本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

金田一少年の事件簿  (さとうふみや)(原作:天樹征丸、金成陽三郎)

2008-06-26 13:20:38 | 漫画家(さ行)
中学生の頃、横溝正史のファンだという友人がいて彼女が持っている本をよく借りて読んでいた。
だから金田一耕助シリーズはほとんど読んでいる。

そのせいか、この漫画が出た時なんだか知り合いのお孫さんっていう感じがしたものである。(笑)

こういう探偵ものの主人公が行くところでは必ず人が殺されるんですよね~。
そうでなければお話にならないのだけど、現実にそういう人間がいたとすれば、
その人間は探偵をしたいために自分で事件を作っているとしか考えられない。
出来れば近付きたくないものである。(笑)

例によって、ラストから読みたい癖のある私は当然この作品もラストから読んでいきます。
犯人を確認してから読むって”邪道”かなあ~?(笑)

そんな風に読むからトリックを考えるとかいうことも勿論しない。
ただ単に作品の雰囲気を味わうだけ・・・という感じかな?

・・・って、書いてて自分でもやっぱりつくづく邪道な読み方だと思います。ホント。

黒執事 (枢 やな )

2008-06-25 11:40:06 | 漫画家(た行)
たまには、な~~んにも考えないで頭をからっぽにしたい時もあったりする。

これは何でも完璧に出来るという執事が主人公。
悪魔や死神などが出てきて結構楽しめる。

最近、メイドとか執事とかが人気のようだが何故だろう?
常に自分を無条件に信頼して何でもしてくれるそういう存在が欲しいという心理の表れなんだろうか?

甘えてるよな~って思うけど、まあそういう存在を望む気持ちはよくわかる・・・ような気がする。

細野不二彦 (ダブル・フェイス)

2008-06-20 22:40:14 | 漫画家(は行)
<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より一部抜粋>
裏社会に絶対的権力を持ち、表社会ではその身分を隠し金融会社の平社員として働く春居筆美=Dr.WHOOがさまざまなトリックを駆使し、善良な市民を救い悪人を懲らしめる、現代社会をテーマに描いた作品。

また、奇術をテーマにしているのもこの作品の特徴の一つである。Dr.WHOOはプロマジシャンでもあり、時として人を懲らしめるトリックに奇術的手法が用いられる等、要所要所で奇術に関する説明が織り込まれている。


このDr.WHOOって、早い話が「水戸黄門」とか「スーパーマン」とか・・・
要するに、実は正体が・・・というパターンのものなんですよね。
よくあるパターンだけど、こういうパターンは結構好きなのです。

Dr.WHOOの格好はちょっとばかし手塚治虫の「七色いんこ」に雰囲気が似ていると思うのは私だけ?
普通、現実にああいう格好の人がいたら思い切り変な人~!(笑)
だけど・・・漫画の中ではそうでもない?

金融会社の裏事情とか奇術のタネとか、私が知らないことがいっぱいでなかなか興味深いものがあります。

現代社会をテーマに描いた作品とはいえ、リアルではなくてお遊び要素があるので娯楽として気軽に楽しめるところがいいですね。


人生を○(まる)洗い (名取芳彦)

2008-06-19 13:51:18 | その他
般若心経は人生の荷物の正体を解き明かし、今後の人生を胸を張って笑顔で生きていくためのヒントがたくさん詰まっています。
この本では、僧侶である著者の体験談を交えながら、般若心経の語句を解説しています。

お経の説明は辞書で調べたような解説だけでは、すんなりと心の中に入ってきません。
しかし、この本のように
著者が納得した話、体験談を元に書いていると、何となく心の片隅に残っていくような気がします。

この本に納められているエピソードの中に
「カボチャはいつ死んだか」という話があります。

近所のおばあちゃんたちの会話のエピソードです。

天ぷらにされたカボチャがいつ死んだか?っていう話です。

畑で蔓から切られた時?
包丁で真っ二つにされた時?
いや、その時はまだ腐ってないから違う
熱~い油の中に入れられた時?

