本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

仮面少年 (高橋葉介)

2007-10-06 19:10:49 | 漫画家(た行)
(昭和54年発行)

<カバー折り返し部分の説明より>
退屈でうす汚れた現実も、ヨウスケのペンにかかるとたちまち美しい花園に変わる。
現実から遊離したこの幻の世界にこそ、われらが求める”豊潤な遊び”の魂(こころ)がある!
虚構(フィクション)の花々が咲き乱れる”奇妙な世界パートⅡ”。



この表紙の絵が好きだ。
初めて見た時もとっても好きだったが、今見てもやっぱり非常に魅力的。
流れる線、不思議な眼差しの少年。実にすばらしい!
こういうタッチがどんどん進化して、今の夢幻魔実也(大人版)になったのかな~とも思う。


この本には「我楽多街奇譚」「江帆波博士の診療室」「触覚」「新しい人形」「惑星LOVFの崩壊」「仮面少年」「ハイ、オカアサマ」「荒野」が収録されている。
かなり久々に読み返したのだが、ほとんど覚えていた。
これを買った当時、何度も何度も繰り返し読んだ賜物だろう。
近頃はたいてい一度しか読まないことが多いせいか、数年前に読んだものを読み返すとほとんど内容を覚えていない。
それとも・・・昔のことは覚えてるが最近のことは覚えていないって・・・年のせい?(笑)


この中で「荒野」がかなり記憶に残っている。
本屋で雑誌の立ち読みをしていて、この作品に何故か衝撃を受けたから強く印象に残っているのだ。
多分、その時に初めて<高橋葉介>の作品を読んだのではないだろうか?
作品全体を覆う雰囲気、独特の線、少年の魅力的な目、・・・そういうものに一目ぼれをしてしまったに違いない。
今読むと内容は”若いな~”って思うけど・・・でも、それはそれでいい・・・と思う。
若いときはこういう若いストレートなものを描くのもまたいいと思うのだ。