本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

高橋葉介 (もののけ草紙)

2009-04-30 07:51:16 | 漫画家(た行)
読んだけれども感想を書いていない漫画の本は本棚やケースに入れずに積み上げています。
最近、読んではいるけど感想を書く速度が遅くて積み上げられた漫画がどんどん増殖してきて崩れかかってます。
こんな風にしてると地震が起きたら大変困ったことになるのではないかと心配してるのですが、これできちんと片付けてしまうとどこに置いたのか行方不明になってしまって結局感想を書かないままになってしまう確率が高くなってしまうんですよね。
・・・ということで、簡単にでもどんどん片っ端から感想を書いて片付けるべきだと反省しました。



この作品の主人公は「夢幻紳士 逢魔編」に出てきた「手の目」がスピンオフして来たもの。
作者が得意とする元気でタフな女の子。
ストーリーは、これまた作者お得意の<夢か現(うつつ)か現(うつつ)か夢か・・・>
といった感じで読者を不思議な世界へと誘う手法。

魑魅魍魎が跋扈し、グロテスクこの上ない。
流れるような線のタッチも素敵だし、女性の色っぽさもなかなかいい。
最後にほんの少し、夢幻魔実也(ニセモノだけど)が登場したので、
魔実也ファンの私はそれだけで満足、満足。。。

くらもちふさこ (天然コケッコー)

2009-04-26 19:16:25 | 漫画家(か行)
恥ずかしいことに、これを書く時になって初めてこのタイトルが「天然コケッコー」だと気がつきました。
実はそれまで「天然コケコッコー」だとばかり思ってたのです。
恥ずかしい私・・・。(笑)



高校生の頃はくらもち作品は読んでたのだけど、その後読んだ事はなかった・・・と思ってたら後で気がついたのだけど「アルファ」を読んでました。
すっかり忘れてました。
最近は読んだ漫画をすぐに忘れてしまいます。
物忘れがひどくなってきてます。
年のせいでしょうか~?(苦笑)

ま、とにかく、
先日図書館でこれを見つけて、懐かしいな~って思って借りてきました。



しばらく見ない間に随分絵が変わってしまったなっていうのが第一印象。
コマ割り、構図も随分斬新な感じ。
線も洗練されていて単なる少女漫画っていう感じではない。

内容も心理描写が上手く、演出もすばらしい。

これはきっと何かの賞を受賞してる筈だと思って調べてみると、やっぱり取ってました。
第20回講談社漫画賞受賞です。
あれ?掲載誌の「コーラス」は集英社だったはず。集英社の賞はとってないのかな?
ま、それはどうでもいいけどね。いろいろあるのでしょう。

田舎を舞台にばりばりの方言をしゃべる美少女(本人には自覚がない)と東京からやってきたかっこいい転校生のラブストーリー。
・・・って書いてしまうと普通の少女漫画みたいだけど、絵柄や表現の素晴らしさで少女以上の年齢層にも受け入れられるものとなってます。

・・・とはいえ・・・恋愛漫画の苦手な私は正直言うと読むのはちょっぴり疲れました。ごめんなさい。
ほのぼのとした中・高校生の恋愛漫画が好きな人にとってはきっと読み応えのある作品だと思います。

槇村さとる (おいしい関係)

2009-04-25 22:21:13 | 漫画家(ま行)
この人の作品は安心して読めるから好きです。
安心ってどういうことかと言いますと、失望しない内容だろうと信用して読めるってことです。

絵も綺麗だし、内容も頑張る主人公っていう感じだし、読んでて嫌な気分になることもなく前向きな気分になれるんですよね。

人物の髪型や服装などは、場面が変わるたびに違っていてどれも非常にセンスが良くってストーリーを楽しむ以外にそういうファッションを楽しむことも出来ます。

ストーリー展開は次はどうなるんだろう?と思わせてくれるからどんどんどんどん読めちゃうんですよね。
全16巻だったけど、あっという間に読んでしまいました~!

滝沢聖峰 (安部窪教授の理不尽な講義)

2009-04-24 22:14:33 | 漫画家(た行)
安部窪太

帝都産業大学教授
1950年5月5日、神奈川県生まれ。
帝都産業大学卒業。
ケンブリッジ、ニューヨーク、パリ、ボローニャ大学等で学究を重ね、社会人類学博士号のほか、
心理学、動物学、植物学、海洋生物学、生態学、考古学で学位を取得。
広汎なフィールドワークに基づいた超常現象の研究で知られる。
ロンドンリンネ協会外国会員、クストー協会特別顧問。
著書に『母都市の祝祭』『神を名乗る偽善者』『幽霊は宇宙人』『日常という超常』、
訳書に『シーモアおじさんの不思議な飛行機』などがある。



よくもまあ、いかにも頭の良さそうな肩書きというか、経歴を考え出したものだ。(笑)

漫画の主人公が教授という肩書きのものって
<大学教授もの>なんてジャンルが出来そうなくらい多いような気がします。

大学教授って漫画になりやすいのかもしれませんね。
研究テーマとかがそのまま漫画のテーマにもなるし、
個性が強烈な教授とういうキャラも作りやすそうだし・・・。

とにかく、この作品の安部窪教授も強烈なキャラの教授。
研究してるのは超常現象。

この作者の漫画は初めて読んだのですが、戦争モノが多いんですね。
今度古本屋で見つけたらちょっと立ち読みしてみよう。(・・・って、買わないのかい~!?)

