本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

赤々丸 (内田美奈子)

2007-10-31 21:14:40 | 漫画家(あ行)
★あらすじ★
真面目すぎた反動で、生徒会長赤井くんは赤々丸と白々丸に分裂し、SFな未来にタイム・スリップしてしまった。
そこは猫と人間が戦う世界。
過激な二人は、たちまち戦う猫族のシンボルとなる。
猫の自由と権利を求める革命は二人を得て、成功に近づいたかに見えた・・・
しかしそれもつかの間、ひょんな事から地球は惑星パラドックスとの戦争に突入してしまう。
そして街からは<タイリョウノネコ>が消えてゆくのだった。
彼らはどこへ行ったのか・・・
疑念を抱いた猫大生たちと赤&白々丸はその収容所に忍び込み、惑星パラドックスとの裏取り引きのために、集めた猫たちを売り渡そうとしていたのだ。
真実を知った解放軍と、C・H・G軍の間で、たちまち切られる戦火の火蓋・・・はたして猫族の、そして赤々丸の運命はいかに!?



今回は私にしては珍しくまともにあらすじを書いてみた。
・・・と言ってもこれは最終巻に載っていたものを書いただけ・・・。
手抜きです。ごめんなさい。


さて、この作品1巻が1984年発行、5巻が1987年発行だから、ちょっと古い。
しかし、絵は上手い。こういうペンタッチは私は好きだ。
話もなかなか面白い。
キャラはどれも非常に個性的!・・・素晴らしくアクの強いキャラばかり!!!
私の好きなキャラは・・・誰だろう?赤々丸と白々丸は顔がいいからどっちも好きだし・・・(笑)
すぐにいじける猫丸も可愛いし、シリアスが似合うただひとりの猫、テテもいい。
あとは・・・好きとは言わないが、なかなか面白いキャラばかりで、ここに書いてるときりがないので止めておく。


テーマは「差別」とか「戦争の虚しさ」とか・・・。

一番言いたかったのは
「精神(こころ)が自由であること」
・・・か?

ここに出てくるキャラはどれも全て「精神(こころ)が自由であること」を求めている。
ま、それが周りに迷惑をかけている場合もあるが・・・決して悪気はないのだ。(笑)


ラストは、
「ご想像におまかせします」タイプの終わり方。
こういうラストは嫌いだ!!という人もいるが、私は嫌いではない。
この作品のラストも、これで良かったように思う。

Petshop of Horrors (秋乃茉莉)

2007-10-30 21:39:10 | 漫画家(あ行)
毎回、変わる主人公のチャイナ風衣装がいい。
ストーリーに関しては、結構面白いのだが、10巻目、正体の説明あたりが、うーーーん、ちょっと・・・。という感じ。何か少しすっきりしない終わり方なのだ。そこが、ちょっと残念!
・・・と思ってたら新シリーズが始まりましたね。
今、何巻ぐらいまで出てるのかな~?
私はまだ新シリーズは二巻ぐらいしか買ってないのです。
早く続きを買わなくちゃ!

エマ 9巻 (森薫)

2007-10-29 09:57:23 | 漫画家(ま行)
(2007年発行)

どんどん絵が上手くなってきて嬉しくなっちゃいますね~♪

「エーリヒとテオ」ではリスの動きが非常にいいし、
「歌の翼に乗せて」では、髪の毛と手の表現がステキ。

そして、今回私が一番気に入ったのが「友情」。
ウィリアムとハキムが初めて出会ったときの話なのだが、子供の頃のハキムがとっても可愛い♪
勿論、大人になったハキムも好きなんだけどね。

それに、ふたりの話だけでなく、インドとイギリスの関係も絡ませて描いているのが良かった。

ハキムとウィリアムがテニスをしているのを見ながらハキムの父親である陛下が語る言葉と表情が実にいい。
「他国による支配が永続した例はない
貴国はいわば過客だ
いずれ去る
滞在が終わった後
彼らは我々をどう見るだろうか?
友としてか?
それとも・・・・・・」

TOMOI (秋里和国)

