シュウジデイファーム在厩のトリフィスは、引き続き、おもにBTCの坂路でハロン17~20秒ペースのキャンター2本を消化。週1回、坂路で3F40~43秒を上限として乗り込まれています。
◇石川代表のコメント 「先週は1本目に15-15、2本目に40秒程度で登坂。その後、週末にかけてトモに少し疲れがきましたので、筋肉注射で対処のうえ普通キャンターまでに留めて様子を見ています。26日や27日の様子を見る限りでは、おそらくもう大丈夫。来週からまたペースを上げていく予定で考えています」
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坂路2本乗りの2本目に40秒のトレーニング後、少し疲れが出たとのことですが、ここまで僅かの期間で進んできたこと、短い小休止で再びペースアップできそうなことを考えると、本格トレーニング開始後最初のハードルをかなり良いかたちで乗り越えてくれた気がします。いや、本格的にやり出す前は、正直、もっと苦労するかと思っていましたからね(^^ゞ
写真や動画を見ると、相変わらず短距離ピッチ走法スピード勝負の雰囲気がハッキリしていて面白いです。確かに小柄な印象ではあるものの、牝馬特有の線の細さはないですし、これはこれでなかなかの個性ではないでしょうか。そして来週以降、再度のペースアップを無事に乗り越えられるようであれば、5月生まれであっても夏ごろのデビューが狙えるかもしれません。
【シュウジデイファーム在厩のトリフィス:公式HP(2022/5/20更新)より】
シュウジデイファーム在厩のボンドオブラヴは、現在は、おもにBTCの坂路でハロン17~20秒ペースのキャンター2本を乗られています。
◇石川代表のコメント 「まだ思うようにタイムが詰まってきませんでしたので、当面は速めの時計を控えて、各コースで軽めから普通キャンターを入念に。体つきは決して悪くないんですけどね。成長の妨げにならないよう、改めて基礎体力アップに励み、気持ちと身体のバランスが整ってくるのを待ってみることになりました」
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写真屋動画で馬体を見ると、やっぱり良い馬にしか見えないのですが、『いざ動かしてみると今ひとつ』という状況は変わっていないようです。石川代表も「体つきは決して悪くないんですけどね」と仰っていますし、気持ちが入って身体をうまく使えるようになるようになるまでは、あまりスピードを求め過ぎない方が良いのでしょう。
とにかくハイアーラヴの仔は一度ひねくれると大変な苦労をすることになりますし、そのことはシュウジデイファームの皆さんもよくご存じですからね。「気持ちと身体のバランスが整ってくるのを待つ」というのは、焦れったく感じることもありますが、今はとにかく怪我だけはしないようにと祈りつつ、本馬の成長と変わり身を見守るしかありません(^^;)
【シュウジデイファーム在厩のハイアーラヴ’20:公式HP(2022/5/20更新)より】
ファンタストクラブ内木村牧場在厩のセントアイヴスは、おもに角馬場での準備運動後、屋内ダートコースでハッキングキャンター3800mを消化。週2回、屋外坂路で5F70-40程度を上限として乗り込まれています。
◇川嶋担当のコメント 「まだ小回りでのコーナリングでトモが流れ気味になるなど、前輪駆動といった走りですが、速めをやる毎に疲れるのではなく、着々と力を付けつつある様子。飼葉も食べてくれていますし、少しずつピリッと気持ちも入ってきましたね。今週はテンからある程度出していき、ラストは馬なりで13秒程度。順調に速めの本数を重ねることができています」
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写真を見るとなかなか良い馬体になってきましたし、坂路の動きも(5/6更新の併せ馬と比べると)だいぶそれらしくなってきたように感じます。また、「速めをやるごとに力をつけつつある」という順調さ、「飼葉も食べてくれるし、気持ちも入ってきた」というタフさや前向きさは高い評価ができるのではないでしょうか。
まあ、レースで勝つための速さやスタミナは別ものだとは思うものの、6月予定の美浦近況への移動、さらにはトレセンに入ってからも簡単にヘコタレない気力・体力はつきつつあるような気がします。
とは言え本馬に関しては、当初から早いデビューを想定していなかったもので…。中舘先生がどう判断されるかわかりませんが、やればやっただけ馬が良くなる流れにあるとしたら、焦らずじっくり鍛えるパターンでも良さそうです。その上で、夏後半から秋にかけてデビューができれば、それでも充分に(私の想定以上に)早いと考えています(^^)
【ファンタストクラブ内木村牧場在厩のセントアイヴス:公式HP(2022/5/27更新)より】
2023年・2024年2歳募集馬の全容が公開されましたので、まずはラインアップを改めて確認し、全体的な印象を書いてみたいと思います。個々の募集馬についての感想は少し落ち着いてからやりたいと思います。
ステラリード’21
母の矜持は名牝系へ進化、ダービー馬を迎えて次なる夢を叶える。
