本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

「エイジ」 (江口寿史)

2007-04-26 07:56:08 | 漫画家(あ行)
(「月刊フレッシュジャンプ」1984年9月号~1985年3月号
「ベアーズクラブ」1991年2月号~4月号
「ベアーズクラブ」1990年10月号掲載)


この2004年に出版された文庫版には「エイジ」「エイジ2」「エイジ」’85が収録されている。
この作品も残念ながら未完である。

ちばてつやが好きで「あしたのジョー」に憧れてボクシング漫画を描いたらしい。
確かに江口寿史の初期の絵柄はちばてつやの影響を色濃く受けている。

「エイジ」はいいけど、やっぱり未完であるからストーリー的にどうこう言えない。

絵は洗練されていて綺麗だ。
しかし、ボクシングシーンになると、集中線や動線、擬音で一生懸命に動きや迫力を出そうとしているのはわかるが残念ながらいまひとつ物足りなさを感じる。
どうも、この人は止まっているイラスト的な絵の方が上手いようだ。

ただ、「エイジ」’85になると、動きの部分がかなり上達していて、一瞬の動きをストップさせる事によって迫力といったものが上手く表現されているように思える。


やっぱり、これは未完のままにしておくには惜しい作品だ。

江口寿史の爆発ディナーショー (江口寿史)

2007-04-23 10:54:20 | 漫画家(あ行)
「 weekly漫画アクション」(双葉社)誌上において1988年7月5日号から1989年9月12日号まで2色カラーで連載

第38回(1992年)文藝春秋漫画賞受賞作品


この作者は遅筆な事で有名である。また、放棄することでも有名。
或いは「漫画を描かない漫画家」などと言われることもある。
まあ、正確に言えば、現在は「漫画をほとんど描かない漫画家」なのかもしれない。


収録作品はどれも面白いのだが<漫画パロディシリーズ >
『わたせの国のねじ式』、『カジワラ』、『デュークの日々』、『コンダラ』、『家族写真』
が、かなり笑える。


この中に二作、少女漫画を題材にしたものがある。
大友克洋の少女漫画風作品は不愉快だったが、江口寿史のものは素直に面白いと感じた。
この差は一体何なんだろうか?


『ニューミュージック・イメージコミック "魔法の鏡" 』
題材は荒井由実の『魔法の鏡』。
画風は陸奥A子。
それなのに内容はめちゃくちゃ下ネタ!
そのギャップが面白い。
ぱっと見た感じはどこからどう見ても少女漫画で違和感は全くない。
こういう雰囲気は大友克洋には無理なのだろう。



『 恐怖の同人誌漫画を添削する 』
作者の元に届いた同人誌漫画原稿の一部を、江口寿史が添削して赤ペンでチェックするという作品。
当時の同人誌を知っている人が見ればめちゃくちゃ納得して、めちゃくちゃ笑える作品。
しかし、この添削される作品、作者本人が描いたにしてはあまりにもリアルに下手すぎる。(ごめんなさい)
もし、真面目に描いた人がいるのなら、その人に対して失礼ではないかと思って調べてみた。
すると・・・この同人誌漫画を描いたのは、
現在は一條 裕子(いちじょう ゆうこ)という名前で漫画を描いているプロの漫画家さんらしい。
申し訳ないがこの人のことは全く知らなかったのだが結構面白そうな漫画を描いているようだ。
絵もかなり上達している。
江口寿史を師匠としてかなり頑張ったようだ。
デビューは1992年という事で、この作品が1988年だから4年間、アシスタントして力をつけたのかもしれない。

パシパエーの宴 (とり・みき)

2007-04-22 09:49:49 | 漫画家(た行)
(2006年発行)

実は、とり・みきはギャグ漫画家だという認識しかなかったのです。
ごめんなさい。勉強不足でした。
シリアス系もかなり描いてたんですね。

そういえば、「WXⅢ機動警察パトレイバー」の脚本も書いてましたね。
映画を観に行って<とり・みき>脚本って書いてあって意外だと思った記憶があります。

この本に収録されている作品は、
<シリアス系伝奇・怪奇・SF作品>ばかり。
どれも面白い。

諸星大二郎とか藤子不二雄A「笑ゥせえるすまん」的な雰囲気の好きな人なら気に入る事間違いなし!

監督不行届 (安野モヨコ)

2007-04-21 07:07:37 | 漫画家(あ行)
(2005年発行)

<帯に書かれた言葉より>
マンガ界のクイーン★安野モヨコが
オタクの教祖★庵野秀明にヨメ入り!


安野モヨコの夫が庵野秀明。。。
庵野秀明って<オタクの教祖>??


