本の迷宮

漫画感想ブログです。「漫画ゆめばなし」(YAHOO!ブログ)の中の本の感想部分だけを一部ピックアップしています。

手塚治虫 (ブッダ)

2008-08-30 07:45:13 | 漫画家(た行)
「聖☆おにいさん」(中村光)を読んでいてまた「ブッダ」を読み返したくなりました。(笑)

↓作品の詳しい内容についてはこちらを見て下さいませ。
http://ja-f.tezuka.co.jp/manga/sakuhin/m086/m086_01.html

一言で言えばブッダの生涯を描いた作品。
でも、ブッダの周囲にいる人々のほとんどが手塚治虫の創作であるし、エピソードも創作部分が多いので手塚流に解釈した「ブッダの教え」だと言える。

史実に忠実に描くよりも、手塚治虫独自の解釈で描く方がおそらく生き生きとしたブッダやお弟子さんたちを表現出来るのではないだろうか?
仏陀の研究者や信者から見るとこれは本当の仏陀の姿ではない、と言われるかもしれないけれど、
一般の人たちにとっては、こういう形の方が受け入れやすいと思える。

ブッダの言葉より
「いつもわたしは言っているね
この世のあらゆる生きものはみんな
深いきずなでむすばれているのだと…
人間だけではなく 犬も 馬も 牛も
トラも 魚も そして虫も
それから草も木も……
いのちのみなもとはつながっているのだ
みんな兄妹で平等だ
おぼえておきなさい」

なんだか「火の鳥」のテーマとも繋がってくるような言葉だなって思います。

要するに手塚作品の中にはどれにも作者の深い想いが描かれてるってことなんでしょうね。

坂田靖子 (伊平次とわらわ)

2008-08-27 09:52:18 | 漫画家(さ行)
(1996年発行)

主人公の伊平次は墓場のはずれに住んでいる墓守。

幽霊だとか化け物だとかが見える。

しかし・・・そういったものが伊平次に声をかけてくるおかげで伊平次は普通の人間たちから敬遠されてしまったりする。

オレにあんなもんが見えるのは
オレのせいじゃないぞ!
生まれてからずっと
こんな仕事をしてるせいだ

伊平次は実は侍の身分らしい。
じいさんの形見の小柄で怨霊を祓ったりしている。
じいさんは墓守をしていた。
母親は伊平次を産んですぐに亡くなった。
そういうわけで長い間ひとりぐらしだったが、
何故か中納言の姫がとりついた犬の<わらわ>と同居するはめに・・・。

伊平次は坂田靖子の漫画によく登場する<暇な独身男性>という雰囲気ではある。
のんきにマイペースで日々を送っているという感じ。
・・・しかし、よく考えると伊平次は貧乏で、ろくな食事も出来ない。
墓守してて、しかも化け物もよってくるせいかつきあってくれる人が少ない。
何だかかなりシビアな境遇。

こういう主人公にはたいてい変わり者の友人がいるのだが、この作品では曲り辻の屋敷に住むお公家さまがそうだろう。
暇を持て余して自分の屋敷に化け物を呼んでみたりする。

いつもの坂田ワールドだと思いつつ、この作品は何だか単に読み流すことが出来ない何かがある。

伊平次のセリフに時々、ドキッとするものがあるせいかもしれない。

「死にかけた奴はもっと生きていたがる
死んだ奴もこの世に未練のある奴がいる
人間がそれほどはかなくてつまらんのなら
死ぬのを誰もイヤがらん」

「オレは人間は人間でいた方がいいと思う
人間に戻りたい亡者を山ほど見てるんだ」

樹なつみ (暁の息子)

2008-08-24 23:36:57 | 漫画家(あ行)
出版社/著者からの内容紹介
漫画エンターテインメント第一人者・樹なつみの最新作は、アジアの「黄金三角地帯」に消えた少年を捜す家族ドラマ。政治的画策、アクション、そして葛藤──すべてが紡ぎ合う極上のストーリーがこれだ!!


主人公の柊成がカッコイイ。
目も生きてるし、髪の毛の描き方も素敵。

ただ・・・もう少し私が若かった頃に読んでいればなぁ~!・・・っていう感じ。
どうもこの歳になって読むと、現実の世界を舞台にしてるといまひとつ物足りないような感じがしてしまうのです。
私としては完璧に架空の国を舞台にしてる方がもっと感情移入出来易いような気がするのです。

でもまあ、そう思うのは私の個人的な感想ですので、架空の国じゃない方がリアル感が増していいと思う方もいらっしゃるでしょう。

何れにせよ、すっきりと一巻でまとめてるから読みやすいし、続きを描こうと思えば描けるような展開だしね、続きがあれば読んでみたいです。

中山星香 (空の迷宮)

2008-08-22 09:26:51 | 漫画家(な行)
(プリンセス 1984年7月号~1985年4月号掲載)