天ぷらになったカボチャはちゃんと食べてくれなきゃ死んでも死にきれない
カボチャに成仏してもらわなくちゃね
しかし、食べきれなかったカボチャはどうなる?
裏の畑の穴ん中にいれときゃいい堆肥になる
野菜もよく育つ



・・・とまあ話が続いていくわけなのだけど、
実にうまく<命の循環>の話になっているのです。

これが仏教で言おうとしている
「不生不滅」なのでしょう。

生ずることもないから滅することもない・・・なんて言われてもピンとこないけれどカボチャの天ぷらの話だとすんなりと「そうだなあ・・・」と納得出来ます。

普通に<死>と考えているものはカボチャで例えると畑で蔓を切られた時なのでしょうが、
死は終わりではない。
と考える方がずっと世界を広く捉えることが出来るように思えます。


何事においても、もっともっと柔軟な考え方が出来るようになりたいものです。
まだまだ修行が足りない私です。

お経の意味がわかる本 (服部祖承)

2008-06-17 21:36:40 | その他
この本は般若心経、観音経、懺悔文、座禅和讃などの教えの内容や現代語訳、読み方のポイントを丁寧に解説しています。

仏教に限らず、たいていの宗教では人間がいかに生きるかを教えているものなのではないかと思っています。

お経はお釈迦様の説かれた仏になるための教えだから、
その経典に述べられている教えを十分に理解したうえで、それを日常生活の中で実践して、初めてその意味があると思います。

・・・が、教えを十分に理解するというのはなかなか難しいですね。

表面的な意味ならこういう本を読めばある程度わかります。
でも、深く理解出来るかというと・・・かなり難しい。
そして、教えを日常的に実践するとなるともっと難しい。

煩悩だらけの私が悟りの境地に至るのは一体いつのことでしょうね~?

まあ、煩悩があるからこそ人間的である意味面白いのかもしれませんね。
人間が皆、悟ってしまったような人ばかりだとある意味つまらないかもしれません。

もっとも、煩悩に囚われて周りの人間に迷惑をかけたりするのはいけませんよね。
無差別殺人などはまさしく煩悩の為せる業と言えるかもしれません。

連続幼女誘拐殺人事件の宮崎勤死刑囚(45)の死刑が17日、東京拘置所で執行されたそうですね。
あれからもう20年も経ったんですね。
この20年間、宮崎勤死刑囚は最期まで反省や謝罪の言葉がなかったとのこと。
どうしてなのでしょう?
彼の頭の中では現実と妄想の区別がついてなかったのでしょうか?

簡単に他の人間の命を奪う行為・・・どうしてそんなことを平気で出きるのでしょう?
まあ、死刑というのも他の人間の命を奪う行為だから、賛否ありますが・・・。

地震や事故で突然失われる命。
病気で失われる命。
戦争で失われる命。

いろんな原因で命は失われていきます。

こういう事に直面した時、どう受け止めるか。
お経を完璧に理解出来れば穏やかな心で受け止めることが出来るのかもしれません。

しかし残念ながら私にはまだまだそういう境地に達することは出来ないようです。

マンガ 般若心経入門 (作画:蔡志忠 解説:野村春眠 訳:瀬川千秋)

2008-06-12 03:59:06 | その他
四国八十八ヶ所のお寺などに行くと、般若心経をスラスラっと唱えているお遍路さんが数多くいます。
ちょっとカッコイイなって横目で見ながら、私などはお経なんて全然覚えていないから黙ってお参りするだけなのですが・・・。

いつか般若心経ぐらいは完璧に暗記しようと思いつつ、この年になってもまだ覚えていないんです。
まあ、一部分ぐらいなら多少は覚えてるんですけどね。

・・・で、フト思ったのだけど般若心経の意味なんて全然わかっていない。
暗記する前に意味を知る必要があるよね・・・っていう訳で図書館から数冊の本を借りてきました。

まず読んでみたのは一番取っ付き易そうなこの本。

タイトルにマンガって書いてるけど半分程度がマンガで残り半分程度が解説。
マンガで描いている入門書の中には文章だけで説明すればいいことをマンガの中で登場人物にその説明をセリフで語らせているだけのものが多いような気がする。
そういうものは、読んでいてもつまらないし、マンガにする必要性を感じない。
いや、文章だけは嫌だという読者にはそういうものがいいのかもしれないが。

