アメリカのシンフォニック・メタル・バンドの10作目。
このところのKamelotは、同じようなミドル・テンポの曲が並び、
マンネリしてたように思う。
もう以前のようなドラマティックな曲は期待できないのかと思っていた矢先の、Roy Khanの脱退だった。
新任のボーカリストは、Dream Theater系の、テクニカルなプログ・メタルを演奏していたSeventh WonderのTommy Karevik。
彼が、信じられないくらいRoy Khanに似ている。
知らずに聴いていたら、Roy Khanと信じて疑わなかったことだろう。
声質や歌い回しはもちろん、独特の息づかいまで再現している。
Royは、ライブでは非力だったので、Tommyの方がウケが良くなるかも知れない。
過去の曲も、遜色なく歌いこなせるだろう。
けれど、それで良かったのだろうか?
Journyのように、絶えず比較されてしまう。
全く新しい声でやってほしかった。
Nightwishのように。
おそらく、Thomas Youngbloodが、サウンドを変えたくなかったのだろう。
Thomasが求めるボーカリスト像が固まっているのだろう。
Thomasが求めるボーカリスト像が固まっているのだろう。
それは、ライブで助っ人としてRhapsody Of Fireのファビオ・リローネや、Circus MaximusのMichael Eriksenを起用したことからも明らかである。
だけど、どうしてもルパン=栗田貫一感がぬぐえないのだ。
Kamelotというと、必殺のバラードが必須だが、Silverthornでも5曲目の“Song For Jolee”がそれに当たる。
悲しく切なくも美しい。
2曲目の“Sacrimony”は、従来通りのキラーチューンである。
6曲目の“Veritus”も王道Kamelotサウンドで、コーラスがゴシックっぽい。
Elize R ydの女性ボーカルがいい。
最後のフォーキーなアコーディオンが余韻を残す。
8曲目のタイトルナンバー“Silverthorn”は、Ghost Operaに似た雰囲気を持つ。
11曲目の“Prodigul Son”は組曲だ。
映画の場面を見るような荘厳さがあり、悲壮感が漂う。
ここでのThomasのギターソロは、スケールが大きくていい。
相変わらず、シンフォニックで重いサウンドが続くが、Thomasがメロディアスを心掛けたというだけあって、一本調子ではない。
けれど、名作EpicaやThe Black Haloは超えられてない。
それは、キャッチーさが足りないためと思うのだ。
重けりゃいいってもんじゃないですよね。
そもそも、Kamelotが好きになったのは、情感溢れるメロディアスな流れだったから。
まいるどさんが書いたように、原点回帰が必要だと思います。