本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

JIGORO! (浦沢直樹)

2007-12-30 21:47:23 | 漫画家(あ行)
(1994年発行)

「YAWARA!」の番外編。
柔ちゃんの祖父の猪熊滋悟郎の若き日の”法螺話”?
若い頃の滋悟郎って『機動警察パトレイバー』の太田巡査に顔も性格も似ていると思うのは私だけだろうか?
こういう単純明快な言葉より行動が先に出てしまうという男は、第三者として見るだけなら面白いだろうけど実際に身近にいたらいろいろと苦労させられるだろうなあ・・・って思う。(笑)

この頃の浦沢直樹の絵は今よりもずっと単純明快。
ストーリーも明るくて単純明快。
どちらがいいかはそれぞれの好みだろうけど、私はどっちも好き。
また、こういう明るい作品も描いて欲しいとも思う。

この本に同時収録されている「A BAT&2BALLS」がいい。
この作品中の決め台詞
「男ならバットを立てろ!」が実にいい!(笑)

若き日の自分を思い出し、今の自分ももうひと頑張りしようと思いなおすというストーリー。
こういう作品が進化して「20世紀少年」という作品につながったのかもしれない、とちょっと思った。


魍魎の匣 (作画:志水アキ)(原作:京極夏彦)

2007-12-28 09:40:40 | 漫画家(さ行)
(2007年12月発行)

最近映画化されたらしいが、それに合わせて漫画化もされたのかな?

原作は何年も前に読んでたので細かい所は忘れてしまっている。
しかし、この作品の雰囲気は原作を読んで受けた印象とほぼ同じ。
登場人物たちもほぼ想像していた通りの顔になっているので違和感がない。

不気味さ、異様さ、迫力・・・どれをとっても実にいい。

早く二巻を読みたい。
その前にもう一度原作を引っ張り出して読んでみよう。


終末のフール (作画:塩塚誠 原作:伊坂幸太郎)

2007-12-27 13:59:02 | 漫画家(さ行)
(2007年発行)

透き通った空気、白っぽい薄明かり・・・そういう雰囲気の作品。

残念ながら原作は読んでいないので原作との比較は出来ない。
近いうちに図書館で借りて原作も読んでみたい。

あとがきによると<ヒルズタウンを俯瞰する鳥のような男>は原作にはないものらしい。
漫画化するにあたってこういう存在のものを創り出したアイデアはなかなか良かったのではないかと思う。

ストーリーに関しては、原作者が
<「終わっていくのが分かりつつも、それでも生きていく」普通の人たちのドラマを書きたかった小説>
とあとがきに書いているように、人類滅亡まであと三年・・・という設定の物語。
一応SFの部類にははいるのだろうけど、SFというよりは人間ドラマという感じで描かれている。

絵に関しては、丁寧で上手い、そして今風でもある。

今後を期待したい新人さんだと思う。



・・・で、普段ならこれで終わりにするところなのだけど、<今後に期待>したいが故にもう少し。
ちょっと辛口になるかもしれないが許して欲しい。
・・・って、一体誰に言ってるんだ?作者が読むわけじゃないのにね。(笑)

この感想を書く前にいくつか他の人の感想を読んでみた。



綺麗な絵でとても良い感じ
結構綺麗な絵だ
「浅野いにお」っぽい
「大暮維人」っぽい感じ
ちょっと小畑健さんの絵に似てます・・・等など


絵を褒めてはいるのだけど、○○に似ているという感想が多い。
かくいう私は第一印象では吉富昭仁の雰囲気に似ていると感じた。
要するにまだ独自の個性がない・・・という事なのだろう。
コマ割り、構図、背景、アップのコマ、ロングのコマ・・・どれも悪くはない。
・・・が、何か物足りないものを感じるのも事実。
何故だろう?

例えば、「冬眠のガール」
主人公の女の子は今風のファッションの可愛い娘。
髪の毛の描き方も今風の感じ。
ただ・・・よ~~~く見ると線に勢いがない。
綺麗に丁寧に描いているが故に勢いがなくなってしまったのかもしれない。

「鋼鉄のウール」で主人公が親父を蹴り上げるシーン。
残念ながらいまひとつ迫力に欠ける。

中高年の男性や癖のある顔は表情豊かに描けているのに、普通の若者の顔の魅力がいまひとつ。。。
<目>に力がない・・・というのだろうか?

もう少し雑な感じになってもいいから、勢いのある個性的な絵を描けば、もっと良くなるのではなかろうか?
この今の絵は本当に塩塚誠という漫画家の描きたい絵なのだろうか?

