スカパーの708チャンネルで、久しぶりにマキノ雅弘監督の'70年度作品「昭和残侠伝・死んで貰います」を見ました。
深川の料亭「喜楽」の跡継ぎ・花田秀次郎(高倉健)は、家出をし、やくざになっていかさま博打を見破った時に人を殺し、刑務所に入ります。彼が刑務所にいる間、関東大震災が起こり、父と妹は死に、母も目が見えなくなります。刑務所を出て、喜楽に戻ってきた秀次郎を、板長の風間重吉(池部良)の考えで、秀次郎の母には他人ということにしておいて、喜楽で働かせることにします。一方、秀次郎の妹の夫は相場に手を出し、新興やくざで深川を乗っ取ろうと企む駒井から莫大な借金をし、最後には担保の喜楽の権利書を取られてしまいます。昔から深川の人々の世話役だった寺田の親分はそれを聞き、駒井から喜楽の権利書を取り戻すことに成功しますが、その帰り、駒井の子分たちに殺されてしまいます。それを聞いた秀次郎と重吉は、駒井へ殴り込みをかけ、重吉は亡くなりますが、秀次郎は駒井を殺し、寺田の親分の仇を討ちます。
この映画の一番すばらしいシーンは冒頭のシーンで、まだ駆け出しのやくざだった秀次郎が、他の大勢のやくざにコテンパンにされ、雨の降る中、大きな銀杏の木の下でしゃがんでいると、酒を買いに行った帰りの芸者見習いの生江(藤純子)に同情され、血を拭ってもらい、体を暖めるために酒も飲ませてあげるシーンです。ここの藤純子は、夢の中から出てきたような純真な子供のような存在で、天使を見ているようでした。
また、秀次郎の作った卵焼きを母に食べてもらうと、「これよ。これが喜楽の味よ。」といい、重吉から「血だね」と秀次郎が言われるシーンも印象深く、刑務所で秀次郎と知り合った松(長門裕之)と秀次郎のやり取りも楽しめました。全体的に夜のシーンが多く、それもこの映画が幻想的な感じを与える一助となっていると思います。
山田宏一氏が言うようにこの映画はまぎれもなく傑作です。まだ見て無い方は、機会があったら、ぜひご覧になってください。
深川の料亭「喜楽」の跡継ぎ・花田秀次郎(高倉健)は、家出をし、やくざになっていかさま博打を見破った時に人を殺し、刑務所に入ります。彼が刑務所にいる間、関東大震災が起こり、父と妹は死に、母も目が見えなくなります。刑務所を出て、喜楽に戻ってきた秀次郎を、板長の風間重吉(池部良)の考えで、秀次郎の母には他人ということにしておいて、喜楽で働かせることにします。一方、秀次郎の妹の夫は相場に手を出し、新興やくざで深川を乗っ取ろうと企む駒井から莫大な借金をし、最後には担保の喜楽の権利書を取られてしまいます。昔から深川の人々の世話役だった寺田の親分はそれを聞き、駒井から喜楽の権利書を取り戻すことに成功しますが、その帰り、駒井の子分たちに殺されてしまいます。それを聞いた秀次郎と重吉は、駒井へ殴り込みをかけ、重吉は亡くなりますが、秀次郎は駒井を殺し、寺田の親分の仇を討ちます。
この映画の一番すばらしいシーンは冒頭のシーンで、まだ駆け出しのやくざだった秀次郎が、他の大勢のやくざにコテンパンにされ、雨の降る中、大きな銀杏の木の下でしゃがんでいると、酒を買いに行った帰りの芸者見習いの生江(藤純子)に同情され、血を拭ってもらい、体を暖めるために酒も飲ませてあげるシーンです。ここの藤純子は、夢の中から出てきたような純真な子供のような存在で、天使を見ているようでした。
また、秀次郎の作った卵焼きを母に食べてもらうと、「これよ。これが喜楽の味よ。」といい、重吉から「血だね」と秀次郎が言われるシーンも印象深く、刑務所で秀次郎と知り合った松(長門裕之)と秀次郎のやり取りも楽しめました。全体的に夜のシーンが多く、それもこの映画が幻想的な感じを与える一助となっていると思います。
山田宏一氏が言うようにこの映画はまぎれもなく傑作です。まだ見て無い方は、機会があったら、ぜひご覧になってください。