本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

宮本福助 (拝み屋横丁顛末記 18巻)

2013-04-23 08:11:50 | 漫画家(ま行)
この作品、どの程度知名度があるのかわからないけれどいつの間にか<18巻>!
ファンとしては嬉しい限りです。


帯に書かれている言葉は
「落ち着き? 大人げ? そんなものは今回だって 当然無い!」

いいですね~!
登場人物はおっさん、おじいさんが圧倒的に多くて(高校生もいるけどね)
大人たちのほとんどみんな大人げない!!!


いいですね~!
どんどん高齢化社会が進んでいる日本!
多少大人げがなくても元気なお年寄りが増えると楽しいと思いませんか?


私も落ち着きも大人げも無い年寄りになりたいです。
・・・って、そんな風になったら周りが迷惑かなあ~?(笑).


村上もとか (JIN―仁―)

2012-11-15 00:17:21 | 漫画家(ま行)
先日、図書館で借りてきました。
ドラマにもなってたようですがそちらは全然観ていません。

最初、図書館で2巻~17巻までしかなかったので、とりあえず2巻から読み始めました。
どうせ1巻は現代から幕末へ主人公の医師がタイムスリップする話だろうから問題ないと思ってたのです。

まあ、話の流れはわからないわけではなかったのですが、やっぱり1巻から読み始めた方が良かったですね。
1巻に重要なシーンがありますからね~。
もともと順不同に読む悪癖のある私ですが(笑)それでも普通は1巻はまず最初に読んでるのです。
1巻は非常に大事だと改めて思ったわけです。

この話、ラストは大団円!
これ以上の大団円はないだろうって思うぐらいの大団円!!
大団円の大好きな私としては非常に満足のいくラストでした。

・・・もしも・・・、
自分が過去に行けるなら、どの時代に行きたい?
などという質問はよくありますが、私なら自分自身のご先祖様に会ってみたいな~とか、
子供の頃の自分に会ってみたいとか、思うのだけど・・・
歴史的な出来事を実際に自分の目で見るならば、見たい時代はあるけれど、
そこで生活をしなければいけないという制約付きならば考え込んでしまいます。

例えば電気のない時代とか、車のない時代、食事も今のようなものはないとか、トイレはどうなってるんだろう?とか、いろいろと考えると、過去の時代で生活するのは嫌だなあなんて思ってしまうのです。
私って軟弱な現代人なんですね~。。。

諸星大二郎 (闇の鶯)

2011-09-29 13:20:28 | 漫画家(ま行)
久しぶりにこの本を読み返したんですけど、当時は全然気がつかなかった・・・というか、それほど気にも留めていなかったことが今回ちょっと気になった所があるのです。

この作品は「鶯の里」とか「見るなの座敷」とかいった民話をモチーフにしています。

若者が山中で迷い、美しい娘が一人で住んでいる大きな家に泊めてもらう。
そして、絶対に開けてはいけないという座敷のふすまを開けてしまう。
すると・・・海や畑や山があったというバージョンとか、
家にある12の蔵を開けてしまうと正月とか二月とかがあったというバージョンがあるのだけど、
ここで何故か、
『福島に伝わる話では・・・』・・・と、わざわざ、福島バージョンの説明をしているのです。

「闇の鶯」では、ふすまを開けると、ゴルフ場と工場と原発が現れます。
しかも、原発のシーンは見開きのページを使い、その次のページには死んだ奇形の魚や鳥の姿が描かれているのです。

大きな屋敷に住む美女はここでは、山姥、山の神、山の精、・・・のようなものとして描かれています。
そして彼女のセリフが実に意味深な感じなのです。

「山を切り開いてもダムを作っても人間たちが幸せになるなら私は邪魔はしないわ
(中略)
でも人間たちが間違ったことをして不幸になっていくのは見たくない・・・・・・
(中略)
金属とか土器とか・・・・・・火も私が生んで人間に与えたのよ
そのために私は一度焼け死んだこともあるの
でも もしまた火で焼かれたら・・・・・・
原発の火で焼かれたら・・・・・・
私は二度と蘇らない
私も山も二度と・・・・・・」

結局、この話では山は大規模な山崩れを起こしたけれど、
ゴルフ場は作られたものの、工場も原発も建たず、
山は再び元の緑をとりもどしつつある・・・
・・・っていう具合に終わります。


