本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

水の中の月<冥境青譚抄・二> (波津彬子)

2007-06-29 09:21:57 | 漫画家(は行)
「幽霊宿の主人」の続編。

主人公、秋月青之介の洋装姿も素敵!!
・・・と、また見とれてしまってひとりニヤニヤしている私です。(笑)

「鹿鳴館」とか「舞踏会」とか「子爵さま」「伯爵さま」・・・
華やかで美しくて儚げで・・・
これぞまさしく「少女の見る夢の世界」!!

「(元)少女」だと言われそうだが、まあ、これを読んでいる時ぐらいは暫し「少女」になりきっていたい私です。

カトゥーンズ (岡崎京子)

2007-06-28 08:41:22 | 漫画家(あ行)
(月刊カドカワ 1990年7月号~1992年6月号)

この人の作品は「ヘルタースケルター」しか読んだ事ないので、こういう作品を描いてたというのはちょっと意外でした。
雰囲気的には「ハナコ月記」(吉田秋生)とか「るきさん」(高野文子)っていう感じがちょっとする。
描かれた時期も、ほぼ同じ頃。
あの時代はこういう雰囲気が漂ってたのかな~?


一つ一つの話は関連性がないのだけど最後のコマが次の話の最初のコマ、という感じで繋がっていくというパターンで話が進んで行く。
こういう調子でいけば、無限に続くことも可能だけど、最初と最後の話がくっついて輪になって収まりの良いものになったようだ。


<あとがきより一部抜粋>
私達はそれぞれの人生の主人公であり、他人にとってはワキ役であり、
そしてそれは同時に起こり得ることです。
私達はすれちがだけかもしれませんが実は出遭っちゃってて(忘れてるかもしんないけど)
物語は始まっちゃってるのです。



誰もが自分自身が主人公の世界に生きているんだ。って思います。
そのお話を面白くするのも、つまらなくするのもそれは自分自身。
平凡でも小さな幸せのある世界の物語の主人公になりたいと思ってるんだけどな~・・・。

道玄坂探偵事務所 竜胆 (作画:市東亮子)(原作:花村萬月)

2007-06-27 08:38:02 | 漫画家(さ行)
(1994年発行)

通称 竜胆(りんどう)
本名、年齢、性別、その他一切の素性は謎の探偵が主人公。

強くてクールでちょっぴり優しい、まあ、私のツボど真ん中♪という設定です。

男か女かわからない美形という設定だと私としては<男>がいいんだけどね、
たぶん、この主人公は<女>なんだろうな~と思う。(ちょっぴり残念)

竜胆の素性が全く明らかにされないまま、どうやらこの一冊しか出ていないようだけど続きはないのかな?読みたいんだけどな~。

幽霊宿の主人<冥境青譚抄・一> (波津彬子)

2007-06-26 09:29:43 | 漫画家(は行)
これは明治時代の日本が舞台。

黒髪長髪の美形が主人公!!しかも「霊力」もある。

モロ、私のシュミでございます。

この表紙のイラストも勿論いいし、この使用している紙の質も好きだし・・・装丁に凝っている本は好きである。

着物姿の美形の男・・・っていうのもいいな~~~。
・・・と思わずニヤニヤしてしまう本なのだ。(ちょっと変態っぽい??)(笑)

雨柳堂夢咄 (波津彬子)

2007-06-25 21:06:25 | 漫画家(は行)
何となく、今市子の「百鬼夜行抄」と雰囲気が似ていると思うのは私だけだろうか?
設定などは違うし、何だか分からないものが見えるという部分のみが似ているだけなのだが・・・。
でもまあ、それはそれで、どちらも私は気に入っているのだから、まあ、いいか。

それにしても、何だか分からないものが見えるというのは、何となく憧れる。昔、「だれもしらない小さな国」を読んだ時、コロボックルを見たいと切に願った事を覚えているが残念ながらこの歳になっても未だにそういう不思議なものを見たためしがない。
骨董品に宿る妖怪?的なものって、本当にいるような気がする。

マラヤ (安彦良和)

2007-06-21 09:12:58 | 漫画家(や・ら・わ行)
(2005年発行)

この本、図書館で借りてきたのだけど、重い~!!
内容ではなく、<本が重い~!>(内容も重いけどね・・・笑)

約380ページ程の本でフルカラー!しかもかなりいい紙を使っているから重くなるのも当たり前。
お値段は<本体3,800円(税別)>
う~~~ん・・・高いです~~~~~!

安彦良和の線はいいですよね~。
女性の身体の線、むちむちの太ももや胸!
それらが躍動感溢れた動きで跳躍する!

