本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

水木しげる (猫楠―南方熊楠の生涯)

2010-12-25 08:52:50 | 漫画家(ま行)
天才だけど大変人と言われる南方熊楠を同じく天才だけど大変人ではなかろうかと思える水木しげるが描いた作品。
普通の漫画家が普通に南方熊楠を描いてもおそらくこの大変人っぷりを表現出来ないだろうと思います。

猫楠という猫を狂言回しにして描いている発想もなかなかいい。

水木しげるの<幸福論>として読んでも面白い。

ちょっと思うんだけどね、何だか近頃は破天荒な型破りの変人っていうのが少なくなってるような気がするんです。
たいていの人は普通に喧嘩しないように適当に人と付き合ってるような感じ。
熊楠のような人間が身近にいたら、かなり迷惑だろうなって思うけど、第三者としてならば眺めていたいような気もするんですよね。

永尾まる (猫絵十兵衛御伽草紙)

2010-12-09 20:19:02 | 漫画家(な行)
お江戸ファンタジーとでもいうのでしょうか?
猫絵師の十兵衛が主人公なんだけど、この<猫絵師>っていうのはネズミ除けの猫の絵を描く絵師のこと。
実際にそういう職業が江戸時代にあったというから、お江戸の生活は面白い。
この作者、資料を集めてかなり江戸を研究しながらこの作品を描いているようです。
あ、勿論、想像で描いてる所もありますけどね。
第一、人間の言葉をしゃべる猫なんて実際にはいませんからね。(笑)

猫の鳴き声の表現のバリエーションの多さに作者の猫好き度がよく伝わってきます。
「なぁん」「にゃぁあぁん」「にゃっ」「にゃん」「うにゃん」「んにゃ」「うにゅーん」等など・・・
猫の鳴き声を読む?だけで頭の中で実際に猫の鳴き声が響いてくるようです。

一話完結でほろりとさせられる話が多くて、とっても読後感のいい作品です。

田村由美 (猫mix幻奇譚とらじ )

2010-12-07 16:45:19 | 漫画家(た行)
近頃、猫が出ている漫画を見つけると思わず買ってしまう私です。

これも、古本屋で1・2巻を見つけて即買ってしまいました。
(面白くてすぐに3巻を新刊で買いました。4巻が出るのが待ち遠しい。)
魔法で人間風の猫になってしまったとらじが可愛い!
クソ真面目な勇者パイ・ヤンもなかなか興味深い性格。

出て来るキャラクターがどれも魅力的。

ファンタジーっていう感じだけど、テーマが深いですね。
<家族>のあり方っていうんでしょうかね。
バラバラに崩壊してしまった<家族>をどう再構築していくのか。
早く続きが読みたい!

佐久間智代 (猫鍋)

2010-12-04 08:34:33 | 漫画家(さ行)
どうも猫を飼い始めてから猫の漫画を見つけると、ついつい買ってしまうようになってしまった。
これも本屋で見つけて、「あら~!うちのトラによく似ているわ~♪」
・・・と、思わず衝動買いしてしまった一冊。
こんなことやってるから家の中が漫画だらけになってしまうんだわ~。(ため息)

・・・で、この作者と猫と作者のお母さんの描写がまるで我家とそっくり!
作者が猫(まい)のしっぽを踏むとしばらくして帰ってきたお母さんの所に駆け寄って
「にゃにゃにゃにゃにゃ・・・」と訴える猫!
うちの猫(トラ)も長女がトラにイタズラをすると私に一生懸命に訴えるのです。
「んにゃ!んにゃ!んにゃ!んにゃ!んにゃ!・・・」
っていう感じで・・・。
「おかあさ~ん!あのね、あのね、○○(長女の名前)がね、悪い事するんだよ~!」
って、告げ口?をしてるのです。

他にもいろいろ我家と同じ反応をしてる箇所がありまして、結構楽しめました。
猫って、拗ねたり、喜んだり、甘えてみたり、・・・観察してると本当に面白いですね~。