この作品は1989年のものですが、何だか今の日本とオーバーラップしてしまうというか、
いろいろと考えさせられました。

松本大洋 (竹光侍)(作:永福一成)

2011-09-15 21:05:17 | 漫画家(ま行)

これは凄い!
文句なしに凄い作品だと思います。

絵、ストーリー、キャラの魅力、どれをとっても素晴らしいの一言に尽きます。
これだけ三拍子揃っていいと思える作品にはなかなかお目にかかることが少ないんですよね。

実は・・・この作者の絵は私にとって苦手な部類に入るのです。
だから、「ZERO」と「ピンポン 」は読んだけど、その後読んでないんですよね。
頭では良い作品だと理解出来るけれども、感覚的にはどうしても苦手意識が・・・。

だけど、「竹光侍」はちょっと気になる作品でしたので先日古本屋で1巻が105円だったので思わず買ってしまったのです。
・・・で、
うわっ!これは凄い!素晴らしい!!と感激!即、残りの巻全てを買ったってわけです。

近頃の漫画は線の整った綺麗な絵柄が多いし、私もどちらかというとそういう方が好みなんだけど、この絵の迫力にはただただひれ伏すばかり。
目なんて顔の輪郭からはみ出ててまるでピカソ!
それなのに不自然さも感じさせず、実に表情豊か。
神輿大三郎の腕の長さなんて人間じゃないぞ!っていうぐらい長い!
だけど、それ以外の表現なんてつまらない。

主人公の瀬能宗一郎はなんて魅力的な男なんだろう!
ここまでいい男のキャラは滅多にお目にかかれない。
脇役たちもみんないい。

ストーリーも気持ちよく、最後が大団円ってところが実にいい!

買ってから何度も何度も繰り返し読んだのだけど・・・最近これ程繰り返し読んでも飽きない作品はなかったものだから、こういう作品に出会えることが出来て何だかとっても嬉しい。

もっと早く読んでいればよかった。

丸尾末広 (ギチギチくん)

2011-06-21 08:37:56 | 漫画家(ま行)
丸尾末広の学園漫画?
エロもないし、グロも・・・ほとんどない。(ちょっとあるけどね)

主人公のギチギチくんは不思議な能力があって、悪いクラスメイトなどをやっつける。
丸尾末広版、「魔太郎がくる!!」(藤子不二雄Ⓐ)っていう感じかな?

これならエログロが苦手な人でも読みやすい・・・?

みつはしちかこ (ハーイあっこです)

2011-04-03 00:31:08 | 漫画家(ま行)
これ、長女が先日買ってきた漫画です。
昔、朝日新聞の日曜版に連載されていた時から好きだったらしい。

ちょっとドジだけど、明るいあっことハンサムなダンナさま。
ある意味、「小さな恋のものがたり」のその後の話っていう感じかな?
昔の少女漫画ってドジだけど明るい主人公とハンサムな男性っていうのが定番なのよね。
最近の少女漫画はどうなっているのかな?
あまり読んでないのでよくわからないのだけど、
強い女の子と草食系の男の子なんていうパターンもありそうだよね。

この作品であっこと同居する姑のセツコさん。
かなり年配だと思ってたけど、よく考えるとせいぜい60歳ぐらい?
もしかすると50代の可能性だってゼロではない?
え~~~!?
よく考えると私って孫がいても不思議ではない年齢。(いないけど・・・)
ちょっと待った~!
私・・・セツコさんとそれほど年が変わらないって・・・
いや・・・それはない・・・それはないと思いたい。
あっこのお母さんとお父さん・・・私とダンナとそう変わらない年齢?
いやいや・・・それはないと思うんだけど・・・第三者から見たら??ww

水木しげる (猫楠―南方熊楠の生涯)

2010-12-25 08:52:50 | 漫画家(ま行)
天才だけど大変人と言われる南方熊楠を同じく天才だけど大変人ではなかろうかと思える水木しげるが描いた作品。
普通の漫画家が普通に南方熊楠を描いてもおそらくこの大変人っぷりを表現出来ないだろうと思います。

