本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

こうの史代 (この世界の片隅に)

2010-08-25 22:37:38 | 漫画家(か行)
<出版社 / 著者からの内容紹介>
平成の名作・ロングセラー「夕凪の街 桜の国」の第2弾ともいうべき本作。戦中の広島県の軍都、呉を舞台にした家族ドラマ。主人公、すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。しかし、一日一日を確かに健気に生きていく…。


この作者の描く漫画はどれもほっこりとして温かく、静かに微笑んでいるような雰囲気が漂う。
戦争反対!と大きな声で叫ばなくても普通に普通の生活をしている一般庶民をありのままの姿で描くことによって大声で叫ぶこと以上の効果があるように思えます。

戦争が好きな人なんていないと思うのに、人間は何故か戦争をする。
戦争をしようと決めた権力のある人たちが戦争で辛い目に遭うのは自業自得かもしれないけれど、何の力もない一般の民衆達が戦争に巻き込まれて、辛い思いをするのは理不尽だと思うのです。

どうすれば戦争のない世界になるのでしょう?
ひとりひとりが戦争反対!と思っていてもいつのまにか戦争が起こっているような気もします。
でも・・・やはり諦めずに戦争反対!と強く思うこと。
それが大事なのだと思います。

谷口ジロー (冬の動物園)

2010-08-02 21:41:40 | 漫画家(た行)
<出版社からの内容紹介>より
ヨーロッパの主要な5つのコミック・フェスティバル全てにおいて受賞の栄誉に輝き、今や日本を代表する作家となった谷口ジロー氏が、自らのアシスタント時代と重ね会わせて描く、昭和40年代の“漫画家青春物語”。

昭和の匂いのする、ゆったりと静かに流れる時間の中で青春のほろ苦さとでもいうのか、そういうものを描いています。
地味といえば地味な作品だけど、こういう懐かしさを感じる世界にしばし漂うのもいいなあって思います。