今日も朝日新聞の特集記事「2006年 この一冊」の対談で挙げられていた北村薫氏の「ひとがた流し」を紹介します。
大学生の頃からの仲間で40代に達した今でも仲がいい三人の女性。石川千波は女子アナ、主婦の日高美々は有名カメラマンの夫・類を持ち、社会人になったばかりの一人っ子の娘・玲もカメラマン志望、水沢牧子は離婚し、現在は作家として身を立て、一人っ子の娘さきは大学受験勉強の真っ最中です。日高美々は離婚歴があり、玲は先の夫の子供なのですが、類が本当の父ではないことは本人にはまだ言っていません。様々なエピソードが語られ、最後には石川千波も10才近く年下で自分を慕っていてくれた会社の後輩と結婚し、ハッピーエンドで終ります。
朝日新聞の対談では「本当にピュアで限り無く優しい友情が描かれている」と書かれていますが、
それは裏返すと、リアリティがない、現実はもっと厳しい、ということにもなるのではないでしょうか? 私は読んでいて、会話が浮いた感じでわざとらしく、また「いかにも知ったかぶりの人生を語る」台詞が鼻につき、無駄な描写が多く、また何を言っているのかわからない難解な文章も多々あって、とても好感がもてる文章ではありませんでした。
もし本当にこんな三人組の中年女性がいて、それに巻き込まれるようなことがあったら、と考えるだけで、ぞっとします。私にとってはそんな小説でした。
ただ、これはもちろん私個人の意見なので、人によって評価は変わると思います。ぜひご自分で確かめられることをオススメします。(ちなみにこの小説は先日発表された直木賞の候補作になってい
大学生の頃からの仲間で40代に達した今でも仲がいい三人の女性。石川千波は女子アナ、主婦の日高美々は有名カメラマンの夫・類を持ち、社会人になったばかりの一人っ子の娘・玲もカメラマン志望、水沢牧子は離婚し、現在は作家として身を立て、一人っ子の娘さきは大学受験勉強の真っ最中です。日高美々は離婚歴があり、玲は先の夫の子供なのですが、類が本当の父ではないことは本人にはまだ言っていません。様々なエピソードが語られ、最後には石川千波も10才近く年下で自分を慕っていてくれた会社の後輩と結婚し、ハッピーエンドで終ります。
朝日新聞の対談では「本当にピュアで限り無く優しい友情が描かれている」と書かれていますが、
それは裏返すと、リアリティがない、現実はもっと厳しい、ということにもなるのではないでしょうか? 私は読んでいて、会話が浮いた感じでわざとらしく、また「いかにも知ったかぶりの人生を語る」台詞が鼻につき、無駄な描写が多く、また何を言っているのかわからない難解な文章も多々あって、とても好感がもてる文章ではありませんでした。
もし本当にこんな三人組の中年女性がいて、それに巻き込まれるようなことがあったら、と考えるだけで、ぞっとします。私にとってはそんな小説でした。
ただ、これはもちろん私個人の意見なので、人によって評価は変わると思います。ぜひご自分で確かめられることをオススメします。(ちなみにこの小説は先日発表された直木賞の候補作になってい