猫楠という猫を狂言回しにして描いている発想もなかなかいい。

水木しげるの<幸福論>として読んでも面白い。

ちょっと思うんだけどね、何だか近頃は破天荒な型破りの変人っていうのが少なくなってるような気がするんです。
たいていの人は普通に喧嘩しないように適当に人と付き合ってるような感じ。
熊楠のような人間が身近にいたら、かなり迷惑だろうなって思うけど、第三者としてならば眺めていたいような気もするんですよね。

水木しげる (悪魔くん)

2010-11-30 20:46:42 | 漫画家(ま行)
週刊少年マガジン版「悪魔くん」です。
1966年~1967年にかけて描かれたものだから、もうかる~く40年以上前のものってことですね。

一般的に1970年以前の漫画だと古臭いし、読みにくいし、つまらない・・・っていうものが結構あるんだけど、これは面白いし読みやすい。
勿論、最近流行の絵柄ではないけれど古臭いというよりは個性と感じることが出来るように思えるのです。
それに何と言っても背景や妖怪の描写が素晴らしい。
だから読みにくさを感じないのかもしれませんね。

この作品、主人公は悪魔くんなんだけど、魅力的なのはメフィストの方のような気がする。
なまけもので、文句ばっかり言って、チョコレートやコーヒーが好きで、・・・人間以上に人間らしい。
あ~、ゲゲゲの鬼太郎でもある意味、ねずみ男の方が魅力的だよね。

水木しげるの描く、どうしようもないやつ・・・って、どうしてこんなに味があるのだろう。
作者がそういうもの達に愛情を感じてるからなのかな?

宮本福助 (なごみさん 1巻)

2010-11-15 21:48:34 | 漫画家(ま行)
<出版社/著者からの内容紹介>
凶悪な顔を持つ男・山本和(やまもとなごみ)。還暦を機に人生極めるべく、一人娘・凛子と念願の喫茶店を開業。凄まじい顔力により、前歴は極道との噂がしきり。第一号の常連客たる鶴亀寺の和尚の啓示により、開店初日にして「cafe 和」改め「極道珈琲店」。シャッター商店街のマーロン・ブランド、はたまた悪役商会が巻き起こす珍騒動の数々に、どうかひとつ、和んでいただきたい。


この作者の作品はパワフルな中高年のおやじたちがいっぱい出て来るところが気に入っています。
この作品もそんな感じで楽しめます。

ただ・・・見かけと中身が違うキャラっていうのはよくある設定だし、
主人公の前職が実は○○だったという設定はありがちな話。
読んでいて、前職を○○だった~!っていうことだけはしないで欲しいと思ってたんだけど、やっぱり○○。(ネタバレになるので書きません)
もう一ひねり欲しかったです。
とはいえ、この作品の雰囲気は好きなので2巻も買うと思います。
2巻では、あっと驚くような展開になることを期待してます。

丸尾末広 (少女椿)

2010-10-01 08:25:58 | 漫画家(ま行)
エロくてグロくて淫靡で妖しい。
こういう漫画は、好きな人は大好きだけど嫌いな人は大嫌い・・・というか生理的に受け付けないっていう人も多いんだろうなって思います。
大多数の大人たちは絶対に子供には読ませたくない本だと言うでしょうね。
まあ、私だってうちの娘たち(成人してますけど)に読むのを薦めようとは思いませんけどね。
どうせうちの娘たちは
「またお母さん変な本買ってきてる」
と思うだけで読もうともしないでしょうけどね。(笑)

こういう漫画は世の中から排除すべきだと考える輩も多いとは思うんですけど、私はそうは思いません。
表現の自由とか、そういう理由ではなく(それもありますが)
世の中、常に<明るく正しく清潔で正直で前向きで・・・>といったものだけで出来ているわけではないと思うからです。
暗くて野蛮で人権なんて全く考えてなくて・・・そういうものがあるのも事実。
自称常識人の主張する<良いもの>だけの世の中ってうそ臭いような気がするのです。

こういう漫画を読んで影響されて変な事をしてしまうと勿論ダメなんですけどね、現実と妄想の境界線を乗り越えない限り別に構わないと思うのです。
でも・・・近頃はいとも簡単に現実と妄想の境界線を飛び越えてしまう輩も多いような気がするから、「排除しろ!」と考える人々の気持ちも全くわからないわけでもないんですけどね。。。
悪いのは漫画?それとも世の中の風潮?それとも???

