気ままに

大船での気ままな生活日誌

テルマエ展 お風呂でつながる古代ローマと日本 

2024-06-02 21:29:49 | Weblog

こんばんわ。

パナソニック汐留美術館で”テルマエ展・お風呂でつながる古代ローマと日本”が開催されている。テルマエといえば、ヤマザキマリのコミック『テルマエ・ロマエ』が原作の、阿部寛 、上戸彩 主演の映画(2012年)は見ている。とても面白かったので、この展覧会も面白いに違いないと足を運んだ。

映画では、浴場設計師のルシウス(阿部寛)が、ふとしたきっかけで現代の日本にタイムスリップし、日本の洗練された風呂文化に感動し、また古代ローマに戻り、斬新な浴場づくりに邁進するのだが、本展でも古代ローマの大浴場(テルマエ)の文化だけではなく、日本の入浴文化にも首を突っ込む。

第3,4章で、写真撮影が許可され、ナポリ国立考古学博物館所蔵の彫刻”恥じらいのビーナス”、フレスコ画、”ヴィーナス”など貴重な作品をカメラに収めることが出来る。ここでは、それらを中心に紹介したい。

次のような章立てになっている。

序章:テルマエ/古代都市ローマと公共浴場
第1章:古代ローマ都市のくらし
第2章:古代ローマの浴場
第3章:テルマエと美術
第4章:日本の入浴文化

序章:テルマエ/古代都市ローマと公共浴場

ローマで最初のテルマエ(大浴場)は、初代皇帝アウグストゥスの右腕のアグリッパによって建設された(前25年)。その後、ネロ帝(60-64年頃)、ティトゥス帝(80年)、トラヤヌス帝(109年)らにより大規模なテルマエが建設された。今も遺構がよく残されているカラカラ帝によるカラカラ浴場(216年)はよく知られる。

カラカラ浴場(ローマ)僕も20年ほど前、訪ねている。壮大な遺構である。

「カラカラ帝胸像」ナポリ国立考古学博物館(212-217)

第1章:古代ローマ都市のくらし

古代ローマの大都市には、政府高官、貴族、商人、職人、労働者、奴隷たちなど多様な人々が住むが、貧富の格差が目立つようになる。皇帝たちは大衆の不満を解消しようと、食糧の施与や娯楽の提供を行なった。テルマエもその一つ。庶民たちは、毎日の仕事のあとテルマエに通い、楽しんだ。

ヘタイラ(遊女)のいる饗宴 ナポリ国立考古学博物館 1世紀

剣闘士小像 ナポリ国立考古学博物館

第2章:古代ローマの浴場

テルマエのルーツは、古代ギリシャの運動施設の水風呂、医療行為として神域に設けられた入浴施設である。ローマ人は、それらを大衆の娯楽のために、驚くほどの規模へと変貌させた。テルマエは単なる体を洗う場所ではなく、身体を動かし、汗を流し、多くの人と交流して、心身の健康を保つための場所に変わってゆく。種々の浴室のほかに、運動場やいくつもの娯楽部屋が付随していた。紀元前19年にはウィルゴ水道が敷設され、大規模な正真正銘のテルマエがつくれるようになった

「アポロとニンフへの奉納浮彫」ナポリ国立考古学博物館 2世紀

「ストリギリス(肌かき器)」ポーラ文化研究所 前3~前1世紀

 

金製指輪とライオン頭部形の吐水口

銅製把手付ガラス壺とゴールドバンド装飾瓶

第3章:テルマエと美術

ローマの大規模なテルマエには、数多くの大理石彫刻も飾られ、皇帝や浴場の建設者の肖像のほかに、神々の像や古代ギリシャの有名作品のコピーが壁面のニッチや円柱の間の台座の上に並んでいた。主題は浴場にふさわしいものが選択された。この会場は撮影が許可されている。

「恥じらいのヴィーナス」ナポリ国立考古学博物館 1世紀

ヴィーナス(フレスコ画)ナポリ国立考古学博物館

「牧神頭部」石橋財団アーティゾン美術館 1世紀

「海から上がるヴィーナス」ナポリ国立考古学博物館 1世紀

ヘラクレスのトルソ(個人蔵)

ヘラクレス小像 MIHO MUSEUM 前1~後2世紀

カラカラ浴場模型

第4章:日本の入浴文化

日本の入浴は、天然の温泉と、人工的な入浴施設に分けられる。温泉は古くから地域の住民によって利用され、戦国時代には、武田信玄の隠し湯のように、武将たちが療養のため温泉を利用された。また、人工的な入浴施設は、はじめ、仏教の寺院内につくられ、汚れと穢れを清める場として広まってゆく。江戸時代には街中に湯屋が整備され、お湯につかるという現代にいたる入浴のスタイルが定着する。こうした日本の入浴に関する美術品や資料が展示されている。

肌競花(はだくらべばな)の勝婦湯 豊原国周

入浴を楽しむ江戸のご婦人。

江戸名所百人美女・御殿山 歌川国貞

江戸時代後期の湯屋模型(三浦宏)

中将湯温泉の看板 ”中将湯”はツムラ順天堂が創業当時から発売している婦人病の薬。これを湯に入れている温泉が好まれた。

明神湯 大田区にある昭和32年創業の銭湯。震災後の銭湯建築の典型。

宣伝入りです(笑)。

近代の入浴文化

とても楽しいテルマエ展でした。

山本由伸、好投、6勝目。大谷、通算100盗塁&高速ヒット

100盗塁!