◇牡1歳 鹿毛 2021.02.19生 新ひだか産(木村秀則牧場)
◇父:レイデオロ 母:ステラリード (母の父:スペシャルウィーク)
◇栗東・矢作芳人厩舎予定
◇販売総額 7,200万円 / 総口数 3000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:TT型
◇Point!:姉に秋華賞4着パラスアテナ、兄に京王杯2歳Sの勝ち馬キングエルメスがいる活力に富んだ血脈。現時点ではややコンパクトにも映るが、均整の取れた肉付きの良い馬体は節々が大きく、その雰囲気は群を抜いており、放牧地では可動域の広いフットワークでいつも先頭を軽やかに疾走。心臓が強いのか結構な運動量でも息を乱すことはなく、競走馬向きの性格からも底知れない可能性を秘めている。目指すは2024年のクラシック戦線。母の名声をさらに高めてくれそうな好素材に夢は尽きない。
【様似木村牧場在厩のステラリード’21:公式HP(2022/5/27更新)より】
ミスペンバリー’21
兄は世界を制したパンサラッサ、柔軟かつ俊敏な個性が頂を極める。
◇牡1歳 鹿毛 2021.02.19生 新ひだか産(木村秀則牧場)
◇父:キズナ 母:ミスペンバリー (母の父:Montjeu)
◇美浦・高柳瑞樹厩舎予定
◇販売総額 5,400万円 / 総口数 3000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:TT型
◇Point!:賢母の仔は軽くてまとまりのある馬、もしくは結構な大型馬と世代によって極端だが、募集本馬は前者のタイプ。放牧地での身のこなしは柔らかく、軽快で俊敏なところは兄エタンダール(青葉賞2着)や姉ディメンシオン(京成杯AH2着)との共通項であり、気持ちの強さや走りに対する意欲から日々の運動量はかなり多く、こちらもエタンダールの同時期とイメージが重なり合う。世界を制したパンサラッサ、日本ダービーに駒を進めたエタンダール同様、芝の舞台で高い能力を発揮してくれそうだ。
【様似木村牧場在厩のミスペンバリー’21:公式HP(2022/5/27更新)より】
セイリングホーム’21
未知の魅力豊かなフレッシュ配合、偉大な血脈が順風満帆に進む。
◇牡1歳 栗毛 2021.05.06生 新ひだか産(木村秀則牧場)
◇父:シュヴァルグラン 母:セイリングホーム (母の父:Shamardal)
◇栗東・高柳大輔厩舎予定
◇販売総額 2,000万円 / 総口数 2000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT型
◇Point!:母はゴドルフィンの生産馬。募集本馬も一見すると胴伸びがあってスタミナ色の強い体型に映るが、Machiavellianのクロスがスパイスとなったのか、放牧地での動きには重苦しさが一切なく、血統からはイメージができないスピーディな走りを披露。現時点ではやや小柄な体つきも纏まりがあり、当歳時の好印象や各所の肉付きの良さなどから今後の成長が楽しみでならない。ヴェルメイユ賞を制した曾祖母の血が日本の地でどこまで大きく開花するのか。未知の魅力がたっぷりと詰まったフレッシュな配合にも注目だ。
【様似木村牧場在厩のセイリングホーム’21:公式HP(2022/5/27更新)より】
パーフェクトラヴ’21
母の物語を継ぐ愛すべき初仔、実績ある牝系が新境地を拓く。
◇牡1歳 鹿毛 2021.03.05生 新ひだか産(木村秀則牧場)
◇父:サトノクラウン 母:パーフェクトラヴ (母の父:オルフェーヴル)
◇美浦・鈴木慎太郎厩舎予定
◇販売総額 1,600万円 / 総口数 2000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT型
◇Point!:身幅や筋肉量といった点ではこれからだが、この先それらを纏えるだけの骨格に恵まれており、四肢は長めで背丈も大きくなってきそうなフォルム。放牧地では日々やんちゃに駆け回っており、スピードや切れ味を予感させる柔軟性に富んだ身のこなしからは資質の高さが窺い知れる。すでに重賞2勝を誇る伯父クレッシェンドラヴとはまたタイプが異なるものの、瞬発力が強調されそうな特徴は大きなメリットとも言え、祖母ハイアーラヴ系の新たな境地を切り拓いてくれるものと大いなる期待がかかる。
【様似木村牧場在厩のパーフェクトラヴ’21:公式HP(2022/5/27更新)より】
ラズベリータイム’21
成功が待たれる執念の配合、母の最後の仔が大団円へと導く。
◇牝1歳 鹿毛 2021.02.24生 新ひだか産(木村秀則牧場)
◇父:ダンカーク 母:ラズベリータイム (母の父:フジキセキ)
◇美浦・田村康仁厩舎予定
◇販売総額 1,000万円 / 総口数 2000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CT型
