気ままに

大船での気ままな生活日誌

奥村土牛展

2010-05-13 10:28:57 | Weblog


この春、京都の醍醐寺の桜をみた。境内にすばらしい枝垂れ桜が何本もあり、感嘆した。そのとき、山種美術館で開催中の奥村土牛展のポスターがあちこち貼られていた。ポスター絵が”醍醐”で、ここの枝垂れ桜がモデルになっているのだ。帰ったら、是非行こうと思っていたが、ようやく昨日実現した。

お目当ての”醍醐”は第二会場の小部屋にあり、見学順路からすると最後の部屋になるのだが、いきなり、そちらの部屋に入った。受付のすぐ左の部屋なのだ。やはり、実物はすばらしかった。枝垂れ桜の全体が描かれているのではなく、上半分を、やわらかな色合いのピンク色の満開の花でうずめ、下半分は寺院の塀、そして中心には少し緑がかった幹で構成されている。ほのぼのとした感じのとてもいい桜だった。醍醐寺の三宝院の桜だと、紹介があった。そして横に、実物の満開の桜の写真も展示されていた。

これは、ぼくが3月30日に撮った三宝院の桜である。これがモデルになったのだ。小林古径に兄事していて、薬師寺で行われた古径の7回忌の帰りに寄り、感動した桜だったそうだ。だから、古径への思いが込められているのだ。83歳の作というのにも驚いた。


この桜も良かったが、もうひとつ、とても素晴らしい桜があった。吉野山の桜を描いたもので”吉野”。近景の山桜をひとつと遠方の霞のようにたなびく山桜。山種が千鳥ヶ淵にあった頃、”桜さくらサクラ”展でもみている。ぼくも実際の吉野山の桜を一昨年みたが、歴史を感じ、祈りたいような気持ちでみたものだが、土牛も歴史画を描いているようで目頭をあつくしながら制作したという。

那智の滝や鳴門の渦潮なんかも良かった(奥さんは徳島出身だそうだ;いつものみーはー;汗)

土牛の雅号は寒山詩”土牛石田を耕す”からきていて、ご自身、丑年でもあるそうだ。そんなわけで、牛も好んで描いた。この”聖牛”はインドから善光寺に贈られたもので、一週間かけて写生しに行ったそうだ。

ぼくは酉年です。でもけんか好きではありません。”軍鶏”

うさぎ年のあなたに(笑)。

バレリーナのあなたに(笑)

刺身でいっぱいが好きなぼくに(笑)


まだまだ、蓮、大和路、僧、舞子、等、気に入ったものがたくさんあったが、この辺で。

あ、そうそう、歌舞伎と相撲もお好きで、よく見物に行ったようだ。引退前後の栃錦を描いた絵”稽古”も展示してあったが、絵ハガキがなくて残念だった。土牛が手元においていた、セザンヌ、ロダン素描集、マチス、ルノワールの古い画集も興味深く拝見した。

第1章 土牛の歩み(大いなる未完成)、第2章 土牛のまなざし(醍醐の桜と四季おりおりの草花)の構成だった。

”芸術には完成はありえない。要はどこまで大きく未完で終わるかである”土牛の言葉を載せたパネルをみつけた。

次回も行こう。

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