う~~~ん、どっかで聞いた事あるような気がするけど、その人ダレ?
・・・っていう感じだったのよね。
ごめんなさい。
凄い人でしたね。


「王立宇宙軍」メカデザイン、作画監督
「トップをねらえ!」監督
「ふしぎの海のナディア」総監督
「新世紀エヴァンゲリオン」監督
「キューテイーハニー」実写映画の監督
「Re:キューテイーハニー」('04)アニメシリーズ総監督


まさしく
オタクの教祖
と呼ぶに相応しい人ですね。(笑)

・・・で、実話と創作が入り混じったこの作品。
面白いです。
オタクと結婚したらこうなっていく・・・というような話が面白おかしく描かれています。
実に楽しそうな夫婦生活。
車のBGMは勿論アニソンや特撮!
運転しながら夫婦で歌いまくる!!
夢のような生活・・・。(笑)

因みに私の車の中にはアニソンのCDが山ほどありますが、ダンナの車の中には一枚もありません。

この本のあとがきを庵野秀明が書いているんだけど、実にいい内容。
この人って、物事を冷静に判断出来るし、素直に自分の思いを語れるし、いい人なんだな~って感心してしまいました。



<あとがきより一部抜粋>
いわゆるオタクの内包的特長を挙げると、
内向的でコミュニケーション不全、つまり他者との距離感が適切につかめないとか、
自己の情報量や知識量がアイデンティティを支えているとか、
執着心がすごいとか、
独善的で自己保全のため排他的だとか、
会話が一方的で自分の話ししかできないとか、
自意識過剰で自分の尺度でしか物事をはかれないとか、
ナルシスト好きだとか、
肥大化した自己からなりきり好きであこがれの対象と同一化したがるとか、
攻撃されると脆い等々、
とかくネガティブイメージの羅列になってしまうのですが、そこらを有りのままに描いているのがいいですね。
幻想としてのオタク像ではなく、真実の姿を分相応に描いて世間に示しているとこが好きです。
(中略)
嫁さんのマンガのすごいところは、マンガを現実からの非難場所にしていないとこなんですよ。
(中略)
読んでくれた人が内側にこもるんじゃなくて、外側に出て行動したくなる、そういった力が湧いて来るマンガなんですよ。
(中略)
自分よりも才能があると思うし、物書きとしても尊敬できるからこうして一緒にいられるんだと思います。



自分の妻の良いところを素直に認めて、素直に褒める。
そういう事をさらりと衒いなくやってのける庵野秀明ってすごいと思う。
しかも、自分自身の事も冷静に分析している。
とにかくオタク分析がスゴイ!!お見事!!と思わず拍手してしまいそうになりました。(笑)

こういう事が出来るからこそ、あれらの作品の監督が務まるんだな~って、非常に納得したのです。


迷宮書架 (ひらのあゆ)

2007-04-20 09:04:44 | 漫画家(は行)
(2003年発行)

<小説ファン・マガジンの、新刊紹介コーナー扉の、でも具体的に本を紹介しない、各じゃんるネタの単発四コマ漫画>


…というオーダーで描かれた四コマ漫画。


<少女の為の文学のガイド
当世活字中毒を映すノンフィクション>


結構楽しめる漫画です。
途中で飽きることなく一気に読んでしまいました。

彼女の想いで・・・ (大友克洋)

2007-04-19 13:27:26 | 漫画家(あ行)
(1990年発行)

1980年前後に描かれた短編集。


良くも悪くも、大友克洋だな~~~っていう感じの作品ばかり。


この中で好きな作品は、
「That's Amazing World」かな?
かる~く読んで、フッと鼻先で笑うっていう感じ。


どの作品にも共通しているんだけど、世の中を一歩はなれた所で鼻先でせせら笑って見ているという雰囲気がする。
それが、あの当時、あの時代の雰囲気なのかな~?

愛がなくても喰ってゆけます。 (よしながふみ)

2007-04-18 10:27:09 | 漫画家(や・ら・わ行)
(2005年発行)

この漫画、一応
<この話はフィクションです。実在する人物とは一切関係ありません。
ただし、この物語に登場するお店はすべて実在しています。>


と、書いている。
まあ、全部本当のことではないにしても、モデルは作者自身とその周りにいる人であることは間違いないだろう。



こういう実際のお店を紹介する漫画、TV番組、雑誌記事など、たいていは東京なんですよね。
また・・・東京なのね・・・そんな所、たぶん一生行かないよ。。。
と、ため息を一つついてTVなら別の番組に変えるし、本なら読まない。
これも東京のお店ばかり。
まあ、作者が行く店だから仕方ないけどね。
それで、店に行くかどうかは置いといて、作品として楽しもうと思ったわけ。



