気ままに

大船での気ままな生活日誌

祇園祭・前祭(3)京町屋の二階から山鉾巡行を見物

2023-07-21 10:17:30 | Weblog

おはようございます。

祇園祭・前祭、その3でござりまする。

山鉾巡行・京町屋(7月17日)

御池通りの特設観覧席での山鉾巡行を1時間ほど見て、ぼくらは新町通りへ向かった。先ほど見たばかりの山鉾がこの通りにやって来るので、今度はそれを京町屋の二階から眺めようというのである。

新町通は、室町通と並ぶ祇園祭の有名山鉾町して知られる。通りには呉服商を中心とした商家が今も多数残り、前祭・後祭合わせて7つの山鉾を出している。平安の昔からの繁栄ぶりがうかがえる。三井財閥や三越のルーツもこの地にあるそうだ。

新町通りに到着。山鉾を迎える人々がいっぱい。

この吉田邸の二階で見学する。

二階でツアー客が山鉾を待つ。10分もしない内に、祇園会の旗を先頭に先導隊が現れる。

そして、毎年必ず先頭を行く長刀鉾が現れる!目前に鉾の鮮やかな前懸。ペルシャ花文様絨毯、ペルシャ絹絨毯。まさに”動く美術館”。

胴懸には中国玉取獅子図絨毯か。十華図絨毯、梅樹図絨毯、中東連花葉文様インド絨毯など16世紀~18世紀の稀少な絨毯(現在は復元品)が囲っている。

見送は雲龍波濤文様綴織。

目の前で山鉾を見られる”特等席”。

向いの京町屋は現在、三井ガーデンホテルになっている。部屋から見物されている家族も。

つづいて、白楽天山。唐冠を付けた人形が白楽天で、帽子をかぶった僧の人形が道林禅師。

大きな鉾が来たようだ。

函谷鉾だ。

ぜいたくをいえば、ここの観覧席では屋根が見えない。

四条傘鉾のような小さな鉾ならOK

また、大きな鉾がやってきた。鶏鉾だ。

見送は有名な毛綴で、近年の調査によるとトロイの皇子へクトールが妻子に別れをつげる図であるという。この見送は、16世紀頃ベルギーで製作、江戸時代初期に輸入されたものと考えられ、国の重要文化財に指定されている。”動く美術館”。

菊水鉾 宵山で搭乗した鉾。ちまきも買った。ちょうど目の前で休憩してくれた。動く美術館が静止美術館に(笑)。

昭和の鉾として、装飾が年々充実しているとのこと。

伯牙山 胴懸は花卉尾長鳥文様の綴錦で、見送には「柳絲軒」在銘の仙人図刺繍を用いている。蝶型の角金具は珍しい意匠である。

ここで、二階での山鉾見学を終え、新町通りに出る。すると右手に蟷螂山が見える。宵山で最初に出会ったのもこの蟷螂山。〆も蟷螂山とは。縁があるね。前回、記したように、薬や菓子で有名な”ういろう”を始めた外郎(ういろう)氏がつくったもの。外郎家はその後、小田原に移り、現在も家が存続している。さらに、付け加えると、享保年間、二代目市川団十郎が咳の病で舞台に立てずにいたが、うわさできいた”ういろう”を試したところ、全快し、再び舞台に立てるようになった。団十郎は、感激し、当時1泊行程の小田原までお礼に出向き、それが縁で、団十郎・自作の”外郎売”が上演されるようになった。歌舞伎18番の一つとなった。詳しくはここに。

蟷螂山(とうろうやま)

ズームでカマキリを捉える。ちょうど、立ち上がっていた。

こうして、酷暑の中の祇園祭2023がおわった。老夫婦そろって元気で楽しむことができ、”達成感”でいっぱい(笑)。

ぼくは定年退職後、全国のお祭りを巡っているが、この祇園祭は2007年が最初。そのときのぼくのブログ感想文。”ボクは、今回、祇園祭の宵山と山鉾巡行をはじめて見学したわけですが、何だか、とてもなつかしいような、尊いような気持ちが、胸いっぱいに拡がりました。きっと、貞観11年(869)に疫病の退散を祈願して始まり、その後、応仁の乱で中断した祭りを再開させ、その後1000年もの間、営々と引き継いできた京都町衆の悠久の魂が、ボクの心の中に入り込んで、ボクをカンドウさせているのだろう、と思いました。” 初心に帰って、2023年祇園祭の記録を終了いたしまする。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

(コメント欄は再開します)

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1 コメント

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Unknown (小父さんA)
2023-07-22 18:12:42
こんにちわ。

>三井財閥や三越のルーツもこの地にあるそうだ。

山鉾巡行を目にするだけでも歴史を感じましたが、祇園祭連合会の貸借対照表までネットで見たことを思い出しました(笑)

>この吉田邸の二階で見学する。

祇園山鉾連合会前理事長さんのお宅だとか。
このお宅だけでも歴史ですね。

>10分もしない内に、祇園会の旗を先頭に先導隊が現れる。

いやー、いいですね~、道路上でも河原町と偉い違い。
またの行く機会があったら、私もここで待ちます(笑)

そして、長刀鉾、ペルシャ花文様絨毯・・・とこうして「文字」で確認していくと山鉾巡行というものをひとつづつ覚えていけそうです(汗)

中国玉取獅子図絨毯、十華図絨毯、梅樹図絨毯、中東連花葉文様インド絨毯などがいつの時代からこのような文化が入ってきたのか?とても興味深いですね。

まさに”動く美術館”だと感じました。

>目の前で山鉾を見られる”特等席”。

はっはっは、絵になりますね~!

>向いの京町屋は現在、三井ガーデンホテルになっている。部屋から見物されている家族も。

新町通りの巡行は風情がありますね。
河原町などのビル街でのちょっと艶消しな気がします(笑)

ヘクトールってギリシア神話の英雄なんですか。

>16世紀頃ベルギーで製作、江戸時代初期に輸入

なんて聞くだけでも嬉しくなります!

ん?国の重要文化財の指定の美術品、雨の場合でも濡れながら引くんですか?

>ちょうど目の前で休憩してくれた。動く美術館が静止美術館に(笑)。

ラッキーでしたね。

>昭和の鉾として、装飾が年々充実しているとのこと。

そうなんですか!

>〆も蟷螂山とは。縁があるね。

ありゃ、蟷螂山だけの保存会のHPがありますね!

>外郎家はその後、小田原に移り、現在も家が存続している。さらに、・・・二代目市川団十郎が咳の病で舞台に立てずにいたが、うわさできいた”ういろう”を試したところ、全快し、・・・

いやいや、エピソードは限りなく詰まっているんですね。
marboさんがご熱心な理由の一端が分かりました。

>ズームでカマキリを捉える。ちょうど、立ち上がっていた。

カマキリはちらりと見たのですが、今確認したら私の撮影には残っていませんでした。

>老夫婦そろって元気で楽しむことができ、”達成感”でいっぱい(笑)。

素晴らしい京都旅行になりましたね。
2007年の感動の感想文謹んで拝読させていただきました。

この(1)~(3)は祇園祭の私の教科書にさせていただきます。

テレビも観ておりました(汗)。
大相撲の方は、応援されている伯桜鵬と、感極まった朝乃山が頑張りましたね。

有難うございました。

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