こんばんわ。
パナソニック汐留美術館で”テルマエ展・お風呂でつながる古代ローマと日本”が開催されている。テルマエといえば、ヤマザキマリのコミック『テルマエ・ロマエ』が原作の、阿部寛 、上戸彩 主演の映画(2012年)は見ている。とても面白かったので、この展覧会も面白いに違いないと足を運んだ。
映画では、浴場設計師のルシウス(阿部寛)が、ふとしたきっかけで現代の日本にタイムスリップし、日本の洗練された風呂文化に感動し、また古代ローマに戻り、斬新な浴場づくりに邁進するのだが、本展でも古代ローマの大浴場(テルマエ)の文化だけではなく、日本の入浴文化にも首を突っ込む。
第3,4章で、写真撮影が許可され、ナポリ国立考古学博物館所蔵の彫刻”恥じらいのビーナス”、フレスコ画、”ヴィーナス”など貴重な作品をカメラに収めることが出来る。ここでは、それらを中心に紹介したい。
次のような章立てになっている。
序章:テルマエ/古代都市ローマと公共浴場
第1章:古代ローマ都市のくらし
第2章:古代ローマの浴場
第3章:テルマエと美術
第4章:日本の入浴文化
序章:テルマエ/古代都市ローマと公共浴場
ローマで最初のテルマエ(大浴場)は、初代皇帝アウグストゥスの右腕のアグリッパによって建設された(前25年)。その後、ネロ帝(60-64年頃)、ティトゥス帝(80年)、トラヤヌス帝(109年)らにより大規模なテルマエが建設された。今も遺構がよく残されているカラカラ帝によるカラカラ浴場(216年)はよく知られる。
カラカラ浴場(ローマ)僕も20年ほど前、訪ねている。壮大な遺構である。
「カラカラ帝胸像」ナポリ国立考古学博物館(212-217)
第1章:古代ローマ都市のくらし
古代ローマの大都市には、政府高官、貴族、商人、職人、労働者、奴隷たちなど多様な人々が住むが、貧富の格差が目立つようになる。皇帝たちは大衆の不満を解消しようと、食糧の施与や娯楽の提供を行なった。テルマエもその一つ。庶民たちは、毎日の仕事のあとテルマエに通い、楽しんだ。
ヘタイラ(遊女)のいる饗宴 ナポリ国立考古学博物館 1世紀
剣闘士小像 ナポリ国立考古学博物館
第2章:古代ローマの浴場
テルマエのルーツは、古代ギリシャの運動施設の水風呂、医療行為として神域に設けられた入浴施設である。ローマ人は、それらを大衆の娯楽のために、驚くほどの規模へと変貌させた。テルマエは単なる体を洗う場所ではなく、身体を動かし、汗を流し、多くの人と交流して、心身の健康を保つための場所に変わってゆく。種々の浴室のほかに、運動場やいくつもの娯楽部屋が付随していた。紀元前19年にはウィルゴ水道が敷設され、大規模な正真正銘のテルマエがつくれるようになった
「アポロとニンフへの奉納浮彫」ナポリ国立考古学博物館 2世紀
「ストリギリス(肌かき器)」ポーラ文化研究所 前3~前1世紀
金製指輪とライオン頭部形の吐水口
銅製把手付ガラス壺とゴールドバンド装飾瓶
第3章:テルマエと美術
ローマの大規模なテルマエには、数多くの大理石彫刻も飾られ、皇帝や浴場の建設者の肖像のほかに、神々の像や古代ギリシャの有名作品のコピーが壁面のニッチや円柱の間の台座の上に並んでいた。主題は浴場にふさわしいものが選択された。この会場は撮影が許可されている。
「恥じらいのヴィーナス」ナポリ国立考古学博物館 1世紀
ヴィーナス(フレスコ画)ナポリ国立考古学博物館
「牧神頭部」石橋財団アーティゾン美術館 1世紀
「海から上がるヴィーナス」ナポリ国立考古学博物館 1世紀
ヘラクレスのトルソ(個人蔵)
ヘラクレス小像 MIHO MUSEUM 前1~後2世紀
カラカラ浴場模型
第4章:日本の入浴文化
日本の入浴は、天然の温泉と、人工的な入浴施設に分けられる。温泉は古くから地域の住民によって利用され、戦国時代には、武田信玄の隠し湯のように、武将たちが療養のため温泉を利用された。また、人工的な入浴施設は、はじめ、仏教の寺院内につくられ、汚れと穢れを清める場として広まってゆく。江戸時代には街中に湯屋が整備され、お湯につかるという現代にいたる入浴のスタイルが定着する。こうした日本の入浴に関する美術品や資料が展示されている。
肌競花(はだくらべばな)の勝婦湯 豊原国周
入浴を楽しむ江戸のご婦人。
江戸名所百人美女・御殿山 歌川国貞
江戸時代後期の湯屋模型(三浦宏)
中将湯温泉の看板 ”中将湯”はツムラ順天堂が創業当時から発売している婦人病の薬。これを湯に入れている温泉が好まれた。
明神湯 大田区にある昭和32年創業の銭湯。震災後の銭湯建築の典型。
宣伝入りです(笑)。
近代の入浴文化
とても楽しいテルマエ展でした。
山本由伸、好投、6勝目。大谷、通算100盗塁&高速ヒット
100盗塁!