丸尾末広 (パノラマ島綺譚)(原作:江戸川乱歩)

2010-09-30 08:10:46 | 漫画家(ま行)
丸尾末広のタッチと江戸川乱歩の雰囲気は見事にマッチする。
不思議で妖しいパノラマ島の光景!
これをここまで表現出来るとは・・・!!
素晴らしい!の一言に尽きる。

桑田次郎の描いた「地獄風景」(1970年)は確か乱歩の「パノラマ島綺譚」を元にしていたと思う。
原作とはかなり趣を変えたものだったと思うが、これもなかなか良かった。
サンコミックス版で持っているはずなんだけど・・・どこに置いたのかなあ?
探し出してまた読んでみたくなった。

もぐら (うちのトコでは)

2010-07-13 08:31:30 | 漫画家(ま行)
最近は何でも擬人化するのが流行ってるのでしょうか?
これは<都道府県>を擬人化した漫画。

本屋で見つけてパラパラッと立ち読みしたのだけど、四国四県がなかなか良く描けているなあと思って作者の出身県を見ると、愛媛県。なるほど~とものすごく納得いたしました。(私も愛媛県民です)

早速、図書館で借りて読んだのだけど、絵はかわいいし、読みやすい。
自分の出身県や友人の出身県をみて楽しむのも面白い。

なかでも「夢の架け橋」という特別読みきり漫画が読み応えがあって良かった。

四国に全く関係のない人は四国に三本も橋架けるのは無駄だ・・・なんておっしゃる方もおられますが、四国に住んでると三本の橋はありがたいです。
一般庶民ですので経済効果だとか難しいことはよくわからないけど、
例えば、四国外に住んでいる子供が急病になった時だって橋さえあれば真夜中だってとんで行けます。

数年前の大きな台風が来た時、愛媛県新居浜市と四国中央市の間の道路が土砂崩れのため全ての道路が通行不能になったことがあります。
その日は朝から雨が降ってはいたけど、もともと台風の被害がひどくない地方なのでみんな油断していたんでしょうね、私のダンナも勿論いつもどおり隣の市まで仕事に出かけ、私も知人のお見舞いに隣の市にある病院に行っていました。
ただ・・・その日は川の水かさの増加が普段よりもすごくて、何か嫌な予感がした私は帰りに買い物をする予定をとりやめて、予定よりはやく家に帰ったのです。
すると、家に着くと庭は水であふれ、新居浜市との境の道路は全て通行不可能になったというニュースが流れ、ダンナは会社から帰ることが出来なくなってしまいました。私もあと少し遅ければ帰ることが出来なくなっていました。

我家の場合、ダンナが数日家に帰れなくなっても泊まる場所があるので問題はないのだけど、(三日ほど帰れなかったのかな?)
小さい子供だけ、或いは介護の必要な人を残して隣の市から帰って来られなくなった人たちは、土砂崩れの場所に車を置いて何キロも歩いて帰った人もいます。
また、しまなみ海道を通って、瀬戸大橋から帰った(逆もあります)人も結構いたそうです。(一体何キロ走ったんだ!)

それを聞いた時、ああ、橋があって良かったね!って思いましたよ、ホント。

橋が出来て、フェリー会社が損をしたとか、それは申し訳ないし、その他いろいろ問題があるかもしれないけれど四国に住んでいる人間にとって橋は<安心感>をもたらしてくれる・・・と思うのです。
だから、四国に住んでいない人が簡単に「橋は三本もいらない、無駄だ!」なんて言うのを聞くとちょっと悲しい気分がするのです。

この本のことからまた話が脱線してしまった。(いつものこと?・・・苦笑)

とにかく、この本のなかのキャラでは地元だからっていうわけではないけれど、のほほ~んとした愛媛が気に入ってます。

魔夜峰央 (クレプスキュール)

2010-01-29 21:22:28 | 漫画家(ま行)
<Amazon.co.jpによる内容紹介>
ふつうの人間には見えない、いろいろなものが見える邪眼の持ち主、浅野君は、私立高校の生徒として平凡な学園生活を行っているが、ひとたび事件が起これば邪眼によってトラブルを解決する。トラブルにはたいてい美しいヒロインが絡むものだが、浅野君の素晴らしい能力とは裏腹に、恋が成就することはない・・・、がんばれ!浅野君!
ご存知「パタリロ」で有名な魔夜峰央のオカルトコメディ。