漫画では動きを表すのに、集中線を使うことが多いのだけど、この作者はそういうものを一切使わずに表現している。
流石ですね~~~♪

・・・で、内容なのだが、
作者のあとがきによると、
『マラヤ』は、ジェンダー的に読解されることを半ば期待しつつ描いた。
のだそうだ。
なるほど、<男は災厄である>として、男を排除した女だけの世界が舞台だ。
そこではまるでミツバチの世界のようにひとりの<生母>の胎から全てのものは生まれてきた・・・と教えられている。

結局、男でも女でも人間の中には混沌の種は息づいており、
人間の業ともいえる欲望や力の虜にならず自らを律する心を忘れてはいけない。
という当然といえばあまりにも当然な結論なのだが、
ファンタジー世界という舞台設定のせいか、それほど説教くさくなく楽しめる作品となっている。

さくらん (安野モヨコ)

2007-06-20 10:08:54 | 漫画家(あ行)
(2003年発行)

本の装丁がオシャレ。
装丁が綺麗な本っていいよね。

安野モヨコは最近朝日新聞で「オチビサン」を連載している。
始まったばかりでまだ何とも言えないが、独特のクールでシニカルな雰囲気がいい。

この作品は江戸時代の吉原が舞台。
男と女の情念や欲望渦巻く世界をリアルに表現している。
・・・と、言ったって私は江戸時代の吉原を体験してるわけではないけどね。(笑)

この作品全体に満ち溢れている<迫力>!!
どこか、岡崎京子の雰囲気と似ている・・・と思ったら、連載デビューまでアシスタントをしていたらしい。

映画化されてるらしいがそれは観ていない。

現在は休載中らしいけど、早く第二部を描き上げて欲しいものです。

忍者 飛翔 (和田慎二)

2007-06-19 09:22:29 | 漫画家(や・ら・わ行)
(2002年発行)

この本に収録されている「雀蜂」は2002年に描かれたものらしいが、絵の雰囲気は昔とほとんど変わってないように思える。
ペンタッチはGペンという感じだし、髪の毛の描き方も昔のままだ。

和田慎二と同時代の漫画家「ガラスの仮面」で有名な美内すずえもあの頃とそれ程絵柄に変化はないのだが・・・そうか・・・和田慎二も同じか~・・・と、妙に感心してしまった。(笑)

どちらも屈指のストーリーテラー。

絵柄は多少古くても、読者をぐいぐいと話しに引き込む力量は素晴らしい!!


コドモのコドモ (さそうあきら)

2007-06-18 17:14:51 | 漫画家(さ行)
(漫画アクション2005年3月1日号~7月5日号掲載)

<1巻裏表紙より>
小学生の春菜とヒロユキは公園デビューの頃からのなかよし。
春菜はブランド大好きなやんちゃな少女。ヒロユキは昆虫好きのおとなしい男の子。
5年生に進級したばかりの春、2人はいつものように公園で遊んでいるうちにお互いのヒミツの部分を「くっつけて」みることにした。
この行為がやがてオトナの世界を巻き込んで、大きな騒動へとなっていく。
これは、幼いヤツラの愛いっぱい、友情いっぱい、モンダイいっぱいの物語である。



小学生が子供を産む!!
そんな事、ありえない・・・と普通は思うが・・・ありえなくもない。
不可能ではない。

かなり「問題のある」テーマをあえて描いたのは何故か?
編集部からの提案だったらしい。
では・・・編集部は何故そういう提案をしたのか?
これは一度休刊になっていた「漫画アクション」が復刊した時の最初の号から始まったものだ。
編集部は<話題性>を考えたのだろうか?
それとも、なにかもっと深い意図があったのだろうか???

この作品、テーマは<子供が子供を産む>なんだけど、それを取り巻く人たちが非常に上手く描けている。

担任の八木先生は若い女性で、知識もあって真面目なのだが、周りの雰囲気が読めない。
保護者たちはそういう担任をイマイチ信用していない。
だから子供たちも親の態度でそれがわかっていて担任を信用しない。
八木先生の恋人は独りよがりのストーカー男。
彼につきまとわれ精神的に追いつめられ、次第に学級の事もおろそかになっていく。
みんなの気持ちがすれ違って、どんどん<学級崩壊>に向かっていく様が丁寧に描かれていて説得力がある。

また、<生命>についてもこの作品では色んな角度で考察している。
春菜の姉の友人の中絶。
学級で飼っていたインコの死。
夏祭りの金魚すくいの金魚の命。
家で飼っていたニワトリを殺してその命をいただくこと。

かなり色々な事がぎゅーっと詰まっていて、テーマが散逸しそうな気もするが、それらのエピソードの積み重ねがこの作品を深いものにしていると思う。

この作品ではいろんな名セリフがある。

春菜のお腹に赤ちゃんがいることを知ったばあちゃんが春菜に語る。
「人生はな考え方次第でどうにでもなるもんよ
少なくとも
その子の人生はもう始まっとるんだ
この子は春菜から産まれるために今ここにおる
そのことだけを考えるんだよ」

赤ちゃんを見て、春菜のじいちゃんが言うセリフ。
「子供を作ることが何の恥ぞ
子供は宝じゃ」

本日もご立腹なり。 (岡林みかん)