2007-10-28 13:15:26 | 漫画家(あ行)
「眠れる森の美男」の続編。

日本が舞台のものと、ニューヨークが舞台のものと、パキスタンが舞台になってるのと三つに分かれている。
最初の日本が舞台になっているのは、ま、悪くはないのだけど、あとの二つの話の方が面白い。

マーヴィンの妻のナンシーが逆上して友井を撃ち殺しに来る展開は、ちょっと強引すぎる気もしないわけではないが
…マーヴィンと友井の「おだやかな空気の流れている」ような感じの雰囲気が、とってもいい。

友井を庇って死んでいくマーヴィンを抱きしめる友井の表情、
涙を流しながらつぶやくように歌う「もーろびと こぞーりーて むかーえ まーつれー」は、その、友井の歌声が本当に耳元で聞こえてくるような気さえする。

死ぬ間際、マーヴィンが「地獄へは堕ちるな」と、言い残したため、
自殺の出来ない友井は死ぬために戦場に行く。
しかし、アメリカから来たカメラマンのスミスに
「人は 神がもう死んでもいいというまで 生きなけりゃだめなんだ!!」
と、言われる。
その言葉に少し心を揺さぶられた友井だったが、そう言ったスミス自身はその後爆撃で死んでしまう。

「神がもう死んでもいいと いったのかっ」
と、スミスの遺体に向かって叫ぶ友井。
…この部分、映画「ポセイドンアドベンチャー」で牧師がこんな感じで叫ぶシーンがあったよなー、って思ってしまったが、どちらも非常にいいシーンである。

兄の死を目の当たりにしたアデルは声を失う。
友井はアデルとの生活の中で「空が青い」事に気付く。

「ああ ほんとだ 空が 青い」

そして、「生きたい」という感情が芽生え始める。

そこでね、無事帰ることが出来ました。めでたし、めでたし、…で、終わればいいのだけど残念ながら、そうは問屋が卸さない!
そうです。感動する話にする為には悲劇で終わらなければならないのです。

爆撃を受けて、友井から貰った指輪をしているアデルの引きちぎられた腕が、友井の目の前に無残に転がっている。

「神よ!もう…
死んでもいいですか
ああ
きょうも
空が……青い」


ああ、もう悔しいが、こういう展開は好きなのだ。
よくある展開だが、好きなのだ。
水戸黄門で印籠が出てこなくちゃいけないように、こういう話はこういう風に終わらなくちゃいけないのだ。

眠れる森の美男 (秋里和国)

2007-10-27 23:13:47 | 漫画家(あ行)
何か一種独特の雰囲気のある作品。
主人公が冷めているからか?
これも所謂「低血圧漫画」の一つともいえるだろう。
*主人公が積極的に行動しない、もしくは出来るだけいろんな事から避けようとしているような漫画。
例:「動物のお医者さん」「百鬼夜行抄」など。。。

タイトルが「眠れる森の・・・」という事はやはり主人公がキスされてゲイに目覚めたという事を表しているのか?
キスされた後、部屋に一人残される様子の表現(83ページ~91ページ)が秀逸。

D-魔道衆 (菊地秀行)

2007-10-26 11:17:53 | 小説
(2007年発行)

いつもの「朝日ソノラマ」ではなく「朝日新聞社出版本部」から出た”D”です。
「朝日ソノラマ」は今年の9月で営業停止になってしまったんですよね。
昔から結構私好みの本が出ていたところだったので非常に残念です。


今回の”D”も相変わらず美しくて強くていい男です。
”左手”もDから切り落とされてからの大活躍がいい。

今年の11月14日にDのコミック版
「HIDEYUKI KIKUCHI'S VAMPIRE HUNTER"D"」が世界発売されるらしい。
作者は鷹木骰子(SAIKO TKAKI)さん。
この作品が処女作で、世界デビューになるそうです。
http://www.ne.jp/asahi/falcontree/takaki/home.html

”D”のイメージ通りの絵を描いてくれているのなら非常に嬉しいのですが・・・。
どんな漫画になっているのでしょうか?楽しみです。

それにしても、
日本語版、英語版、ドイツ語版、イタリア語版、フィンランド語版、が決定してて、
スペイン語版、ハンガリー語版、フランス語版が交渉中とはスゴイですね。

しかも、<コミックを凌ぐ世界的規模のメディアによるプロジェクト>も進行中とのこと。
一体何なんでしょうね?
実写版映画でしょうか?私としてはアニメの方がいいんですけどね。
もし実写版だとしたら、Dの役が出来る俳優っているのでしょうか???