◇Point!:骨量や質感があり、前後のバランスにも優れた好馬体はミドルサイズ以上に育ってきそうで、放牧地ではパワフルにして硬さを感じさせないダイナミックな走り。これまで全兄姉の戦績はもう一つ伴っていないものの、当時の手応えや印象はそれぞれ決して悪くなく、父ダンカークの再選択は成功を待ち続けている執念の配合とも言える。母は年齢面に配慮して繁殖生活を退いたため、募集本馬がラストクロップ。曳き手からも力強さが伝わってくるなどやはり光るものはあるだけに、何としても大団円を迎えたい。
【様似木村牧場在厩のラズベリータイム’21:公式HP(2022/5/27更新)より】
キャッツアイ’22
母から授かった新しい生命、つぶらな瞳に煌びやかな未来が映る。
◇牝当歳 鹿毛 2022.04.04生 新ひだか産(富菜牧場)
◇父:タワーオブロンドン 母:キャッツアイ (母の父:スピルバーグ)
◇美浦・蛯名正義厩舎予定
◇販売総額 2,000万円 / 総口数 2000口
◇プラスビタールスピード遺伝子:CC型
◇Point!:倶楽部出身キャッツアイの初仔が早くも登場。母は出産時に亡くなってしまったため、このチャーミングなルックスの募集本馬が初仔にしてラストクロップとなる。標準サイズで丸みを帯びたバランスの良い身体にはしっかりと筋肉がついてきそうな余地があり、放牧地では乳母に頼ることなく一頭で歩き回るなど非常にアグレッシヴ。その機敏な振る舞いからは背腰の強さが窺い知れ、この先の成長が実に楽しみだ。祖母の血は比較的ダート寄りの馬が多いが、本馬は父の働きもあるのか芝・ダート不問の印象。母が見た夢の続きをひたむきに追いかけていきたい。
【木村秀則牧場在厩のキャッツアイ’22:公式HP(2022/5/27更新)より】
まずですね、このところ全容公開直後から『高い!』の大合唱が聞こえることが多かった募集価格についてですが、今回は思ったほどではなく、むしろ比較的落ち着いてくれた印象です。もちろん安いというほどではないですし、個々に見ていくと『うーん。。』と考えてしまうお値段の馬もいるのですが、昨年秋の追加募集馬で慣らされてしまった所為なのか(^^;)、まあ、想定の範囲内とは言えそうで、例によってポイント還元を考えれば『こんなものかな?』と思います。
値付けについてのトピックとしては、ついにステラリード産駒がミスペンバリー産駒を大きく上回って最高額馬になったことが挙げられます。21年産世代では、昨年秋に当歳募集となったGunRunner産駒のステラエージェント’21が9,000万円で断トツ最高額なのですが、それを例外とすればステラリード’21の7,200万円も相当なもの。。モーリス産駒のテラステラ(ステラリード’20)が3,900万円、ロードカナロア産駒のキングエルメス(ステラリード’19)が3,200万円だったことを考えると、父レイデオロの21年産にかかる期待は相当なものになりますし、何より、ついにステラリードがミスペンバリーから広尾繁殖トップの座を譲り受けたような気がして感慨深いです。
逆に言えば、ミスペンバリー’21の5,400万円は思ったほど(アシタカの5,000万円に比べて)上がらなかった印象です。いや、パンサラッサの活躍により6,000万とか7,000万とか、その程度のことは覚悟をしていたものですから。。これはゲスの勘繰りと言われそうですが、兄たちが矢作厩舎だったのに対し、本馬が高柳瑞厩舎に替わったことも値付けに関係しているかもしれません。(高柳瑞樹先生は全然素晴らしいと思いますけどね!)
所属厩舎で言うと、パーフェクトラヴ’21がカイザーノヴァの鈴木慎太郎厩舎、キャッツアイ’22がランドオブラヴの蛯名正義厩舎になりました。鈴木慎先生にはカイザーノヴァでお世話になっていて、私はとてもイイ印象を持っていますし、蛯名先生には旧藤沢厩舎から多くを受け継いだ強みがありますからね。キャッツアイ’22の2,000万円には蛯名正義人気のプレミア分が乗っている気がしないでもありませんが、フレッシュな両先生を応援する気持ちも含め、2頭には是非成功して欲しいと思います。
応援ネタに関しては、22年産を産んだ直後になくなったキャッツアイのエピソードに加え、ラズベリータイム’21も母最後の産駒であることが明かされました。私はラズベリータイムに出資をしていなかったのでアレですが、1,000万円は広尾TCの最低ライン価格になりますし、結果度外視純粋応援出資があってもおかしくないと思います。
血統的に面白いのは断然セイリングホーム’21だと思います。詳しい話は竹内さんの血統診断にあるとおりで、とにかく様々な要素を詰め込んだ『狙った配合』になっており、出資するしないに関わらず、ずっと注目していきたい一頭です。父シュヴァルグランの初仔なので馬のデキや価格の評価は難しいのですが、もしかしたら、この馬が2,000万円だったことで『今回はそれほど高くないのかな?』という印象を持ってしまったのかもしれません(^^ゞ
あまり長くなるのアレなので写真や動画の感想は馬ごとの記事で書くとして、この中でどの馬が人気になるのか、今回はちょっと読みにくい気もしています。まあ、そうは言ってもステラリード’21は人気になると思いますし、ミスペンバリー’21が売れ残るとは全然思わないものの、いずれにしても募集開始即満口…みたいなことにはならないような…。
ということで募集開始のの6/10まで、あれやこれやとジックリ悩んでみたいと思いますm(_ _)m