高速ヒット。6月攻勢の魁。明日、15号、16号、連発なるか。

では、おやすみなさい。

いい夢を。


テルマエ映画の一場面。お相撲さんも出演した。

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4 コメント

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大浴場 (アナザン・スター)
2024-06-02 22:12:44
テルマエ展に、吃驚です。
肌かき器、クォ・ヴァディスで観て、分かりますが実際に?皮が剥けそう。

ローマ時代は、ネロ皇帝でしょう?
どちらかと言えば、貴族の贅沢三昧。
当時には、ベルベットや絹の衣装が多いですね。

歴史的な背景にも、興味が湧きます。
おやすみなさい。
返信する
Unknown (小父さん)
2024-06-03 08:07:55
おはようございます。

>ヤマザキマリのコミック『テルマエ・ロマエ』が原作の、阿部寛 、上戸彩 主演の映画(2012年)は見ている。

ヤマザキマリ氏はギリシャやローマの古代史にはかなり明るいですね。

>この展覧会も面白いに違いないと足を運んだ。

興味津々です。

>展でも古代ローマの大浴場(テルマエ)の文化だけではなく、日本の入浴文化にも・・・

ひゃー、これ関西では・・・?(、ヒュー、ヒュー!6/22から神戸市立博物館でやるじゃーないですか!楽しみが一つ増えました(笑)

(大谷、三振が二つ続いて、守備妨害の次はワイルドピッチで二塁へ、5打席目は6月攻勢のホームランが出ないかな?)

>カラカラ浴場(ローマ)僕も20年ほど前、訪ねている。壮大な遺構である。

イタリアはよく歴史的遺跡が残っていますね。
何でもご覧になっているんですね。

>庶民たちは、毎日の仕事のあとテルマエに通い、楽しんだ。

へ~っ、「パンとサーカス」のコロッセオなんかも同列ですね。
現在の日本政府も古代ローマに見習って欲しいです(笑)

>ヘタイラ(遊女)のいる饗宴 

お~お~、私も1世紀にタイムトンネルで行きたくなります(笑)

>剣闘士小像

ぞくぞくしますね。
現実の闘技は残酷でしょうが!

>医療行為として神域に設けられた入浴施設である。

そうでしたか、あっ古代ギリシャなんですね。

>種々の浴室のほかに、運動場やいくつもの娯楽部屋が付随していた。

まるで、ジムと一緒ですね。

>水道が敷設され

これは大きいのでしょうが、紀元前19年とは驚きです。

>「ストリギリス(肌かき器)」

面白いです。

(なんだ大谷には申告敬遠とは!)

ヴィーナスが並ぶと天国ですね(笑)

>日本・・・武将たちが療養のため温泉を利用・・・仏教の寺院内につくられ、汚れと穢れを清める場

こうやって文化の比較ができるのも興味深いです。

>肌競花(はだくらべばな)

はっはっは、現代ならば豊原国周さん、のぞきで裁判にかけられそう!

>江戸名所百人美女・御殿山

濡れ手拭でぬぐうだけとは可哀そう。

>江戸時代後期の湯屋模型(三浦宏)

混浴は禁止されていたんだ!

>中将湯温泉の看板

勉強になりますね。

>明神湯

これぞ、日本のテルマエですね。

石榴口という言葉を初めてしりました。

>とても楽しいテルマエ展でした。

いやー、予告編を見せていただきルンルン気分です。

>山本由伸、好投、6勝目。大谷、通算100盗塁&高速ヒット



>テルマエ映画の一場面。お相撲さんも出演した。

最高です。

有難うございました。
返信する
アナザン・スターさま (marbo)
2024-06-03 08:55:27
クォ・ヴァディスも見ているのですか。肌かき器、ほんと皮膚が破れそう。ぼくは肌が弱いので、垢すりもしません。

>ローマ時代は、ネロ皇帝でしょう?どちらかと言えば、貴族の贅沢三昧。当時には、ベルベットや絹の衣装が多いですね。

そうですか。そのうち、古代ローマ時代の本も読んでみましょう。

ありがとうございました。
返信する
小父さんさま (marbo)
2024-06-03 09:04:58
早朝からのドジャース戦の中継を交えながらの感想コメントありがとうございます。今日の大谷、いいとこなかったですね。8回の最後のチャンスに今季初の申告敬遠とはがっくり(笑)。連戦がつづきますので、そのうち打ち出すだろうと期待しています。ヤンキース戦も控えていますね。由伸も先発が予定されているようです。ジャッジ対大谷対由伸、みどころいっぱいです。

テルマエ展も神戸に巡回するようですので、どうぞお楽しみください。建設関係の会社におられた小父さんなら、建築の観点からも面白い展示かと思います。ぼくは、”恥じらいのビーナス”の写真を撮れただけで大満足です(笑)。

ありがとうございました。
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