本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

エマ 10巻 (森薫)

2008-05-31 21:03:20 | 漫画家(ま行)
最終巻です。

”大団円”と呼ぶに相応しいラストです。

最近の漫画ではあまり見かけない”ゆったりとした間”が非常に心地よい作品です。
これで終わりかと思うとちょっぴり寂しいけれど、またこういうステキな作品が始まることを期待しています。

夢みる機械 (諸星大二郎)

2008-05-28 08:49:18 | 漫画家(ま行)
1974年~1981年の間に描いたSF短編集。

あとがきで作者は
「夢みる機械」や「地下鉄を降りて・・・」の新宿高層ビル街が当時と全然違っていたり、
世界総人口が雑誌掲載時は35億、初版の単行本では45億、そしてこの本では55億と増えているところなどから、
時の流れを感じると書いている。

そういう表面的なものから見ると確かに古い作品かもしれない。
しかし、物語の本質的な面白さというものは今読んでも十分に面白い。
こういう作品はきっと日本だけでなく世界にも通用する面白さだと思うし、
今後何十年経っても残る作品なんだと思う。

表題作「夢みる機械」では、現実世界は自分ソックリの身代わりロボットに任せて自分自身は自分の希望する夢を見続けるというお話。
ちょっと「マトリックス」をイメージしてしまったけど、もちろんこっちの方が古い。

厳しくても現実を生きる方がいい・・・というのが本当はいいのかもしれないけれど・・・
楽しい夢の世界でずっと生きるのもちょっといいなあって思う私はちょっと精神的に病んでるのかなあ?

ドラゴンボール (鳥山明)

2008-05-23 09:40:35 | 漫画家(た行)
実はここ数日ドラゴンボールを読んでました。
長女が何を思ったのか完全版を全巻買ったんですよね。
子供が買ってきた漫画を嬉しそうに読む母親ってちょっと変かなあ?(笑)

勿論、ドラゴンボールのストーリーは知ってたんだけど、今まで全巻きちんと読んだ事はなかったのです。
・・・で、全巻読んでみて思ったことは、

少年漫画の王道だ!ってこと。

少年の成長物語ですね。

長期連載になったのはあまりにも人気が出すぎて、
出版社その他の経済効果を考えてなかなか終えることが出来なかったとか、所謂”大人の事情”っていうものがあるらしいけど、そういうことは考えずに純粋に作品のみを読んで面白いかどうかと言われるとやっぱり”面白い”ですね。

絵が上手い。
動きがある。
迫力がある。
キャラがどれもいい味出している。
次はどうなるんだろう?って思わせてくれるストーリー。

私的には初期の”冒険もの”的な展開の方が好きなんだけど、次第に格闘技に重点を置くようになったのはそっちの方が人気が出るからなんでしょうね。
商業誌は売れなければいけないから仕方ないですね。

いろんなキャラが登場するんだけど、どれが一番お気に入りかと言いますと、
やっぱり”ピッコロ”かなあ?
最初のピッコロ大魔王でもマジュニアでもなくて神様と融合したあたりからがいいですね。
ちょっとクソ真面目な感じで、それでいて驚くとめちゃくちゃ変な顔になってたりするところが可愛いです♪
ベジータも最後のほうになっていい味出してはいるんだけど、あまりにもシリアスすぎるんですよね。
シリアスでいながらちょっと崩れるぐらいが私の好みです♪

テーマとかは子供にも非常に分かりやすくて今更ここに書く必要はないですね。
素直に読んで、素直に面白いと思えばいいんじゃないのかな?

まあとにかく、少年時代にリアルタイムでこれを読んで育った元少年たちは幸せだよね~と思わせてくれる作品です。
今でも、次々と若いファンが増えてるのかな?いいことだよね。

美味しんぼ (作画:花咲 アキラ )(原作:雁屋 哲)

2008-05-19 22:23:53 | 漫画家(は行)
数日前の朝日新聞に

「美味しんぼ」25年目の和解


という記事が結構大きく載ってました。
この漫画の主人公と父親が長年の確執をといた・・・らしいです。

う~~~ん???
その日は新聞に載せるニュースがよっぽどなかったのか?
・・・って一瞬思ってしまいました。(笑)

いつのまにか100巻以上出てたんですね。
80巻あたりまでは読んでたんですけど、その後は読んでません。

料理のうんちく話満載の漫画というか、「グルメブーム」の元になったとも言われてる漫画ですよね。
単純に娯楽として読んだら面白いけれど、ここに描かれてあることが100%真実だと思うとちょっと困ることになるんでしょうね。
まあ、何でも”ほどほど”っていうのがいいんでしょう。

私がこの漫画に感心するのは料理のうんちくではなくて、(それはそれでスゴイですけどね)
味の表現力です。
子供向けの料理漫画は美味しさを表現するのに突然宇宙が現れたりしますけどね、(それはそれで面白いんですけど)
この漫画の場合は、言葉で見事に表現しているのです。

TVで美味しいものを食べる番組などでタレントが「おいしい~!」を連発してるのを観ると、
「美味しんぼ」でも読んで、言葉で味を表現する方法を勉強しろよ!って言いたくなります。
とはいえ、私自身、語彙が非常に乏しい上に味オンチなのか、せいぜい言えるのは
「美味しい」「辛い」「甘い」「苦い」「すっぱい」程度です。
タレントに文句言う前に自分がもっと表現力を勉強しなくちゃなりません。(苦笑)