メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Royal Hunt の Paradox

2008-05-04 22:33:39 | メロディック・ハード
デンマークの、シンフォニックなメロディック・ハードバンドの4作目。
1997年作品。

3~4回聴いてみたが、これといった核になる曲はない。
曲ごとの特徴はない。
が、アルバム全体が1曲になってるから、全体を通して聴いた時に、すべてが繋がり、高い完成度を感じさせる。

全体を埋め尽くすようなアンドレ・アンダーソンのキーボードが、荘厳で壮大な世界観を生み出している。
クラシカルでスケールが大きい。
物語る歌メロに、見事に芸術性を肉付けしている。

なのに私は、ヤコブ・キエールのギターソロがあると安心するんだなぁ。
アンドレのキーボードは、守りに入っていて、攻撃性がない。
クラシックだと思えばいいんだろうが、どうしてもHR/HMが聴きたいから物足りないのだ。
ギターソロによって、哀愁や人間的な息吹を感じさせ、予定調和をぶち壊しているのが爽快だ。
いわば、神々しくて高貴で気高い芸術作品を、民衆レベルにまで引き下げ(?)、親しみやすくさせたというか。

D.Cクーパーの、広がりがあってしっかりと根付いてる歌声は素晴らしい。
音程と発声がしっかりしている。
実際、Silent Forceの来日の時に聴いたが、本当に上手だった。
この存在感ある歌が、全体の中心に位置して主張している。
さらに、天から降りてくるようなコーラスがすごくいい。

テーマは、「宗教と神」
詩の内容が理解できれば、深い感動ができるだろう。

もっと聴きやすく、キャッチーな曲があればいいのにとか、リズムに変化をつけてほしいとか、リフを利かせてとか注文したくもなるが、これはこれで完成されてるから、丸ごと受け入れるしかない。
コンセプト・アルバムの宿命上、聴き込むと良さが出るアルバムだと思った。
あと5回聴けば、また感想が変わるだろう。