いいんだけどね。
ごめんなさい。
私も美味しいものを食べるのは好きだけど、それ程拘りがあるわけじゃあないんです。
この漫画のなかで食い物に関して淡白な人間に腹をたてる場面があるけど、私もそうなんです。


多分、申し訳ないけどYながさんと一緒には食事に行けません・・・。(当然行けるわけなんてないけど…笑)
そんなにたくさん食べられないし、横で薀蓄を聞きながら食べるのも好きじゃない。


漫画として「美味しんぼ」のような感じで純粋なフィクション作品としての薀蓄を読むのならいいけど、
現実問題としてはちょっとね・・・。
なんて事を考えてしまったわけです。


・・て、それ全然<作品として楽しんでない>よ!?
そういえば、そうだったわね。(笑)

赤紙きたる (藤子不二雄A)

2007-04-17 09:43:40 | 漫画家(は行)
(ビッグコミック 昭和46年10月10日号)


この作品、<SFマンガ大全集>に載っているのだが、SFというより
ブラックユーモアっていう感じかな?
作者は発表当時は藤子不二雄だが、
勿論これは藤子不二雄A先生の方。

ごく平凡な会社員である小池伸一の所にある日突然「赤紙」が届く。
「赤紙」とは「召集令状」の事。
第二次世界大戦の時、この赤紙が来たため
自分の意に反して兵役に服した男たちが数多くいた。
現在の日本には徴兵制などというものはないが・・・
そういうものは永遠にない平和な世の中であって欲しいものだ。

・・・で、小池伸一はこの「赤紙」はイタズラだと考えるのだが
それ以降彼を見張っている男が現れる。
そして、彼は・・・。


妖怪や幽霊や化け物といったものが出るわけでもなく、
殺人事件などが起こるわけでもなく、死体が転がっているわけでもない。
それなのに、じわじわと心に「恐怖」がしみてくる。
そんな作品。



ヤマビコ13号 (松本零士)

2007-04-16 10:09:41 | 漫画家(ま行)
(少年マガジン 昭和46年4月4日号)

画像に使用している本は「SFマンガ大全集」(別冊奇想天外NO.5)昭和53年7月10日発行
<全作品単行本未収録!!>と書いているが、それは当時この本が発行された時点のことで
現在は単行本に収録されている作品もある。



これは「男おいどん」のSF版。
時は未来。
大山昇太は相変わらず金もなく下宿の四畳半に大量のパンツと共に?生活している。
<ヤマビコ13号>というコンピュータが全人類の過去のモロモロの秘密を知っていて、
人類はそれがある限り自分の言ったりやったりしたこと全てに責任を持たなければならない。
誰もがそんな機械を壊したいと思っているが、罪になるのが嫌で壊す事が出来ない。
そこで、大山昇太が例の如く美人の女性に騙されて<ヤマビコ13号>を壊すのだが、
自分は騙されている事を知らない。
ラスト、美人姉妹に騙されたことを知った大山昇太は
反陽子手榴弾を握り締める・・・



・・・とまあ、こんな話。
貧乏で単純で大した欲もないおいどんだけど、
どうしても許せないもの、男のプライドっていうのかな?
「男の意地」はある訳だ。


見かけはぱっとしないけどそういう所が魅力なんだろうな~。


機械化人都市<マシンナーズ・シティ> (松本零士)

2007-04-15 19:50:49 | 漫画家(ま行)
表紙カバー折り返し部分の説明より

無気味な新人類ホモレズのために、
あわれな機械化人間(マシンナーズ)にされた日本民族の最後の生存者モリ・シゲルの孤独な愛と復讐のドラマ!!
SFコミックの代表作家・松本零士の傑作

主人公であるモリの目の前に現れては死んでいく美女たち。
美女は勿論、睫毛の長~い髪の毛も長~~い、松本零士独特の美女たちだ。

毎回、毎回、ほぼ同じパターン・・・。
「男おいどん」では美女は去っていくが死ぬことはないけど、要するにそういうパターン・・・。
ま、<大マンネリ>とでも言えばいいのだろうか?

そして、その<大マンネリ>がいいのだ。

松本零士節、炸裂!!っていう感じで、
その<大マンネリ>の世界を堪能したいとファンは思ってしまうのだ。

一種の麻薬的快感なのかもしれない。


パニックワールド (松本零士)

2007-04-13 10:00:42 | 漫画家(ま行)
表紙カバー折り返し部分の説明文より

低く飛ぶ戦闘機の、はりつめた金属音。
ズッしりと重い、キャタピラの振動の響き。
朝から、一体、何が始まったのだろう?・・・・・・・・・
独自の幻想空間を、その巨大なスケールで切り開く松本零士の秀作短編集。



おんぼろアパート”風化荘”の四畳半の部屋に住む少年、敷井隆が主人公。
例のごとく、胴長短足、金はない。

”風化荘”の庭に戦争中に落とされた不発弾が実は”原爆”だった!!

