本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

水木しげる (悪魔くん)

2010-11-30 20:46:42 | 漫画家(ま行)
週刊少年マガジン版「悪魔くん」です。
1966年~1967年にかけて描かれたものだから、もうかる~く40年以上前のものってことですね。

一般的に1970年以前の漫画だと古臭いし、読みにくいし、つまらない・・・っていうものが結構あるんだけど、これは面白いし読みやすい。
勿論、最近流行の絵柄ではないけれど古臭いというよりは個性と感じることが出来るように思えるのです。
それに何と言っても背景や妖怪の描写が素晴らしい。
だから読みにくさを感じないのかもしれませんね。

この作品、主人公は悪魔くんなんだけど、魅力的なのはメフィストの方のような気がする。
なまけもので、文句ばっかり言って、チョコレートやコーヒーが好きで、・・・人間以上に人間らしい。
あ~、ゲゲゲの鬼太郎でもある意味、ねずみ男の方が魅力的だよね。

水木しげるの描く、どうしようもないやつ・・・って、どうしてこんなに味があるのだろう。
作者がそういうもの達に愛情を感じてるからなのかな?

浦沢直樹・ウジコウジオ (20世紀少年の脇役ウジコウジオ作品集)

2010-11-28 23:11:28 | 漫画家(あ行)
<amazonの紹介より引用>
内容説明『20世紀少年』のスピンオフ作品、奇跡の発刊!!

2009年に「ビッグコミックスピリッツ」誌上で連載された大人気企画が奇跡の単行本化!! 浦沢直樹と漫画家コンビ・ウジコウジオの共作でおくる『20世紀少年』スピンオフ作品集。

【内容】西暦2015年、“ともだち"率いる友民党の制定した新青少年保護育成条例により自由な表現ができない時代、東京に常盤荘というアパートがあった。そこに住む漫画家・氏木と金子の両名は、二人で一つのペンネーム・ウジコウジオを名乗り、CG全盛時代に墨汁とペン先で漫画界に旋風を巻き起こそうとしていた。ところが自信作をユキジにダメ出しされ、二人の漫画家魂に火がついた。「描くぞ、ユキジさんが唸るような漫画を!」ユキジの強烈なダメ出しに、新作で立ち向かう二人、前代未聞の漫画対決が今、始まる!!

編集担当者からのおすすめ情報
この作品集は、漫画に青春をかけた男達の汗と涙の結晶である。





『20世紀少年』を読んでいてウジコウジオってどんな漫画を描いてたんだろう?
って思ってたもんだから、こういう本があるとついつい買ってしまうんですよね。

ただ・・・ウジコウジオ作品は・・・残念ながらユキジの言うとおり面白くない。(ごめんなさい!)

ウジコウジオの作品を描いたのは一体誰なんだろう?
いくら浦沢直樹が上手くても、わざとああいう絵柄のイマイチ面白くない漫画を描くのは無理なのではないかと思うんですよね。
アシスタントさん?それとも編集部がどこかから見つけてきた新人さん?
それとも、私は知らないけれどもうすでにデビューしているプロの漫画家さん?

この本を浦沢直樹の作品だと思って買うと、ちょっと損をした気分になるかもしれません。
ま、ほんのシャレですよね・・・って思える人のみにオススメです。


杉浦志保 (氷の魔物の物語)

2010-11-16 14:29:43 | 漫画家(さ行)
これは長女のオススメ漫画。

久しぶりに少女漫画を読みました。(正確に言うとこれはBLなのかな?)

いっぱい美形が出て来る。
ハゲ(坊さん)も出て来る。
かっこいい爺さんも出て来る。
女はあんまり出てこない。

まさしく私好みのパターンじゃないですか!(笑)

ただね・・・この年になると
登場人物たちのセリフが青臭いなんて思ってしまうんですよね。
結局、自分が<おばさん化>しちゃってるってことなんでしょうか?
いやいや、<おばーさん化>してたっておかしくない年なんですものね。
幸か不幸か、娘たちはまだ結婚していないものだから<おばーさん>にはなってないんですけどねぇ。
これって、喜ぶべきことなのか悲しむべきことなのか・・・どっちなんでしょうねえ?(笑)

宮本福助 (なごみさん 1巻)

2010-11-15 21:48:34 | 漫画家(ま行)
<出版社/著者からの内容紹介>
凶悪な顔を持つ男・山本和(やまもとなごみ)。還暦を機に人生極めるべく、一人娘・凛子と念願の喫茶店を開業。凄まじい顔力により、前歴は極道との噂がしきり。第一号の常連客たる鶴亀寺の和尚の啓示により、開店初日にして「cafe 和」改め「極道珈琲店」。シャッター商店街のマーロン・ブランド、はたまた悪役商会が巻き起こす珍騒動の数々に、どうかひとつ、和んでいただきたい。


この作者の作品はパワフルな中高年のおやじたちがいっぱい出て来るところが気に入っています。
この作品もそんな感じで楽しめます。

ただ・・・見かけと中身が違うキャラっていうのはよくある設定だし、
主人公の前職が実は○○だったという設定はありがちな話。
読んでいて、前職を○○だった~!っていうことだけはしないで欲しいと思ってたんだけど、やっぱり○○。(ネタバレになるので書きません)
もう一ひねり欲しかったです。
とはいえ、この作品の雰囲気は好きなので2巻も買うと思います。
2巻では、あっと驚くような展開になることを期待してます。

藍本松 (保健室の死神)

2010-11-12 08:54:45 | 漫画家(あ行)
ここではあまりジャンプ系の漫画をとりあげていないけど、こういうのも読んでいたりする。
実はこれ三女のオススメなんですけどね。

所謂<保健室の先生モノ>です。
・・・って、そういうジャンルはあるのか?(笑)
要するに「地獄先生ぬーべー」みたいなもんです。(ぬーべーは保健室の先生じゃないけど)

つまり先生が生徒を守るっていう話です。

こういうテーマは多いし結構人気も出やすいようですね。
現実世界では先生が生徒を守ってくれるっていうことが少ないのでしょうか?