富江 (伊藤潤二)

2007-10-25 20:42:20 | 漫画家(あ行)
(平成12年発行)

<あとがきより一部抜粋>
富江はいわゆる悪女の典型で、それも、ずいぶん紋切型だと自分で描いていて思う。
左目の下のホクロっていうのもよくあるパターンだ。
切断された断片から再生するというアイデアだって、私の独創とはいえないし、
男がかたっぱしから富江に魅せられてしまうという設定もちょっと強引だな。


何だかかなり冷静に自分の作品を見てますね。
この作品には作者の富江に対する”愛”が詰まっているような気がします。
自分で作ったキャラに惚れてるんでしょうね。


<再びあとがきより一部抜粋>
「富江をもっと美しく描かなくてはと、より美しい富江をめざして、次々と描かざるを得なくなってしまうという事だ!」


ここまで惚れ込んだキャラを描くのって楽しいだろうな~って思ってしまう。
富江にもっとも魅せられた男はきっと作者に違いない。

レナード現象には理由がある (川原泉)

2007-10-24 10:10:36 | 漫画家(か行)
(平成18年発行)

これの感想ってちょっと難しい。
いつもの癒し系の川原ワールドであることは間違いないのだが、
あるサイトで<差別・人権侵害>だという意見があったから。。。

「真面目な人には裏がある」
という作品で同性愛を扱っているのだが、同性愛者は親不孝だという風に描かれている・・・
と言うのだ。
う~~~ん。
今回この作品を読んで私にはそういう風には思えなかったのだが、まあ、受け取る人によってはそう感じる人もいるっていうことなのでしょう。
なかなか難しい問題ですね。

私は、この作品が<差別>だと言うのなら、もっと他の部分の差別感の方が気になります。

<後腐れのなさそーな軽めのタイプを選んで適当に付き合っている>という塔宮拓斗。
彼が狙う相手はユリアナ高校で、その高校の説明として、
<女子高・偏差値は・・・とても可愛らしい数字・スカート丈が短くて見てるとハラハラする>
・・・といった表現をしている。

つまり、偏差値の低い女子高生は短いスカートをはいて、男とすぐに遊ぶ子が多い。
・・・っていう風にとれる。
それってやっぱり差別じゃないのかな~?
自分の息子が同性愛者だったことに驚く両親・・・っていうよりもこういう学校の生徒はこういうタイプの子が多い・・・という事を肯定してる方が偏見としてあまりにも一般的すぎて怖いような気がする。

「あの子の背中に羽がある」
この話に出て来る<小学生の女の子を狙った悪質な連れ去り犯>は、
<ロリコン・変態・超・気持ち悪い・変質者は死刑にするか一生どっかに閉じ込めときゃいい>
と言われ、その犯人の姿は小太りでメガネをかけた、いかにもロリコンオタクと思われるような感じをしている。
あ~~、一般的なオタクのイメージ通りの姿だと思うのよね。
漫画として描く場合、そういう風に描いた方が読者は納得するだろうし、説得力があるんだよね。
でもね~、<偏見>として考えたら、小太りでメガネをかけてて暗そうな男性全てが変態ではないんですよね。

もっと言えば、
試験の成績の悪い生徒を成績のいい生徒が<猿>を見るような目つきで見る。とか・・・

あ、「『ホモ』は差別用語みたいだから『ゲイ』って言ったほうが」
・・・と、作品中で言いながら
「『ゲイ』ってどーも語感が悪くて」
と、その後、『ホモ』っていう表現をしてるのもどうかな~?