この本はそういったものではなくて、マンガという表現方法で、般若心経の奥深い世界を少しでもより深く読者に感じてもらおうとしている姿勢がみえる。




たった266文字の中に生き方の永遠の奥義がある



確かにこれを完璧に理解し、「空」の境地に至れば・・・すばらしいんだろうなあ・・・って思いますね。

別に私は特定の宗教を信仰しているわけではないけれども、「生き方」っていうものを考える一つの手段として般若心経の意味するところを考えてみるのもまたいいのではないかと思うのです。

サカモト (山科けいすけ)

2008-06-11 12:32:36 | 漫画家(や・ら・わ行)
坂本龍馬も西郷隆盛も勝海舟も変!
近藤さんも土方さんも沖田も変!
高杉晋作も桂小五郎も変!

沖田総司が美形だと思ってる人は読まない方がいい。
近藤勇がホモだなんて許せない!と思う人は読まない方がいい。
土方歳三が両刀使い(二刀流という意味じゃないよ)だなんて・・・!と思う人は読まない方がいい。

幕末に活躍した有名人が全部変!!
・・・で、とっても面白い。

ここまでみごとに全員変だと私の大好きな土方さんが少々(かなり?)変でも許せます。(笑)

唐人屋敷 (波津彬子)

2008-06-10 08:41:28 | 漫画家(は行)
(平成12年発行)

黒のスーツ・黒のネクタイ・黒眼鏡・黒手袋・・・
そういう格好をした美形が登場するだけで、とにかく嬉しくなる。

主人公の仕事は、主に古い屋敷に憑いているモノをはらうこと。

東洋系のもののけたちの妖しげな雰囲気がいい。

ああ・・・とにかく私好みの美形がいっぱい出て来るから幸せな気分になってくるのです。
漫画を読むのはこういう気分になれるからいいんですよね。

ブラインド (内田美奈子)

2008-06-09 09:10:27 | 漫画家(あ行)
(1987年発行)

カバー折り返し部分の解説文より一部抜粋
男と女の心のふれあいを、内田美奈子ならではの独特の感覚でとらえた珠玉の傑作集



一応、恋愛漫画っていう分類になるのかな?
青春群像という感じ。

しかしね・・・<独特の感覚>と言えばそう言えないこともないのだけれど、
どうも普通の恋愛漫画ではない・・・というか・・・
編集部の人に「恋愛をテーマに描きなさい」って言われて、
「え~~!恋愛ですかぁ~?あんまり描きたくないんですけどぉ~!」
・・・っていう会話があったような気がするんです。(笑)

しぶしぶ、恋愛らしきものを描いてるっていう感じがするんですよね。
内田美奈子さんの場合、恋愛要素のものよりもそうでないものの方がず~~っと面白いような気がするし、作者自身ノリに乗って描いてるっていう感じがするんだけど、そう思うのは私だけなのかな?

いや、この作品がつまらないって言ってるわけじゃないんですけどね。
このころの線のタッチが好きだし、雰囲気が内田美奈子独特のものがあるしね。




「ブラインド」のラストのことば

必要なものを外界から読み取るためには
まず見えなくてはならない・・・
つい数か月前まで
あたしにはそんな簡単なことが
見えていなかった



私、この年になっても見えていないものが多いんです。
この言葉がグサッときました~!(笑)

おひっこし (沙村広明)

2008-06-03 13:08:04 | 漫画家(さ行)
(2002年発行)

作者のあとがきによると、
「おひっこし」はラブコメなのだそうだ。
う~~ん??
私のイメージの男性漫画家が描くラブコメは、あだち充風のかわいい女の子が出て来るもの。
こういうタッチの絵柄でラブコメです。・・・って言われてもなあ・・・っていう感じがないわけではないが、まあ、作者がそう言うのだからラブコメなんでしょう。




この本に同時収録されている「少女漫画家無宿 涙のランチョン日記」
作者のあとがきによると、
「全霊をかけてバカ漫画」と「人生」が基本コンセプト
なのだそうだ。

確かに「全霊をかけてバカ漫画」だと思う。
かなりメチャクチャなストーリー展開。
ここまで徹底的に馬鹿馬鹿しいものはなかなか描けないのでは・・・?

たまにはこういうものを読むのも面白いですね。