子供を本気で守ってやろうと考える大人を必要としている子供が多いのかもしれませんね。

ヤマザキマリ (イタリア家族 風林火山)

2010-11-11 08:13:35 | 漫画家(や・ら・わ行)
<出版社 / 著者からの内容紹介>
イタリア人男性と結婚し、イタリアで三世代同居を経験した 著者がそのギョーテン生活をコミカル&リリカルに描きます☆ ギャグタッチと写実的絵柄が交錯する新感覚コミックに、 『テルマエ・ロマエ』ファンも夢中になること間違いなし! 今だから明かせる(!?)漫画家デビュー秘話もSP収録!


波乱万丈ライフをパワフルに乗り切ってるというか・・・私にはこんな生活絶対に無理!っていう感じです。
でもまあ、日本とイタリアの生活習慣のギャップはあるんだろうけど、よ~く考えてみると日本人だって随分個性的なひとはいるわけだし、嫁と姑の確執もあるわけだし・・・要するに嫁から見た夫の家族との同居話っていうことなんですよね。
愚痴もいっぱいあるのも仕方ないですよね。だって<嫁>なんだもん。(笑)

吾妻ひでお (地を這う魚 ひでおの青春日記)

2010-11-09 16:42:07 | 漫画家(あ行)
<裏表紙の文章より>
時は1968年。
漫画家を目指して上京した吾妻ひでおは、仲間たちとともにデビューを目指す!
実話を下敷きにしている各エピソードには、当時活躍していた漫画家や編集部などが登場!
60年代後半の漫画業界を物語る、青春傑作コミック!!


漫画家って、年をとると自分の若かった頃のことを描きたくなるのでしょうか?
いや・・・編集部が描いてくださいと言うのでしょうか?
まあ、何れにせよ自分自身の青春物語はそれぞれの漫画家の個性が出ていて面白い。

吾妻ひでお版青春日記は、いかにも吾妻ひでお!
登場人物は自分自身と若い女の子以外は動物!(例外もあるけどね)
そこかしこに蛸や鮫やミミズや魚やわけのわからないものがうようよと蠢いている。
これは作者の心象風景なのか?
<地を這う魚>!
これは一体何なんだ!?
水中を泳ぐはずの魚が空中を泳ぐ。
いや、それさえも出来ず地を這っている魚たち。
単純に考えれば作者自身の状況を表現しているってことなんだろうけど・・・
それだけなんだろうか?

60年後半って・・・実は私は小学生だった。(年を計算しないように!・・・笑)
だからあの時代の雰囲気は多少は覚えている。
東京に住んでたわけではないけど・・・あの時代の得体の知れないパワー、若者達の未来への不安とか希望とか・・・そういうものを表現するとああいうわけのわからないものが蠢いてるようになるような気がするのです。

ストーリーは、金も根性もあんまりないかもしれないけれど若さだけはある!っていう若者の話でSFでも可愛い女の子の話でもないんだけど、<吾妻ワールド>全開っていう雰囲気がいいなあ!

水木しげる (鬼太郎夜話)

2010-11-04 08:22:39 | Weblog

<ガロ 1967年6月~1969年4月 掲載>

この鬼太郎は所謂、正義の味方っていうイメージではない。
小学1年生という設定なのに平気でタバコを吸ってたりするし、猫の頭のミイラ汁やどぶねずみを食べている!

猫娘は美人で歌手になったりするんだよね。

道の片隅には<漫画は青林堂>なんていう立て札があったり、
猫娘が死んだ時に
「ぼくのフィアンセときめていたのに」
と嘆き哀しむ鬼太郎に目玉のおやじは
「そりゃあ
おまえの顔ではむりだ
寝子さんのようなきれいな子は
つげ義春ぐらいの男前でなくちゃ
うんといわないよ」
なんて言っている。

確かに写真で見る限りつげ義春は結構、男前だけどね。

ストーリー展開がとっても速くて、次はどうなるんだろう?とはやく続きが読みたくてたまらなくなる。
こういう展開の仕方ってちょっと紙芝居的な感じもする。

摩訶不思議な幻想譚。
こういう雰囲気の鬼太郎もなかなかいい。

清水玲子 (秘密 8巻)

2010-11-01 18:47:59 | 漫画家(さ行)
今回はグロさが少ないですね。
薪さんの普段着姿や警官姿がなかなか可愛い♪
この表紙の薪さんと猫もとっても可愛い♪♪

新しいメンバー登場。
この作者、いつも思うんですが美形はとびきり美しいんだけど、そうでない者はちょっと違和感を覚えるんです。
この新しいメンバーも美形の対極にいるようなお方。
もう少し違和感なくそういうキャラを描いて欲しいと思うのは読者の身勝手?
でもとにかくなかなか興味深いキャラですので今後の活躍に多いに期待したいところです。