細かく見ていくと、差別だの偏見だのと指摘しようと思えば指摘出来る箇所はいっぱいある。
しかしね、こういうのは川原作品だけではないと思うのよね。

漫画にしろ、小説にしろ、ドラマにしろ、映画にしろ、とにかくどれもこれも細かくチェックしていけば差別と偏見があふれてるかもしれない。
・・・が、差別や偏見というものは時代や国によっても異なるわけだし、手塚治虫の作品にだって今読むと多くの差別・偏見が描かれている。

商業誌に作品を発表するということは多くの読者に影響を与える可能性があるということで、
なるべくなら差別や偏見がないものがいいのだが、そういったものは夫々の個人の受け取り方によっても大きく違ってくるだろうし、非常に難しい問題なんでしょうね。


結局、作品中に細かい部分で差別だと思われる箇所があっても大きなテーマとしてそれが差別をあらわすものではなければいい・・・と簡単に言ってしまってはいけない??

結論として・・・今の所こういったことをどう捉えるべきなのか・・・悩み中・・・です。

死体洗いのアルバイト 病院の怪しい噂と伝説 (坂木俊公)

2007-10-23 08:41:47 | その他
(2003年発行)

<帯の言葉より>
病院には怖いウワサがいっぱいだ!
現役精神科医が、医療にまつわる「都市伝説」のウソとホントを教えます。

「死体洗いのアルバイト」「美人は白血病で死ぬ」「膣ケイレンの芸能人」etc.
あの噂は本当だった!?


この本は著者が開設しているウェブサイト「医学都市伝説」の一部なのだそうだ。
http://med-legend.com/


「死体洗いのアルバイト」って、結構良く聞く話ですよね。
でも・・・よ~く考えたら、
でっかいプールみたいなところに解剖用死体をストックして、ホルマリンにちゃんと浸かるように沈めるなんてことをやってる筈がないですよね。
著者は、ホルマリンはけっこう蒸発するのでそんな管理をしていれば無駄だし危険だと書いてるけど、それ以前の問題として、そんなことは死者に対する冒涜のような気がするのです。
何だか、献体されたご遺体を<モノ>扱いしてるように思えます。

実際、某医学部では解剖実習の時は必ずご遺体に対して礼をしてから行うらしいし、
ホルマリンのプールで浮かんできた死体を棒で沈めるなんて、絶対にしないんじゃないのかな~?


ま、とにかく医学に関する都市伝説について解説した本です。

メチル・メタフィジーク (吾妻ひでお)

2007-10-22 12:26:41 | 漫画家(あ行)
(昭和55年発行)

<あとがきより>
「たしかに現実のコーゲキはしつようであり、
SFの道もまたけわしい。
しかし私はくじけない。
この世に、現実とSFと〆切りがあるかぎり、
私の本がベストセラーになるその日まで、戦い続けるのだ!!」

う~~~ん。。。
残念ながら、ちょっとばかしくじけちゃったのよねぇ。
でも、とりあえず立ち直って「失踪日記」でベストセラーになっちゃったんだよねぇ。
このあとがきを描いた時点で、自分が将来こういう風になるなんて予想してなかったんだろうなって思うと何だか面白い。

この本は、『不条理日記』が1979年の第10回日本SF大会の星雲賞コミック部門を受賞した後に描かれたもので、一番油がのってた頃の作品といえるのかもしれない。


この本に収録されている「るなてっくNo.1」
この中に、「シッポがない」としか言わない
シッポの先が切断されている恐竜?(大きいトカゲ?)が出て来る。
他の作品にも時々出ているから作者のお気に入りのキャラなのかもしれない。

この世界では、人間タイプの者は何かを引きずっている。
主人公は<のた魚>。
「のた魚はいらんかねー」と言いながら歩いてるのだ。
他の者も、<へねもね>とか<へろそ>とか<いらかそ>とかわけのわからないものを引きずりながら、
「いらんかねー」と、言っている。
そこへ、悲しそうに半べそかいた恐竜?が、「シッポがない」と言って切断されたシッポを主人公に見せる。
次のコマでは、のた魚を引きずる主人公の後ろを何匹もの恐竜?たちが
「シッポがない
シッポがない
シッポがない
シッポがない」
と言いつつ走って行く。

のた魚をいろんなものと交換した主人公は最後に何にもなくなってしまう。

「なんにもなくなってしまった
引きずる物がなにもなくなってしまった」

そして・・・主人公の身体はあのシッポのない恐竜?に変化して、
「シッポがない シッポがない」
と言いつつ走り出すのだ。




シッポ
って、何だろう?
引きずる物がある者は人間の姿。
ないものはシッポがちぎれた恐竜?の姿をしている。

引きずる物って何だろう?
財産?家族?仕事?信条?信念????

