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デイヴィッド・ソズノフスキー『大吸血時代』

2007-01-12 16:05:52 | ノンジャンル
 昨日もスカパー708チャンネルで「日本侠客伝」の7、8作を見ました。どちらも悪役が天津敏から渡辺文雄に変わり、迫力不足はいなめませんでした。また、8作目では高倉健が背広姿で登場したり、藤純子が出てこなかったりと、それまでのシリーズのいなせな雰囲気が壊れてしまっている部分もありました。ただ、藤純子の替わりに出た松尾嘉代は良かったと思います。

 さて、朝日新聞の特集記事「2006年 この一冊」から今日紹介するのは、有隣堂ランドマークプラザ店の店員さんがファンタジー系の小説として推薦しているデイヴィッド・ソズノウスキの「大吸血時代」です。
 近未来の世界では吸血鬼が世界を支配しています。吸血鬼は目がすべて黒目で、牙があり、食料は血のみで、日光に当たったり、頭や心臓を破壊されない限り、不老不死です。そして密かに人間牧場で人間が飼われていて、人工血液ではない生の人間の血を売っています。主人公の吸血鬼マーティはある日、人間の少女イスズを見つけます。母とともに人間牧場から逃げ出してきたようなのですが、母は吸血鬼のグループに惨殺されていて、マーティは少女を哀れと思い、自分の部屋に匿って、育てる決心をします。そのうち、マーティンにはローズという恋人ができ、ローティーンに成長したイスズはネットでトウィットという女の子と友達になり、そしてハイティーンになったイスズはやはりネットで知り合ったロバートと恋人になり、皆で相談した結果、ロバートが自分の血をイスズに飲んでもらい、イスズは不老不死の吸血鬼になり、めでたしめでたし、という話です。
 とにかく少女時代のイスズがかわいい。その仕種といい、言う事といい、たまりません。マーティも彼女をかわいがり、彼女を吸血鬼にするのは、当然自分だと思っていたのですが、その夢は果たされません。が、この小説は登場人物が吸血鬼でなくても、十分楽しめる小説だと思いました。それだけ、人と人の関わりが面白く、不愉快な人物があまりでてこないということだと思います。600ページ近くある小説ですが、オススメです。