メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

NightWish の Dark Passion Play

2007-10-07 17:12:58 | メロディック・ハード
2005年の、ターヤの突然解雇には、誰もがその耳を疑ったと思う。
私もそのひとりだった。
『Once』が成功し、バンドは絶頂期だと思っていた。
2005年3月の来日でターヤのお姿を拝見し、実力と共に、ルックスもステージングも見事で、ますます強大なバンドになるものと思っていた。
それだけに、ターヤの脱退は残念だった。

今回は、ボーカリストとしてAnetto Olxonを加え、2年ぶりの作品となった。
オーケストラを大々的に導入しているせいか、前作にあったリフのヘヴィネスが薄まり、クアイアも減って、荘厳なゴシック・メタルから遠ざかってしまった。
ギターサウンドが少ないのは寂しい。

が、悪いことばかりではない。
アネットの声は、とてもキャッチーで聴きやすい。
ターヤの美声が特徴的過ぎて、ちょっとだけ苦手だった私には悪くない。
彼女の声は、80年代で言えば、中音部ではパット・ベネターやクォーターフラッシュ(コーラスはABBAにさえ聴こえる!^^;)、スローな高音部は、アニー・ハズラムっていうか、Mother Earthの頃のシャロン・デン・アデルのようだ。
歌がうまいので、誰に似た声なのかを探すのが楽しい。

曲によっては、間奏部がプログレに聴こえなくもない。
メタルとプログレの完全なる融合が好きな人にはいいだろう。
また、ゴシックさが減った分、アレンジのしやすい普遍的なメタルが顔を出し、幅が広がったようだ。
シンフォニックさは、変わらずたっぷりある。

後半には、ケルティックな曲(The Islander)とケルティックな流れを汲む、ギターがフューチャーされたインストルメンタル曲(Last Of The Wolves)があり、Blackmore's Nightがこれをやってくれたら最高なのになと思った。

また、5曲目の“Master Passion Greed”のように、Bのマルコの歌が増えている。
詩が、ターヤに対する愛憎、批判とも取れる内容が多いので、新メンバーのアネットではなく、マルコが歌わなければならないのだろう。
そう言えば、ブックレットの真ん中にある写真は、メンバーの顔に不適な笑みがあって、復讐という“野望”に燃えているように見えるし、後ろにある写真は、下を向いている顔に微笑が見て取れ、復讐を果たした“満足感”に浸っているようにも見える。
なにも、こんなにまでしなくても。。

ターヤの呪縛から解き放たれれば、なかなかいい。
1回よりも、2回、3回と聴いていくうちに、味が出てくる作品だ。