・・・という訳で東京都民は逃げ出すのだが・・・

我らが四畳半の住民、敷井隆は逃げ出さない。
誰も居なくなった町で一人楽しむ。

「めったにないことばってん大いにたのしむど!
かねがねやってみたかったことが
いっぱいあるのだ」

喫茶店で下着姿でコーヒーを飲み、
ビルでターザンごっこをし、プラモ屋のプラモをいっぱい組み立てて走らせる。

各国の戦闘機が上空を飛び、
戦車が走る。
殺し合いも当然ある。

非常に緊迫した情勢なのに、主人公は相変わらずマイペースで行動する。

パニックものは色々あるけれど、”大四畳半パニック”とでも呼ぶべきこの作品は、
切羽詰った緊迫感とのんびり感が見事に融合した独特の”松本ワールド”だ。

四次元世界 (松本零士)

2007-04-12 08:45:34 | 漫画家(ま行)
(1969・1970年頃に描かれた短編集)

「男おいどん」が1971年ぐらいだったから、これらは松本零士が人気漫画家になる一歩手前といった頃の作品だと思う。

この時代っていうのは「高度経済成長」とかいって大阪万博があったり、日本中が浮かれていた時期である。
明るく文化的な暮らしになっていった人たちも多かったに違いない。
しかし・・・そこから取り残された人たちだっていた訳だ。

ある意味、その取り残された人々の悲哀を感じさせる作品でもある。

ただ、救いは彼らには「未来」があったという事である。

主人公たちは、ほとんどが「貧乏」で「ブサイク」で「短足」である。
美しい女性が現れても彼女たちは顔が良くて金持ちの男と去って行く・・・。というパターンばかり。
この「四次元世界」の1巻には同じパターンのものが非常に多い。
2巻になると多少パターンは変わるが根源は同じだ。


作者のあとがきから抜粋してみよう。
「自分自身にとっても四次元的なもの、というのがこの四次元世界シリーズである。
(中略)
良くも悪くも、すべての作品は自分の分身だと思っている。
その分身の中でも、四次元シリーズとして収録したものは、特に愛着のあるもので、恥ずかしい気がするというのは、これらの大部分が、ムキになっていた当時の意地の固まりであるからだ。」


『ムキになっていた当時の意地の固まり』・・・何となくわかるような気がする。
「未来」だけがある若者。
言い換えれば「未来」しかない若者。
暗く冷たい四畳半で必死に未来を夢見て頑張る青少年!!!

近頃の若者のほとんどはこういう体験などしたことがないのだろう。
冷暖房完備のワンルームマンションでお金の心配もせずに
ぬくぬくと生活している若者よ!!
もっと「苦労」してみろよ!!!
・・・と、つい言いたくなってしまう作品だ。(苦笑)

トラジマのミーめ (松本零士)

2007-04-11 09:39:28 | 漫画家(ま行)
(「トラジマのミーめ」プリンセス1975年~1977年
「アイアム ミーくん!」「サムライ ミーくん!」「レッツゴー ミーくん!」「OK ミーくん!」り
ぼん 1968年)


松本零士と言えば「銀河鉄道999」とか「宇宙戦艦ヤマト」というイメージの人にとっては、
こういう可愛い動物ものを描いている事に違和感を覚えるかもしれない。

・・・が、結構この作者はこういう漫画をたくさん描いているのだ。
それに脇役として色んな作品にミーくんは出てるしね。

私が小学生の頃、この「ミーくんシリーズ」とか可愛いふわふわの巻毛の犬が出てくる「巻毛のロン」だとかをよく読んでいた。
だから、小学生の頃の私が描く犬はどれも松本零士タッチだったと覚えている。


彼の動物漫画はどれも何故か哀しい。

可愛い動物が出てくるんだから楽しい話にすればいいのに、
死んだり、飼い主の引越しで別れたり・・・。

現実にも確かに<死別>は訪れる。

可愛い動物を可愛いだけにせずに<辛い現実>を描くことによって、責任持って飼ってやってくれ!というメッセージを込めているのだろうか?