原作者はあとがきでこう書いている。
「塩塚さんの作風は、青年漫画の王道を行く、過不足のない、格好いい絵柄と構図・・・」
その通りの絵だと思う。
過不足はないのです。
でも、それだけではやっぱり物足りない。
上手いだけに、もったいない。



今後どういう作品を描いていくのか楽しみな漫画家さんです。


名探偵コナン (青山剛昌)

2007-12-26 09:28:05 | 漫画家(あ行)
最近、寝る前に読んでいる本は「名探偵コナン」。
これはうちの長女が買っている本。

「眠りの小五郎 推理ショー」なんて、一瞬のうちに眠らせてコナンが後ろでしゃべって誰も気がつかない!?
そんなバカな!!絶対にわかるよ~!
・・・などと思ってはいけない。(笑)

ツッコミどころはいっぱいあるのだが、まあそんな野暮なことは考えずに暗号解読や謎解きを純粋に楽しむのがいいのだろう。

このコミックスの表紙のデザインが結構気に入っている。
周りがレンガ調で、風景の写真とコナンの全身。
コナンは毎巻ごとに服装を変えている。
昔の少年漫画の主人公の服装はいつもほとんど同じだったが、最近の少年漫画の主人公は随分お洒落になったものだなあ~なんて思う。(笑)


拝み屋横丁顛末記 9巻 (宮本福助)

2007-12-24 21:05:09 | 漫画家(ま行)
しなくちゃいけない事が多すぎて昼寝をする暇もない今日この頃です。(笑)

これを読んだのは忙しくなる前なのよね。
感想を書くときはもう一度目を通してから書くんだけど、目を通す暇がないので詳しい感想が書けません。

まあ、とにかくいつも通り、三人の爺さんたちが元気に走り回っております。
元気な年寄りを見るのは好きです。
どんどん、子供の数が減ってきて老人が増えている昨今、元気で長生きしたいなあ~!と切実に思うんですよねぇ・・・。



百鬼夜行抄 16巻 (今市子)

2007-12-21 09:24:16 | 漫画家(あ行)
この本の感想を書こうと思いつつ、ついつい忘れてしまってました。
最近忙しい上に家の中を片付ける必要があって、
本棚から溢れていた私の大量の漫画を二階の子供部屋に避難させてしまったのです。
もともと、子供部屋には子供の漫画も、私の漫画もありまして・・・それがそれ以上に増殖しちゃって・・・。
ああ・・・漫画を捨てられない私。。。(涙)

・・・と、言い訳をしても仕方がないんですけどね、
要するに感想を書くのに子供部屋まで行って本を探し出して取り出すのが面倒だ・・・って言いたいわけです。
表紙のスキャンだけはしていて良かった~!(笑)

まあ、とにかく今回も面白かったです。
え?それだけかって??
まあ、たまには手抜きの感想で失礼します。(近頃手抜きが多い?)


ハムレットを殺せ! (青池保子)

2007-12-15 22:10:31 | 漫画家(あ行)
(2006年発行)

1974 増刊少女フレンド に掲載されたもの。
ちょっと古い作品だけど、「イブの息子たち」が1975年から掲載されてるからその1年前です。
私の感覚だと青池作品で本当に古いと言うと1960年代ぐらいのものかなあ?(笑)

この頃の作品は暗いホラーミステリー的なものか、ごく普通っぽい少女漫画といった作品が多かったような気がします。
プリンセスに移ってからの元気ではじけた作品群とはまた違った味わいの作品ですね。


クマとインテリ (basso)

2007-12-11 22:56:24 | 漫画家(は行)
(2005年発行)



<裏表紙の説明文より>
『イタリア男、スーツ、眼鏡』がテーマの小粋なCOMIC
初老のインテリ政治家ファウスト・カッラーロはバカンス先でカメラマンの熊男ブルーノと出会う。
全く好みのタイプではなかったブルーノに次第に引かれていくファウストだが・・・。
年齢も立場も超えた愛情をドラマチックに描いた表題作と、三十枚以上の描き下ろし作品の「ジェラートにまつわる三つの短編」を加えた、basso先生の小粋なエスプリ溢れる一冊!




非常に独特のタッチで描かれている。
同性愛者の話なんだけど登場人物の年齢層は結構高い。

普通のBLとは一味も二味も違った
まさしく<小粋なエスプリ溢れる>作品っていう感じ。