2007-06-17 09:22:58 | 漫画家(あ行)
(週刊朝日に連載された「岡林みかんの腹立ちまみれ」(1997/1/24~2000/12/29)を再構成してまとめたもの)

読者が腹を立てたことを投稿したものを、岡林みかんが四コマ漫画にしたもの。

ああ、こういう事あるある!・・・と言った感じの読者の投稿を内容そのままではなく、
かといって、かけ離れてるわけでもなく、丁度いい具合に四コマにしている。

パラパラと読んでみて、ちょっとしたストレス解消によいかもしれない。

暴れん坊本屋さん (久世番子)

2007-06-16 19:42:20 | 漫画家(か行)
(2005年発行)

<裏表紙の説明より>
切なくも心温まる作品を描く
マンガ家・久世番子。
実は彼女にはもうひとつの顔があった!
ある時は自分のコミックスを大量に発注し、
ある時はマナーの悪い立ち読み客を呪い、
ある時は注文した本が届かない
そう彼女は「暴れん坊本屋さん」だったのだ!!

マンガ家兼書店員の久世番子が
本屋さんの本音や裏話を描いた
赤裸々エッセイコミック登場!!



仕事ってどれも大変だと思うけど、本屋さんも大変ですね。
ごくろうさまです。

日頃よく本屋さんに行く人がこれを読めば、より楽しく本屋さんに行ける・・・かも?(笑)

明日香ふたたび (和田慎二)

2007-06-15 09:01:27 | 漫画家(や・ら・わ行)
(別冊マーガレット 昭和51年5月号~6月号)

今回は<忍者>が出てくる。

悪のボスの名前は”紅輪鬼童”
そして暗殺集団”紅輪忍群”

名前もいかにも”忍者”っぽい。
しかも戦う動きはまるで横山光輝の忍者漫画!!

この本の44ページの明日香なんて、伊賀の影丸の”忍法木の葉隠れ”!?

作者はかなり楽しんで描いたんじゃないのかな~?
読んでるこちらもとっても楽しい♪

超少女明日香 (和田慎二)

2007-06-14 09:03:18 | 漫画家(や・ら・わ行)
(別冊マーガレット 昭和50年4月号~5月号掲載)

別冊マーガレット時代はリアルタイムで読んでいた。
・・・が、その後「花とゆめ」に移り、「コミックフラッパー」に移ったとか・・・。
「コミックフラッパー」掲載分は全く読んでません。
現在、休止中らしいけど、取り敢えずは続いているらしい。

チンチクリンの女子高生のお手伝いさんが、
実は変身すると美人になって、しかも強くなって悪と戦う物語。

まあ、少女漫画版<変身ヒーロー>?
仮面ライダーとかスーパーマンとか、そういう類と同類?
・・・なんて言うと明日香ファンが怒るかな~?(笑)

作者が男性のせいか、骨太のアクション漫画という感じがする。
勿論、少女漫画だから、恋愛要素もちゃ~んとあるしね。

悪人がいかにも悪人面してるとか、
悪のボス、<芙蓉夫人>は部屋の中で風が無いところでも、髪の毛がなびいている・・・とか、
少女漫画のお約束?<メガネをはずせば実は美人!>ネタもあるし、

今見ると、絵柄はちょっと古いけど結構楽しめました~♪

パピヨン (清水玲子)

2007-06-13 09:17:36 | 漫画家(さ行)
(平成5年 ララ3~4月号掲載)

パピヨンと言うと私が真っ先に頭に浮かぶのが
スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンが出る映画「パピヨン」!
これは私の大好きな映画のひとつです。


・・・で、この作品はその「パピヨン」とは全く関係のないお話。
でも・・・清水玲子の「パピヨン」には蝶は出てこないのよね。


どちらも刑務所が舞台だから、刑務所つながりで「パピヨン」っていうタイトルにしたのかな~?

作者の一番好きなシーンは
身体をまっ2つに引き裂かれたイオがプラナリアよろしく再生するところ
なのだそうだ。
私もそのシーンが一番気に入っている。

よく考えるとかなりグロいシーンなんだけど、この作者が描くと幻想的で美しい。
もしも、同じシーンを楳図かずおが描いたらどんな風になるのだろうか?
それを見たいような見たくないような・・・。(笑)

幻影博覧会 (冬目景)

2007-06-12 09:39:22 | 漫画家(た行)
(1巻2005年発行 2巻2007年発行)

こういうタッチの絵柄は結構好きです。
時代背景は大正時代。
主人公は探偵。
助手の女の子は謎めいている。
髭面の警部も出てくるし、どれも私の好みに見事当てはまってます。

・・・で、今の所まだ二巻までしか出ていないのかな?
ストーリーはどうなっていくかわからないので何とも言えないんだけど・・・

とにかく面白い展開になる事を期待しています。