本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

聖☆おにいさん 2巻 (中村光)

2008-07-30 10:48:21 | 漫画家(な行)
(2008年7月23日発行)

2巻が出ました。
ブッダとイエスの最強コンビがますますパワーアップ!

熱心な信者さんが読むのはちょっと・・・かもしれないけれど、こういう作品が受け入れられるのって日本ならではのことかもしれませんね。

今回ストレートのロン毛バージョンのブッダを見たけど、螺髪よりこっちの方が美形に見えるのに・・・
でも・・・螺髪ではないブッダはブッダに見えない?
イエスもあの髪型じゃないとイエスに見えないし、イメージ商売はつらいですね。髪型ひとつ変える事が出来ない。(笑)


ブッダとイエスが仲良く暮らしてる話が読める日本って平和だよな~~!ってつくづく思います。

夜はきて愛を語り (波津彬子)

2008-07-28 04:49:50 | 漫画家(は行)
『雨柳堂夢咄』で大人気の波津彬子が海外を舞台に、夢と幻想と耽美をちりばめて感動の人間ドラマを描いた傑作作品の数々を収録する、読み応え満点のロマンティックミステリー作品集。
「夢の子供」「錦繍の夜」「夢の残香」「回転木馬」「夜の幻影」「ジェシイ」「夜の瞳」「THE END OF THE WORLD」「波の声」「夜はきて愛を語り」の10編を収録。



作者があとがきで、
「外国が舞台のうっとおしい・・・もとい、ちょっとおセンチな作品を集めてみました。」
・・・と書いているとおり
うっとおしい・・・もといおセンチな作品ばかりが入ってます。(笑)

正直言っておセンチなラブロマンスって、あんまり好みではないんですけどね、
この作者の描くムードたっぷりの雰囲気が好きなんですよね。

たまにはこういうのを読むのもいいもんだなって思います。

怪奇体験談 (坂田靖子)

2008-07-24 05:19:16 | 漫画家(さ行)
(1995年発行)

最近めちゃくちゃ暑いので涼しくなるような本を・・・
・・・と思ったけど、これはちーっとも怖くないですね~。(笑)

絵柄も怖くないし、話も、これのどこが<怪奇>なんだ~!?
・・・っていう感じかな。

でも、面白いです。
ほんのちょっぴり怖いです。(笑)

寄生獣 (岩明均)

2008-07-22 11:00:00 | 漫画家(あ行)
グチャグチャのスプラッターの苦手な人はちょっと敬遠しそうだけど、読んでいるうちにそれ程気にならなくなる・・・のでは・・・?
と思うのですがどうでしょう?私はそれ程気にならないのですが・・・

もしも、右手にミギーがつくか、左手に「吸血鬼ハンターD」の「左手」がつくかどちらかを選べ!と言われたら、どうしょうか?(そんな事言われる訳ないって・・・と、つっこまないように)
非常に悩むと思いません?(だから、誰もそんな事言わないって!)どちらも危険な事に巻き込まれそうだし、困りますよね・・・平穏無事な生活を送れるという条件付きなら・・・それでもやはり選べない!どっちもいやだ!!
・・・でも、一日ぐらいなら、ちょっと面白いかも??

ジョーならどうだ?という質問に関しては即答できます。・・・絶対イヤです!!

この作品はかなり悲惨な状況なんだけど、不思議に(暗闇)というイメージではなく、(薄明かり)というイメージなんですよね。作者のもつ個性なのかな?それとも、画面が白っぽいって事?
「目」と「手」の表現がいいですね。ストーリーが進むにつれて変わっていく新一の髪形とかも、より深く新一の内面を表現しているようでいいですよね。
よく気を付けて読んでいくと、ああこんな所にも作者の思いがつまっているんだ、と気が付いたりして、ちょっと、嬉しく?なったりします。読む度に新しい発見がある漫画って、素晴らしい!!

ストーリーの最後の方でミギーが新一の身体から離れて新一が片腕になりますよね。
あれ結構意外でした。「えっ!?そんな!!」って感じ。
その後またくっついたのもちょっと意外(嬉しかったけどね)。
そして、ミギーがいなくなるのも意外。作者は自分は天邪鬼だと言ってましたが、こういう意外な展開にしてくれる天邪鬼は大いに結構!!たぶん、こうなるんだろうなーと思って読んでてその通りになるのってつまらないものね。

登場人物の中で気に入ってるのは最後の方に出てきた美津代さん。
出番はそんなに多くないけれど、存在感があるし、ほんの少しの台詞で今まで生きてきた人生も垣間見えるし、この人を主人公に作品がかけるかも?っていう感じ。
たぶん、裏設定をきちんとしているんでしょうね。

宇田さんとジョーのコンビもいいですよね。



☆ミギーの台詞で気に入ってるものがいくつかあります。
「わたしは恥ずかしげもなく『地球のために』と言う人間がきらいだ・・・・・・なぜなら地球ははじめから泣きも笑いもしないからな」

七夕の国 (岩明均)