波津彬子 (花々のゆううつ) うるわしの英国シリーズ4

2009-04-23 08:39:35 | 漫画家(は行)
出版社/著者からの内容紹介
波津彬子が贈る最新珠玉短編集! 英国版“結婚できない男” 冨も、名誉も、美貌もあるのに、なぜか結婚が決まらない。 優雅な毒品貴族エヴァディーンの恋模様ほか、全8編。 人気猫ヴィルヘルムが主役の掌編3作もお見逃しなく♪
冨も、爵位もあるのに、なぜか結婚が決まらないコーネリアス・エヴァディーン。名門ビングレー家デ、出会った花嫁候補は寸分違わぬふたりの令嬢? 甘美なセレブレティ・ロマンス、全8編を収録



いつものことながらこのシリーズは元少女(笑)を夢の世界に連れて行ってくれるので大好きです。
暇で何にもすることがない時、目の前にこの本が転がってたりすると、何度も読んでるけれども
ついついまた読んでしまいます。

やっぱり私にとって漫画って<現実逃避>のためのアイテムなんだわ・・・って再確認してしまう作品です。

坂田靖子 (闇月王)

2009-04-20 09:41:21 | 漫画家(さ行)
<文庫版裏表紙の説明文より一部引用>
舞台は20世紀初頭のイングランド。
“闇月王をたのむ・・・”
臨終に謎の言葉を残した祖父の館で、ケネスは屋敷に出没する不思議な男に出会う。
特定の人にしか見えないこの男こそ、館に棲みついた精霊の“闇月王だった・・・。



とぼけた感じのイタズラ好きの精霊が棲みついてるイングランドの館。
そういう所に住んでみたい!
TV観たり、TVゲームしたりするよりどんなに面白いだろう!!
・・・いや、そう思うのは最初だけで慣れるとそうでもなくなるのかなあ?

こういう精霊って何かの役に立つっていうわけでもないから、
猫と一緒に暮らしてるようなものなんだろうか?

そうかもしれないけれど、イングランドにある古い館・・・
なんて想像するだけでうっとりしてしまうんです。

・・・とはいえ、この作者の絵柄ではゴージャスな館もかなり妄想力を働かせて読んでいく必要がありますけどね。(笑)

黄十浪 (雲漢遥かに 趙雲伝2)

2009-04-15 10:39:34 | 漫画家(か行)
<Amazonの内容紹介より>
劉備軍最大の危機・長坂坡の戦い!
圧倒的劣勢の中で、武人・趙雲の武勇が圧倒的な光を放つ!

中国、後漢時代末期。
乱世において己の進むべき道を探す青年・趙雲は、呂布軍の武将・高順と出会う。
高順の生き様と死に様から武人の心得を学んだ趙雲は、劉備と再会し、これを劉備を生涯の主君と定める。
劉備の秘めたる大望を知った時、そこにかつて関羽・張飛の豪勇に臆した新兵・趙雲の面影は無かった……。
そして曹操の大軍が荊州に侵攻する時、ついに趙雲はその武勇を極限まで開花させる!



先日TVで「レッドクリフPart1」をしてましたね。
映画館に観に行きたいと思いつつ、行けなかった私は大喜びで観たんだけど、
一緒に観てた長女とダンナは途中から眠くなった・・・と言って寝てしまいました。
面白かったんだけどね~。

この映画は長坂坡の戦いの場面から始まるわけだけどなかなか迫力のあるシーンでした。

・・・で、
この漫画も今回の最大の見せ場が長坂坡の戦い!!

趙雲が大活躍する場面です。

漫画では阿斗を鎧の胸の部分に入れるんだけど、映画では荷物のように背中に斜め掛けにしてました。
自分の前に赤ん坊を抱えた状態だとイマイチ動き難いとは思うんだけど、
背中だと後ろから攻撃されるとすぐに死んじゃいそうだし、映画で観てると阿斗がめちゃくちゃ背中にぶつかってたような・・・。
勿論、撮影では赤ん坊を実際に入れてたわけではないと思うんですけどね、
阿斗、大丈夫か~!!・・・って、そればかりが気になって気になって・・・。

やっぱり阿斗は前に抱えるべきだと思ったのは私だけでしょうか?(笑)

しかしね、阿斗がこの時死んでいたら後の劉禅は存在しなかったわけですよね。
劉禅ってあんまりいい印象がないんだけど、この時死んでたら歴史は変わってたのかなあ?
それとも、結局劉禅に似たような子どもがまた生まれてたのかなあ?