そういったものが<引きずる物>なのかもしれない。
そして・・・引きずる物を失った者は、それを後悔しつつ
「シッポがない
シッポがない」
と言って走り回らねばいけないのだ。

吾妻ひでおも失踪した時には「シッポがない」状態だったのかもしれない。


千夜一夜物語 (モンキー・パンチ)

2007-10-21 09:32:29 | 漫画家(ま行)
(2004年発行)

最近のモンキー・パンチの線って、昔に比べると随分細くなってるみたい。
昔の方がまるで画面から飛び出さんばかりの勢いがあったように思えるのだけど、
何だか穏やかになったっていう感じ。
勿論、それはそれで非常にいい感じがする。

特に「千夜一夜物語」を表現するにはこういうタッチの方がいいと思う。
繊細で華麗できらびやかな世界を、とっても丁寧に描いている。
宮殿内の造形。
絨毯など、布類の模様まで実に細かい!
手抜き部分がないって気持ちいいですね。

そして、女性の色っぽいこと!!

この話、全部きちんと描いていったら100巻ぐらいかかるらしい。
是非とも最後まで描ききって欲しいと切に願います。


パパとムスメの7日間 (五十嵐貴久)

2007-10-20 07:31:33 | 小説
(2006年発行)

<帯の文章より>
イマドキの女子高生・小梅16歳と、
冴えないサラリーマンのパパ47歳
ある日突然、「大キライなパパ」と「最愛の娘」の
人格が入れ替わってしまったら?
ドキドキの青春あり、ハラハラのサラリーマン人生あり。
ハートウォーミングな家族愛を描いた
笑いと涙のノンストップ・エンターテインメント長編!



数ヶ月前、舘ひろし主演のTVドラマになりましたね。
舘ひろしのイメージってダンディな男性っていう感じかな?
その彼が、女子高生っぽい演技をするってことで興味深く観たんだけど、面白かった。

「人格の入れ替わり」というテーマ自体はいろいろと使われているからもう目新しくはないのだけど、
父親と娘の入れ替わりというのがなかなかいい。

最初にドラマを観て、原作を読んだものだから、イメージがどうしてもドラマの人物になってしまうんですよね。
もし、原作を先に読んでいたら、<パパ>のイメージってどういう感じだったかなあ?
舘ひろしをイメージしてたかな~?
たぶん、してなかったと思うのよね。
このドラマ、パパ役を舘ひろしに抜擢したっていうのが素晴らしいね。

原作とドラマは細かい部分は、もちろん違うのだけど、
大まかな部分はだいたい似たような感じ。

要するに、父親と娘がお互いのことをちょっぴり理解するようになったかな・・・っていう話。
まあ、現実世界では人格が入れ替わるなどという不思議な体験をしなくても、(したくてもそういう体験は出来ない?)
父と娘がお互い理解しあう事が出来ればいいんだけどね。

こどもの体温 (よしながふみ)

2007-10-19 16:31:58 | 漫画家(や・ら・わ行)
(1998年発行)

<裏表紙の説明文より>
我が子ながら、なかなか上手く育っている。
(もちろん親ばかだ。わかっている)・・・と、
そう信じていた息子が、ガールフレンドをニンシンさせたり、
仲がいいと信じていた後輩ふたりが、
友人の死をきっかけに奇妙な同居をはじまたり。
ふつうの生活のなかにも、
だれにも言えない『秘密』や『愛情』を抱きしめて、
僕らは今日も暮らしていくのです。

表題作ほか、僕の見た”彼”と”彼”の生活をつづる
『僕の見た風景』などシリーズ4篇を収録した、
よしながふみの傑作短編集。



この作品も当然のことながら”心理描写”が実に上手い。

特に「僕の見た風景」での描写がスゴイ。
115ページ~121ページ。
1ページあたり2~4個の縦に割ったコマが続くのだが、
顔の表情と”間”の取り方の上手さで見事にふたりの感情を表現し、
123ページでふたりが抱き合う場面へと導いて行く。