2008-07-22 10:54:09 | 漫画家(あ行)
良質のミステリー小説を読んだような読後感。
最初、時代物?と思ったらやっぱり現代が舞台で、でも、”超能力”とか”丸神の里”とか"一族”とか・・・、何?何??どう進展していくの?
横溝正史の世界?・・・いや、ちょっと違う・・・などと思いながらどんどん話に引き込まれていったのです。


ただ、読み終えてラストの印象が今ひとつ物足りない・・・。
マシンガンを装備した連中がでてきたり、丸神山もえぐりとられたり、結構華々しい舞台の筈なのに、何か"冷静”なんですよね。これはこの作者の個性なのかもしれませんね。
主人公もまた、今ひとつインパクトに欠けるような感じ。
それはそれでいいんだけど、・・・ちょっと淡白すぎるような気もしない訳ではないのだけど、まあ、やっぱり、これはこれでいいのかも。



☆幸子がナン丸に語る「死」のイメージ
上も下も・・・右も左も暗くて何もない・・・手をのばしても叫んでも・・・誰にもとどかない・・・
肉体が死んでも、もしどこかに意識の続きがあるとしたら・・・
「死」ってそういう感じじゃないかって・・・
この世でいちばんさびしいこと・・・ナン丸さんは何だとおもいます?
親、兄弟の死、子供の死、いろんな死との出会いがあって・・・でも、それはみんな「窓の内側」でのことなんですよね・・・
本当にさびしいのはたぶん・・・自分の死・・・自分だけがそこにいなくなる・・・

>>>この「死」のイメージって何となく、そうなら怖いよなー・・・って思うのです。
でも、私の思う「死」のイメージは意識の続きっていうものはないような気がします。
でも、肉体も意識もなくなるっていうのもある意味やっぱり怖い・・・。

ヘウレーカ (岩明均)

2008-07-20 21:38:17 | 漫画家(あ行)
(2002年発行)

↓あらすじはこちらをどうぞ(うわ~!手抜きだ~!)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%82%A6%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%AB

岩明均の描く表情がいい。
あっさりとしたタッチなのに実に表情豊か。
人物の性格さえもそのちょっとした表情で表現している。
ここまで生き生きとした表情が描けるのはやはり何と言っても<目>がいいのだと思う。

簡単に描いてるようなのに、実に奥深い。

例えば、ハンニバルの残忍さをあらわす目。
右目と左目の焦点が合ってない。
たぶんそれが不気味な強さを表してるのだろう。

戦闘シーンの残虐な有様。
こういう表現は岩明均は抜群に上手い!

・・・で、内容だが、
淡々と戦争を描いてるようで実にあっさりと読めてしまうのだが、戦争の虚しさをよく表現しているように思う。

ラスト、マルケルス将軍にローマへ来いと誘われた主人公ダミッポスは言う。
「ふ・・・・・・
あんたらはすげえよ
でももっと・・・・・・
ほかにやる事ァ
ないのか?」

ただ単に古い歴史上の話というだけではない。
これは今、現在にも通じる話なのだ。

福助 (伊藤静)

2008-07-18 08:56:57 | 漫画家(あ行)
(2007年発行)

出版社/著者からの内容紹介
ひとりぼっちになってしまった千晶が祖母の遺品の中から見つけ
た小さな木箱。「福助」と表書きされた、その木箱を開けると中には小さな男
の子! 千晶に"福"をあげるたびに少しだけ歳をとる福助との、奇妙で温かい
日々。しかし幸せな生活は、福助の「ちから」が災いして......。

著者について
『49days』で第45回ちばてつや賞大賞を受賞した伊藤静の
デビュー作。連載開始とともに圧倒的支持を受けた異色作。

じんわりと心が温かくなる・・・そんな話。

自分の幸せの為に人を踏みつけにする者がいる。
彼らは彼らなりに必死で生きているのだ。
でも、それはしてはいけないこと。

主人公の千晶は思いやりを持っている素直な子。

ラスト、年老いた千晶が福助の気配を感じていうセリフ
「・・・私ね
あれからいろんなことがあったの・・・・・・
あの時ひとりぼっちだったけど家族も沢山できたんだよ
ありがとう
私の一生は幸せだった」

年老いてこういうセリフを言えるような人生でありたいと思う。
<幸せ>って何だろうね?
お金や物ではないことは確かだろう。
もっとも、ちょっぴりのお金や物は生きて行く上で必要だけどね。
信じる、愛する、満足する、感謝する、・・・
幸せって遠くにあるんじゃなくて、身近なところにあるんじゃないのかな?
それに気が付くかどうかってことかもしれない。

聖☆おにいさん (中村光)

2008-07-10 22:20:23 | 漫画家(な行)
(2008年1月23日発行)

いや~~~~!面白い!
と~~っても面白い!!

仏教の祖「ブッダ」とキリスト教の祖「イエス」が
世紀末も無事乗り越え、何故か日本のとあるアパートをシェアして下界で休暇中という設定。

普通にイメージするブッダとイエスとはかけ離れている・・・と思うんだけど、
それが何故か実にブッダとイエスらしさが漂ってるのです。

しかし・・・信者が読んだら腹を立てるかなあ?
そんなに真に受けずに軽く読んでくれるかなあ?