とにかく今回の趙雲カッコイイです。
阿斗を抱える時に自分の髪の毛をくくってた紐を外したとき。
船に戻るときに馬で岩の上を飛ぶシーン。などなど・・・
是非是非見て下さいませ。

名香智子 (鈴姫さま)

2009-04-14 19:28:34 | 漫画家(な行)
SFと時代劇がミックスされたハチャメチャコメディ。
軽く楽しむのに最適な一冊。

ラスト、ページ数が足りなかったのか
尻切れトンボで終わってたのをおまけのページ2ページを使ってなんとか無理矢理強引に終わらせたって感じ。
作品としてはこんな終わらせ方をするなんて言語道断!だとは思うのだけど、
まあたまにはこういうのでもいいんじゃない?って思わせてしまうところがこの作品のすごさ?(笑)

名香智子 (桜の国から・霧の国へ)

2009-04-11 22:03:36 | 漫画家(な行)
(2007年発行)

日本の伯爵家の若当主・桜小路千春と英国令嬢の中身が入れ替わって起きるドタバタラブコメディ。

この作者の漫画は
暫しの間、現実を忘れ夢の世界に逃避するのに最適なものが多いですね。
この作品もそういうもののひとつ。

美形のお貴族さまがいっぱい出てきて、ゴージャスな気分にうっとりとしつつ夢の世界を漂うことが出来るのです。

ただ、そんな感じに単純に楽しむことも出来るし、もう少し深読みすれば、個々のキャラがそれぞれに<自分>というものを持ってるってことに着眼してもいい。

さらに言うなら、男性のチハルが女性になってしばらく泣いてたのに、女性のカロラインは男性になって悲しむどころか、<女>では何も出来ないけれど<男>なら何でも出来ると喜ぶんってところに着眼するのもいいかもしれない。

女より男のほうが何かと都合がいい、出来ることなら男に生まれたかった!と思ってる女って結構多いのかもしれないですね。
それに比べて最近は<草食系男子>が増えてきたとか。
Y遺伝子がどんどん小さくなってきている分、もしかすると所謂男らしい男って減りつつあるのかもしれませんね。

篠原烏童 (ファサード 15巻)

2009-04-08 21:20:00 | 漫画家(さ行)
最近、暖かい日が続きますね。
毎日、猫とまったりとした時間を過ごしております。


<裏表紙の説明文より>
女性はみんなヒヨコ(鳥)型、男性は人型という、
いっぷう変わった日本神話(らしき)世界。
ファサードが目覚めると、そこでは二対(ツイン)が
天照大神=アマテルさまと呼ばれていて・・・・・・!?
かわいいウヅメちゃんが登場
読みきり六篇を収録した、第十五巻!



この作者の描く動物はどれも思わず抱きしめたくなるぐらい愛らしいのだけど、
今回のウヅメちゃんの愛らしさには完璧にノックアウトされてしまいました~♪
史上最強の<愛らしい生き物>ですね。

暖かい春の日差しの中で猫とまったりと時間を過ごすのに最適な漫画ですね。
あ~!猫はウヅメちゃんを見ると襲い掛かって食べちゃうかな~?
それはヤバイですね。(笑)

戸部けいこ (光とともに・・・)

2009-04-06 09:06:17 | 漫画家(た行)
出版社/著者からの内容紹介
他者とのコミュニケーションがとりにくい自閉症児の困難な育児を描いて、圧倒的な反響を呼んだ感動作品!!



これは実際の話を元に専門家の意見も聞きながら描いてるそうです。
私などは勉強不足でほとんど自閉症というものを知らなかったので実にお恥ずかしい次第なのですが、
こういう風に漫画にすると登場人物に感情移入しやすくなり、文字だけの専門書を読むよりも心にすとーんと入ってくる感じがします。

ただ単に自閉症児のことを描いてるだけでなく、漫画作品としても優れているのがとっても嬉しい。

漫画のなかには文字だけのものでは読んでくれないからと絵で説明しているものがありますが、
そういうものは、絵も下手だったり内容も説明文に単に絵をつけただけだったりするものが多いような気がします。

絵があればよい、見た目漫画ならよいと出版社が思ってるのかどうかわかりませんが、
漫画作品として優れていて初めて人の心に届く何かがあると思うのです。

この作品はひとりでも多くの人に読んでもらって
自閉症というものを正しく理解する人が世の中に増えるといいなあって思います。