本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

わたし、捨て犬と出会う (文:北野玲 イラスト:半井馨)

2012-07-28 20:22:32 | ノンフィクション
最近、気になってるのが犬や猫の里親になるってことです。
ネットでいろんなブログや里親募集サイトをみたり、図書館でそういう関係の本を借りてきたり。

・・・で、この本、図書館で借りてきたものです。

内容(「MARC」データベースより)
「捨て犬を引き取った」15人のインタビューを、やさしいイラストとともに紹介。
15人が実際に体験した事実を通して、人と犬のありかた、人と動物のありかたをあらためて考えさせる一冊。



先日読んだ「銀の匙」(荒川弘)では、人間が食べる目的で飼う動物に関する話がありました。
殺すのは辛いけれど・・・お肉っておいしいんですよね。
なかなか難しい問題なんだけど、結局、食べるために殺さざるを得ない。

そういう話を思い出しつつ・・・ペットの話になると、やっぱり殺したくない。
殺される運命の犬猫を一匹でも多く救いたいと思ってしまいます。

ペットと家畜はどこが違うんだ?同じ命じゃないか!
などと考えるとキリがないので、その話は置いといて・・・。

あぁ・・・すぐに話が横道にそれてしまう・・・私の悪い癖です。ごめんなさい。

とにかく、いろんな運命に翻弄される犬たちが出てきます。
世の中、いろんな人間がいて、いろんな思いで犬を飼ったり、犬を捨てたり・・・。

そんな捨てられたすべての犬を救い出すことは私には出来ないけれど、
せめてトラとリクだけは「ここの家の子になってよかった」と思えるような人生(猫生?犬生?)を送らせてやりたいし、私自身も彼らと一緒に楽しい人生を送りたいと思うわけです。

この本の表紙のイラストが非常に魅力的だと思います。
人間と犬がお互い見つめあう表情がとてもいい雰囲気。
こんな関係になれたらいいですね。

そして謎は残った 伝説の登山家マロリー発見記

2007-03-19 10:30:59 | ノンフィクション
(1999年12月10日 発行)



<帯に書かれた言葉より>
エヴェレスト山頂近くで消息を絶った2人の登山家の行方を求めて。
はたしてマロリーは登頂に成功したのか?
75年ぶりに遺体発見に成功した米捜索隊が綴った独占手記。
衝撃の新事実・写真満載。



この本は、某図書館の当時の館長さんに教えて貰って読んだ。



 『ニューヨーク・タイムズ』紙の記者に
「何故エヴェレストに登りたいのか」
と質問されて、
「そこに山(それ)があるから」
と答えた。



というエピソード程度は知っていたが、
その時私はマロリーについてそれ以上のことは知らなかった。



だから、人に薦められなければたぶんこの本を読むことはなかったと思う。



この本を手にとって、まず驚いたのが表紙の写真。
ちょっと見ただけでは、マネキンが転がってるようにしか見えないが、
実はこれがマロリーの遺体なのだ。
本の中にはもっとはっきりした遺体写真が載っている。



遺体発見の様子を描写した部分を一部抜粋してみる。

「デイヴ・ハーンはその現場の間近まで来たとき
『今、自分たちが見ている男は、七十五年間もこの山にかじりついていたのだ……
衣服を吹き飛ばされて、体はほぼ剥き出しになり、その肌は色が抜けて真っ白だった。
まるで、ギリシアかローマの大理石の彫像を見ている気がした』
クライマーたちが、その場に全員到着しても、喜びなどいっさいなかった……
無言のまま、古代彫刻に、あるいは立ち、あるいはひざまずいた」


結局、エヴェレスト初登頂に成功したかどうか、という登攀史上最大の謎は謎のまま残ったわけだが、それはそれでいいような気もする。



・・・で、その謎をテーマに書いたのが夢枕獏の「神々の山嶺」。
非常に面白い作品だ。
小説の方は読んだのだが、谷口ジローが漫画にした方はまだ読んでいない。
そのうち読んでみようと思っている。


(20世紀の群像)梶山季之    (橋本健午)

2005-06-23 08:40:13 | ノンフィクション
昭和30年代半ばから、週刊誌ブームの先鞭をつけ、「トップ屋」といわれる新造語を創り出した梶山季之のエピソードを交えての活躍ぶり、日常生活の場に現れる人柄を余すところなく語り伝えた著作である。
日常生活の交友関係、社会的な活動の中に、作品のみでは知ることが出来ない作家の姿が浮上する。

「李朝残影」の名著をのこし、死の予感の中にあってもライフワークの朝鮮問題に取り組みながら45歳という年齢で志半ばで逝った作家の無念が伝わってくる。
世上の評価とは違った作家の本質と創作へと突き動かした正義への思いが描かれている。

BY:伊野仙人

アイスマン 5000年前からきた男  (ディビッド・ゲッツ)

2005-06-22 22:10:34 | ノンフィクション
1991年、ドイツの登山家が、アルプス山中で一体の凍死体を発見した。ふつうの遭難者とは違っていた。

彼は5000年前から、氷河に閉ざされたままやって来た、先史時代に生きていた男であった。
彼の持ち物、ミイラ化した死体から、現代科学の力によって、さまざまな事実が解明されていく。

まさに推理小説を読む楽しさに惹かれて、一気に読んだ。現代科学の世界の魅力も同時に味わえる作品である。

中学、高校生の諸君にも、ぜひ読んで欲しいものである。

BY:伊野仙人