていること。どうってことない男女の交際について真剣に語るのもうっとうしいし、台詞が陳腐です。また原作にないギャグやコミック的な要素も全然笑えないし、必要ないと思います。原作はただ歩いて話してるだけで、それがドラマになるというのが面白かったのに、他の要素をぶち込む事によって小説の良さを台なしにしていると思いました。原作の恩田陸さんはこの映画を見てどう思ったのでしょうか?