こういう描き方は、凡人が描くとおそらく単なる”手抜き”になってしまうのだが、
よしながふみが描くと感動的な名場面になってしまう。
流石ですね。。。

いつまでもデブと思うなよ (岡田斗司夫)

2007-10-18 21:04:43 | その他
(2007年発行)

いつだったか、うちの娘が、
「この間TVを観てたら、岡田斗司夫の声で話し方も同じなんだけど、全然太くない男性がしゃべってたんだけど、あれってやっぱり岡田斗司夫だったのかな~?」
・・・って言うんです。
へ~~?岡田斗司夫が痩せたのかな???
と、思いつつ忘れてたんだけど、先日新聞でこの本の紹介があって、びっくり!!



一年間で50㎏痩せた!!



えぇ~~~~~!!50㎏~~~~!!!
普通の体型の人だったら死んでしまいます。(笑)

本屋に行くと、この本がずら~~~っと並んでるし、かなりよく売れているみたい。
・・・で、本屋では買わずに図書館に行くとこの本は今日図書館に入ってきたばかりとのこと。
・・・で、それをまだ登録してなかったのに急遽登録してもらって即、借りることが出来ました♪
ラッキー~~♪(主婦はなるべくお金をかけずに図書館を利用する)


一年前の岡田斗司夫と現在の写真が載ってるけど・・・完璧に別人!!!
おぉ~~~~~!!50㎏の肉がなくなると顔まで全く変わってしまうのね。

これは私も挑戦する価値ありそう・・・!!

このダイエットは、
「夕食をサラダだけでガマンできる」”健康オタク”や
「要するに筋肉を鍛えて基礎代謝量を上げればいいんだ~!」・・・というような”筋肉オタク”ではない、
運動嫌いで怠け者、好きなものも食べたい、お金もかけたくない、
でも本を読んだり考え事をするのは苦にならない、
いわば「文系のためのダイエット」!
なのだそうだ。
う~~~ん・・・見事に私にピッタリ!!!(笑)


この本、ダイエットの本というより、<読み物>として面白かった。
「見た目主義社会」に関する考察なんてすごく共感を覚えるし、
記録をとるだけのダイエット方法も実に合理的で納得出来るものだ。

<新潮新書>の本として出すことによって男性にも手に取りやすいし、
最近の新書ブームもあるからこれがかなり売れることは当然だと思える。
その上、タイトルがインパクトありますもんね~。


さ~~て、私もレコーディング・ダイエットに挑戦してみようかな?
せめて、独身時代の体重に戻りたいです。。。(笑)

夢幻紳士 迷宮篇 (高橋葉介)

2007-10-17 06:31:21 | 漫画家(た行)
(2007年発行)

『幻想篇』『逢魔篇』から続く三部作の完結篇。

夢か現(うつつ)か現(うつつ)か夢か・・・。
不思議で奇妙な感覚に陥りつつ、いつのまにか葉介ワールドに絡めとられてしまう。

『逢魔篇』の終わりの方から、墨のかすれを効果的に使用した絵になってきている。
黒と白のはっきりしたコマは実際に起こっているシーン。
かすれた線を使ったコマは幻想シーン。

現実と夢のシーンを描き分ける手法として、枠線の太さを変えたり、枠線の角を丸くしたりいろんな方法があるが、かすれを使うか使わないかっていう方法は違和感なくいつの間にか幻想世界に紛れ込むことが出来る。
なかなか素敵な方法だと思いますね。

この三部作、作者曰く、
「スカイダイビングしながら落下地点を必死で捜して着地した気分です。」

なんとなくわかるような気がします。(笑)
でも、三冊を見事に纏め上げた手腕に拍手を送りたいです。


それにしても・・・魔実也氏は本当に”女たらし”ですね。
女の心をぐっとわしづかみにしてしまうようなセリフをさらりと言ってのけるんですからね。
”お姫様 僕も
女性の裏切りにいちいち目くじら立てる程
純情(うぶ)ではない
あなたは楽しくて魅力的な
貴婦人(レディ)でした”



こういう気障なセリフが言える男ってステキですね♪