高速ヒット。6月攻勢の魁。明日、15号、16号、連発なるか。
では、おやすみなさい。
いい夢を。
テルマエ映画の一場面。お相撲さんも出演した。
肌かき器、クォ・ヴァディスで観て、分かりますが実際に?皮が剥けそう。
ローマ時代は、ネロ皇帝でしょう?
どちらかと言えば、貴族の贅沢三昧。
当時には、ベルベットや絹の衣装が多いですね。
歴史的な背景にも、興味が湧きます。
おやすみなさい。
>ヤマザキマリのコミック『テルマエ・ロマエ』が原作の、阿部寛 、上戸彩 主演の映画(2012年)は見ている。
ヤマザキマリ氏はギリシャやローマの古代史にはかなり明るいですね。
>この展覧会も面白いに違いないと足を運んだ。
興味津々です。
>展でも古代ローマの大浴場(テルマエ)の文化だけではなく、日本の入浴文化にも・・・
ひゃー、これ関西では・・・?(、ヒュー、ヒュー!6/22から神戸市立博物館でやるじゃーないですか!楽しみが一つ増えました(笑)
(大谷、三振が二つ続いて、守備妨害の次はワイルドピッチで二塁へ、5打席目は6月攻勢のホームランが出ないかな?)
>カラカラ浴場(ローマ)僕も20年ほど前、訪ねている。壮大な遺構である。
イタリアはよく歴史的遺跡が残っていますね。
何でもご覧になっているんですね。
>庶民たちは、毎日の仕事のあとテルマエに通い、楽しんだ。
へ~っ、「パンとサーカス」のコロッセオなんかも同列ですね。
現在の日本政府も古代ローマに見習って欲しいです(笑)
>ヘタイラ(遊女)のいる饗宴
お~お~、私も1世紀にタイムトンネルで行きたくなります(笑)
>剣闘士小像
ぞくぞくしますね。
現実の闘技は残酷でしょうが!
>医療行為として神域に設けられた入浴施設である。
そうでしたか、あっ古代ギリシャなんですね。
>種々の浴室のほかに、運動場やいくつもの娯楽部屋が付随していた。
まるで、ジムと一緒ですね。
>水道が敷設され
これは大きいのでしょうが、紀元前19年とは驚きです。
>「ストリギリス(肌かき器)」
面白いです。
(なんだ大谷には申告敬遠とは!)
ヴィーナスが並ぶと天国ですね(笑)
>日本・・・武将たちが療養のため温泉を利用・・・仏教の寺院内につくられ、汚れと穢れを清める場
こうやって文化の比較ができるのも興味深いです。
>肌競花(はだくらべばな)
はっはっは、現代ならば豊原国周さん、のぞきで裁判にかけられそう!
>江戸名所百人美女・御殿山
濡れ手拭でぬぐうだけとは可哀そう。
>江戸時代後期の湯屋模型(三浦宏)
混浴は禁止されていたんだ!
>中将湯温泉の看板
勉強になりますね。
>明神湯
これぞ、日本のテルマエですね。
石榴口という言葉を初めてしりました。
>とても楽しいテルマエ展でした。
いやー、予告編を見せていただきルンルン気分です。
>山本由伸、好投、6勝目。大谷、通算100盗塁&高速ヒット
に
>テルマエ映画の一場面。お相撲さんも出演した。
最高です。
有難うございました。
>ローマ時代は、ネロ皇帝でしょう?どちらかと言えば、貴族の贅沢三昧。当時には、ベルベットや絹の衣装が多いですね。
そうですか。そのうち、古代ローマ時代の本も読んでみましょう。
ありがとうございました。
テルマエ展も神戸に巡回するようですので、どうぞお楽しみください。建設関係の会社におられた小父さんなら、建築の観点からも面白い展示かと思います。ぼくは、”恥じらいのビーナス”の写真を撮れただけで大満足です(笑)。
ありがとうございました。