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スタンリー・キューブリック監督『時計じかけのオレンジ』

2007-01-05 16:21:40 | ノンジャンル
 WOWOWで久しぶりに、スタンリー・キューブリック監督の'71年作品「時計じかけのオレンジ」を見ました。
 舞台は未来社会。精神興奮剤を服用し、残虐な心にはずみをつけたアレックスは、仲間の3人とホームレスを襲ったり、民家に押し入り、家人に暴行を働いたり、レイプしたりします。ある日、いつものように民家に押し入った4人でしたが、事前に家人に警察に通報され、普段からごう慢なアレックスに不満を抱いていた仲間たちから裏切られ、家人を殺した後に、1人だけ逮捕されます。残虐だが頭のいいアレックスは、視察に現れた大臣に取り入り、すぐに釈放されることを条件に残虐性を人間から取り除く実験に参加することに自ら志願します。それは目を閉じられないようにしておいてから、残酷なシーンを間断なく見せ、薬によって残虐さへの拒否反応を植え付けるというもので、暴力をふるえなくなった彼は釈放されます。家に帰ると、自分の部屋は見知らぬ青年が住みつき、彼の不在の間、彼の両親の心の傷を癒してきた青年に彼は家を追い出されます。路上では、以前に襲ったホームレスに見つかり、他のホームレス達も加わって、彼は暴行されます。そこに現れた警官二人は昔の仲間でした。山中に連れて行かれた彼は、昔の仲間から拷問されます。希望を失った彼は、飛び降り自殺しますが、未遂に終り、病院へ運ばれます。彼のことを知ったマスコミは人権問題から大臣を批判しますが、大臣は病院を訪れて、笑顔の彼と握手した姿をマスコミに公開します。自殺未遂の影響で、残虐性を復活させた彼の頭の中には、これからの彼を待っている暴力とセックスの世界が広がっているのでした。
 当時、過激な暴力描写と、その社会批判性で話題となった映画です。キューブリックは鬼才と呼ばれ、それは「2001年 宇宙の旅」を撮った時点でピークに達しました。「時計じかけのオレンジ」の暴力性は、さすがに時とともに薄まりましたが、望遠レンズを使ったアップ、人の極端にゆがんだ顔、早送りの3Pのシーンなど、見どころ満載でした。ベートーヴェンの音楽も効果的に使われていたと思います。やはり、才能のある映画監督の作品は古びないことを再確認しました。