作者自身、大の猫好きで<ミーくん>のモデルもいたらしい。

真の猫好きによる<猫漫画>だから、より読者の胸を打つのかもしれない。


宇宙戦艦ヤマト (松本零士)

2007-04-10 21:03:24 | 漫画家(ま行)
(冒険王 1974年11月号~1975年4月号掲載)

<ヤマト>は私の青春だ~~~~!!


・・・と、TVなどでささきいさおが「宇宙戦艦ヤマト」を歌っていると叫びたくなる私です。
ただし、そのセリフを耳にタコが出来るほど聞かされてきた我家の娘たちは、呆れ顔でこう言うのです。
「お母さんの<青春>って一体幾つあるの?」

ま・・・「ルパン三世」も青春だしね・・・。青春がいっぱいあるって楽しいじゃない??(笑)


アニメのヤマトが始まった時、裏番組は「アルプスの少女ハイジ」をしていた。
どっちを観ようかと迷ったが既に観ていたハイジを途中で止めたくはなかったので、ヤマトを観始めたのは途中からなのだ。
その後何度も再放送をしたので全話観ることが出来たけどね。

あの主題歌はいいよね~~~。
何度聴いても飽きない。
生でささきいさおが歌っているのを聴いた時は、ただただその迫力に感動してしまった。
作詞が阿久悠、作曲が宮川泰だから素晴らしいのは当たり前?



劇場版1作目を映画館に観に行った時は、中に入るのに並んで待って、しかも「立ち見」だった記憶がある。
都会の人は並ぶなんて珍しいことではないかもしれないが、田舎で映画を観るのに滅多に並んだりしない。
「立ち見」なんて今考えるとよく観たもんだ、と思う。
今だったら「席がないので立って観て下さい」なんて言われたら観ずに帰りますよ、ホント!
あの頃は若かったな~~~~!(遠い目・・・笑)



その後「さらば宇宙戦艦ヤマト」とか続々と続編が作られたが続編にはあまり魅力は感じない。
ラストシーンで茶色い地球が見る見るうちに青い美しい地球に戻る・・・っていうので最後でいいじゃないか、と思うのだが商業的に考えるとこれだけ人気があるのだから作れば作るほど売れるっていうことなのかな~?・・・ま、仕方ないけどね。
著作権でもヤマトはいろいろ揉めたみたいだしね。




ヤマトって、<男のロマン>とか何とか、ある意味古い考え方が前面に出てるよね。

<沖田と古代守の会話>

沖田:明日のためにきょうの屈辱にたえるのだ
この敗北はかならずとり返せる
がまんして逃げよう
それが男だぞ

古代守:沖田提督!!
ぼくは逃げたくありません
戦って戦って戦い抜いて
かなわなくとも一せきでもガミラス艦を道づれにして
死んでやります
それが男だとぼくは思います



<時代錯誤>と言う人もいるだろうけど、こういう松本零士作品によく出てくる<時代錯誤>的考え方って結構好きである。



ラスト・・・地球を見ながら死んでいく沖田艦長のセリフもいい。

沖田:佐渡先生
佐渡:……

沖田:わしをしばらくひとりにしてくれんか?
佐渡:……

沖田:わしにはやっと魂のゆく場所がわかったような気がするよ
佐渡:……

沖田:古代や島や地球に住む大勢の若者の中にわしの魂はいきたがっているよ……
わしの身代わりに死んでいった多くの地球の宇宙戦士といっしょにな
先生……
ありがとう

(黙って沖田艦長に背を向けて部屋を出る佐渡先生。ドアを出た所で涙を流し立ちつくしている。)
佐渡:………

沖田:地球だ
わしは帰ってきた
わしの生涯にくいは……ない



やっぱり、「ヤマトは私の青春だ~~~♪」



拝み屋横丁顛末記  (宮本福助)

2007-04-09 08:45:46 | 漫画家(ま行)
とある商店街のとある路地。
そこを曲がるとみえてくるのが「拝み屋横丁」。
その長屋を舞台にした霊感ギャグ漫画???


陰陽師に神主、坊主、幽霊などなど・・・
実に個性的なキャラばかり。
しかも、この主要登場人物の平均年齢・・・一体何歳なのかわからないけどかなり高い!!

いつも出てくるご隠居三人組、通称<三爺>(さんじい)なんてホント、一体何歳なんだ~~??っていう感じ。
最近の漫画って年齢の高い登場人物が多いような気がする・・・と思ったが、単に私がそういう漫画が好きだってことなのだろうか??(笑)

まあ、じーさんトリオも面白いし、オカマの幽霊も面白いし、
とにかく楽しめる漫画なのよね~。

この作者の作品を読んだのは初めてだが、背景も実に丁寧だし今後が楽しみな漫画家っていう感じだね。