東京ナイト

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パパ・タラフマラ「白雪姫」@北沢タウンホール

2012-03-29 23:18:55 | ライブ、芝居、演芸など
今日は下北沢でお芝居。



「パパ・タラフマラの白雪姫」。
パパ・タラフマラは1982年結成のダンス、演劇、音楽などが交じり合った不思議なグループ。
もう30年の歴史がありますが、今回の公演を最後に解散するとの事で駆けつけました。

で、「白雪姫」、やばいくらい面白かった。
75分のパフォーマンスが終わった後、手が痛くなるくらい熱烈な拍手をしてしまいました。

オープニングから小人達のユニークなダンスに引き込まれ、白井さち子さん演ずる悪い女王のキレキレのダンスは息を呑むほど見事。
テンポの良い演出、前衛的な音楽、シンプルな舞台とにかく何から何まで素晴らしかった。

ダンサー達は舞台のそこかしこで多元的に踊り続け、時に交じり合い独特のリズムで物語は進んでいきます。
細かい説明はなくても、ベースは誰でも知っている「白雪姫」の物語なので問題ありません。

で、圧巻は王子が白雪姫にキスをして彼女が生き返るシーン。
狂乱のカーニバルが始まるのですが、クストリッツァの「アンダーグラウンド」を彷彿させるシーンで本当に引き込まれました。

という訳で、30年の歴史に幕を閉じるのにふさわしい完成されたお芝居でした。
面白かった!

【official】「パパ・タラフマラの白雪姫」

映画「エンディングノート」

2012-03-29 07:18:04 | 映画
昨日は渋谷で映画。
今更ですが「エンディングノート」。



いい映画でした。
たぶんこの映画を観た誰もが自分の家族の事を想うはず。
僕もこの映画の主人公、砂田さんと同じく癌で亡くなった父の事を想いながら観ていました。
父も砂田さんと同じように家族に見守られて、最後までユーモアと強い心を失わず亡くなりました。

そう、この映画、「監督の父親の死に至る過程を撮る」という深刻なテーマにもかかわらず、全編を通じて「ユーモア」が満ちています。
これは砂田さんのキャラクターに負う所が大きいのですが、もうひとつ、娘が撮っている、ということも重要です。
そのことで、砂田さんも特に構えることなく素の顔を見せています。
時に踊って見せたり、娘にからかわれたり、最愛の孫達とあそんだりしながら、何だか穏やかな日常を僕たち観客も観る事になります。
まるで砂田さんの家族になってその場に居合わせたような気分になってきます。

撮影、編集、ナレーションと全て娘さんの砂田監督が担当しているのですが、編集が上手い。
ちゃんと状況が分かるような客観性も保ちつつ、家族の愛も伝わってくるような編集。
ナレーションも優しい声質が効果をあげていました。

という訳で、観終わった後も、自分の家族や自分自身について考えさせる良い映画でした。