この作品の主人公の性格は、はっきり言ってラシャーヌそっくり!
惚れやすいんだけど、いつも失恋してしまう。
どうして同じようなキャラにしたのでしょうか?
もしかして新しいキャラを考えるのが面倒だったとか?
そうだとしても話の内容はラシャーヌとは違うので、ま、いいか~。

トリの作品がSFの王道!
ここまで見事なオチでまとめてくれると何だか嬉しくなってきますね。

村上たかし (星守る犬)

2010-01-11 20:54:44 | 漫画家(ま行)
<泣ける本>ということで話題になってたのでちょっと興味があった本。
昨日、古本屋で見つけたので買ってみました。

アマゾンのカスタマーレビューでは賛否両論っていう感じですね。
<賛>の方が多いようですけどね。

確かにいかにも<泣ける>という感じの本です。
・・・が、残念ながら私は全く泣けませんでした。

犬のけなげさよりも、登場人物たちの性格設定が何だか寒々しい感じがしちゃって、
なんだかなあ・・・って感じになってしまったのです。

お父さんもその奥さんも娘も万引きする少年もみんな自分の事しか考えてないんですね。
お父さんは奥さんのことも娘のことも真剣に考えようとはしていないのです。
奥さんもそういうダンナを愛することも出来なくて病気になって職を失ったダンナをあっさりと捨ててしまう。
娘もまた自分のことしか考えてない。

そういう家庭って多いのかなあ?
そういう人間って多いのかなあ?
一生懸命に自分以外の人のことを考えようとする人は少ないのかなあ?

お父さんが死んだという事を知らない知ろうともしない知る気もない
奥さんと娘は自分のことだけを考えて生きている。
万引き少年は自分の行為が知らない男の人の死に関わりがあったなんて夢にも思っていない。
例え、その男性が死んだことを死っても、「僕が殺したわけじゃない!」って言うんだろうね。

人間ってひとりでは生きていけないと思うのです。
人のことをほんの少しでも気にかけるってことが出来ない人は
寂しいなあって思うのです。

お父さんは悪い人ではないけれども、ある意味<いい人>でもないんじゃないのかなあ?
犬を心配する気持ちがあるのなら、もっと真剣に家族を心配してもよかったのにね。

<星守る犬>という意味は<手に入らないものを求める人>のことらしいんですけどね、
お父さんは手に入らないものを自分から求めようとしなかったんじゃないのかな。

やっぱりね、自分から動かなくちゃ何も変わらないんだよね、たぶん。

犬は純粋に愛してくれるかもしれないけれどもね。

しかし・・・
こういう風に醒めた目でしか考えられない私って、どうなんだろう?って思ってしまうのです。
<純粋さ><素直さ>とかいうものに欠けてるのかなあ?

森薫 (乙嫁語り 1巻)

2010-01-07 12:36:21 | 漫画家(ま行)
(Amazonの内容紹介より)
中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。
美貌の娘・アミル(20歳)が嫁いだ相手は、若干12歳の少年・カルルク。遊牧民と定住民、8歳の年の差を越えて、ふたりは結ばれるのか……? 『エマ』で19世紀末の英国を活写した森薫の最新作はシルクロードの生活文化。馬の背に乗り弓を構え、悠久の大地に生きるキャラクターたちの物語!

新年最初に取り上げる漫画はやはり良いものを選びたい・・・と思って考えた結果、
選んだのがこれ。

「エマ」の時もそうだったんけど、この作者の自分の作品に対する愛情の深さが並大抵ではない。
服の模様、じゅうたんの模様、これ以上丁寧に描けないっていうくらい丁寧に描いてるし、
中央アジアのことも実に詳しく調べてる。
しかも・・・それが大好きで描いているというのが読者に伝わってくるのです。

仕事だからと割り切って、丁寧に描いたり資料を読み漁ったりして描いてても取り合えずいい作品にはなるかもしれないけれど、それはそれだけのものでしかないような気がするのです。

自分が愛情を注いで創り上げたものは他者にも感動を与えます。

漫画だけのことではなく、何に対しても、愛情を持って接していればそれはいつかはきっと他者にもわかってもらえるのではないか・・・
この作品を読んでいてそんな風なことを感じたのです。