浅草で新撰組の衣装を買って喜ぶイエス。
手塚治虫の「ブッダ」全巻を衝動買いするブッダ。
実にいいですね~!

もうそろそろ2巻が発売されるらしい。
楽しみです。

親バカの品格 (魔夜峰央)

2008-07-09 11:34:39 | 漫画家(ま行)
(2008年6月3日発行)

エッセイ漫画っていうのかな?
パタリロも出て来るんだけどね、とにかく家族のことを褒めて褒めて褒めちぎる。
奥さんのことは
「永遠の美女であり最愛の妻」
娘は
「魔夜家待望の第一子として両親の深い愛を受けて美しく成長」
息子は
「りっぱなイケメン君」

・・・とまあ、ここまで家族の事を手放しで褒め称える日本人は少ないのではないかと思う。

普通、家族のことを褒めると自慢話に聞こえてイマイチ不愉快だと思われそうだけど、
魔夜峰央の家族自慢は全く不愉快さを感じさせない。
それは何故だろう?

たぶんね、人と比べてうちの家族はスゴイんだ、とか言ってないのがいいのだと思うのよね。
ただひたすら、純粋に褒めている。

一般的に嫌味な自慢っていうのは、人と比べて有名な学校に行っているとかお金をたくさん持っているとか先祖が立派だとか、そういうのが多いような気がするのです。
だから何だか不愉快になるのです。

人が何と言おうとうちの奥さんは美人だ!娘も美人だ!息子はイケメンだ!
ときっぱりと明るく言い切る魔夜峰央はいい。

世の中こういう感じに自分の家族を褒める人間が増えたら楽しいかもしれない。

・・・
しかし・・・これは漫画だから嫌味に聞こえないけど、
実際目の前で家族自慢されると・・・面白くない・・・かな?
ど~だろ~~???
その人の性格によるのかな~~???

少女漫画 (松田奈緒子)

2008-07-08 19:39:54 | 漫画家(ま行)
(2008年2月24日発行)
しょうじょ
「少女漫画」というタイトルの少女漫画。
表紙イラストはまさしく少女漫画をイメージする「目」!
まつ毛バチバチで星もあり、しかも涙まで流している。

この作者が作品中で描いている目ではない。
少女漫画を具現化するとこうなるっていう事なんでしょうね。
40年ぐらい前・・・例えば『アタックNo.1』などはスゴイ目だったと思う。
その後、普通のあっさりした目の少女漫画も多くなったけど、それでも少女漫画の目は大きいっていうイメージなんでしょうね。

「目は口ほどにものを言い」なんて言葉があるくらい表現するのにピッタリなアイテム?ですからね。
まあ、ただ大きくて星があってまつ毛バチバチだけではいけませんけどね。
大きかろうが小さかろうがその「目」が生きてなければキャラとして魅力はありません。

これが掲載されていた「コーラス」という雑誌は、
<大人の女性向け少女漫画誌>(レディースコミック誌ではない。)
キャッチコピーは「少女まんがもオトナになる」

「ベルサイユのばら」「ガラスの仮面」「パタリロ!」「あさきゆめみし」「おしゃべり階段」
という、まさしく「コーラス」の読者ならたいてい読んだ事のあるだろうと思われる漫画をモチーフに描き、最後に「少女漫画家たち」でみごとに全てをまとめあげている。

かつて少女漫画を読み、今も読み続けている<元少女>たちが読むと非常に面白いと感じると思う。
いや、全くモチーフとなった漫画を知らなくても、それなりに楽しめるとは思うが。

この中で、
<子供の頃からの中毒で大人になってもやめられず
ついにマンガ評のブログまでやってます>
というキャラが出て来るのだけど・・・うわっ!私と同じ!?(笑)
いや・・・私はあくまでも感想で<評>ではないですから・・・。(汗)

<女は好き嫌いを批評と思ってるからなー>っていうセリフがあるけど・・・
言い訳に聞こえるかもしれないけど、私のは決して批評ではありませんから~!

・・・って、いつものことだけど私の文章って、
感想以前に話が逸れて脱線ばっかりしてるもんな~!(爆)

ヒゲのOL薮内笹子 (しりあがり寿)

2008-07-01 17:18:36 | 漫画家(さ行)
感想を尋ねられて、う~~~ん・・・と考え込んでしまう作品がある。
これもそういう作品。

ただ単純に面白いよ・・・って言うにはちょっと抵抗がある。

本屋でこの本を最初に見たとき、
ヒゲのOLって、毛深い女性?それともオカマさん?
・・・ってちょっと悩んでしまった。

読んでみると、ヒゲのOLとは真実の愛が見つかるまでヒゲをのばし続けている女性なのだが、
ギャグ漫画と言うには何故か切なさが漂う。
<ヒゲ>とは一体何を表しているのか?

見た目で判断せずに中身で判断して欲しいっていうことなのだろうか?

要するに現代版「鉢かづき姫」だということなのかもしれない。