ファンタジー作品を描く漫画家で忘れてはならないのがこの人。
愛と夢と冒険のファンタジー世界を独自の世界観で展開している。

魔法使い、王、王女、騎士、竜・・・等など・・・
現実世界に疲れ果てた時・・・フト読んでみて暫し夢の世界を漂うのもいいかもしれない。

宮本福助 (拝み屋横丁顛末記 10巻)

2008-08-19 22:03:41 | 漫画家(ま行)
元気でちょっとドジではた迷惑な三人の爺さんたちは今回も大活躍しています。

理想の老後ですよね~。
いや、周りの人たちは迷惑?(笑)

この横丁に住んでいる人たちの殆どは幽霊が見えるんですけどね、私もそういう霊感があればいいのになあ・・・って思う今日この頃。

怖い幽霊はちょっと困るけど、明るい幽霊だったらお話出来ると楽しいのではないかと思うんですよね。
でも、残念ながらそういう能力はないんです。
ま、そういう能力はない方がいいのかもしれませんが…。

吉田秋生 (イヴの眠り)

2008-08-17 23:56:18 | 漫画家(や・ら・わ行)
「YASHA-夜叉-」の続編。

有末静が、あ~んな姿になっちゃうなんて~!!!
普通、少女漫画だったらあんな姿にはしない方が多いと思うんだけどね。
そこが吉田秋生たる所以かもしれない。

・・・で、そういう姿を見て連想したのが
「ジョニーは戦場に行った」
http://www.sancya.com/book/book/syohyo_17.htm

ただ、ジョニーの場合は絶望するのだけど静の場合は絶望よりも、あれこれ指図しているから、どちらかと言うと、
「キャプテンフューチャー」のサイモン・ライトに近いかな?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%97%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%BC

身体はない(或いはあってもほとんど動かない)けれど、考えることが出来るっていうのはよく考えると<魂>という感覚に近いのかな?

霊魂の存在って本当にあるのかどうかはわからないけれど、あるとすればこういう状態なのかな?
霊魂はたぶん地縛霊でなければ移動も可能だと思うからもっと自由なものなのかもしれない。
ただ・・・たいていの場合生きている人間と交信出来ないというのが辛いところか?

日本ではお盆になるとご先祖の霊が帰って来ると言われてますね。
本当に霊魂というものがあるのなら、もうそろそろこちらに帰ってるかもしれませんね。

山科けいすけ (パパはなんだかわからない)

2008-08-14 22:23:00 | 漫画家(や・ら・わ行)
このタイトルを聞いて、
これは「パパは何でも知っている」のパロディかな?
・・・って思った人は○○歳以上?

「パパは何でも知っている」というのはアメリカのTVドラマです。
詳しくはhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%91%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%A7%E3%82%82%E7%9F%A5%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B

これはそのTVドラマとは全く関係ないお話です。

会社では出来の悪い部下と無能な上司にはさまれて、
家に帰ると優しくて美人の奥様が待っていればいいのだけど・・・残念ながら正反対の妻とぶさいくな犬が待っている。
ま、そうでなければギャグにならない?

男の悲哀?
全国の男性諸君!
頑張ってくださ~い!!

・・・というような感じの本?

清水玲子 (竜の眠る星)

2008-08-10 22:02:52 | 漫画家(さ行)
(昭和61年ララ9月号~昭和63年ララ3月号掲載)

ヒューマノイドのジャックとエレナを主人公としたSF。
ジャックもエレナも永遠に生きるという設定なので、ある意味吸血鬼ものと同じテーマともいえるかもしれない。

<永遠の生>って何だろう?
それは人類の夢?
それとも、苦しみ?


ラスト、ジャックの言葉
「もともと人間は100年以上生きられないんだ
もしたとえそれ以上生きられたとしても
もう何も得るものはない
人間はもうその重みに耐えられなくなる
過去の重みをひきずって
もう前へ歩けなくなる
人と別れることに
人を愛することに
人を裏切ることに
・・・・・・・・・
100年も生きるともうすっかり疲れ果ててしまう」



若いときにはこの言葉は、そういうものかな~?
程度にしか感じられないかもしれないけれど、
今、○○歳になっている私には随分と胸に突き刺さってくる言葉です。

幸い、人間には<忘れる>という機能があります。
どんどんどんどん辛い事は何もかも忘れて
ほんの少しの楽しい事を胸に生きていければ幸せなのかもしれない。

・・・そんなことをフト思ったのです。。。

つのだじろう (恐怖新聞)

2008-08-06 23:05:16 | 漫画家(た行)
この新聞、一日読むごとに百日ずつ寿命が縮まるというもの。
百日というと一瞬短そうに思えるけど、四日読むとそれだけで一年以上寿命が縮まるんですよね。

そんなの読まなければいいのに・・・と思うのだけど残念ながら無理矢理読まされてしまうんです。

「憑依霊(ポルターガイスト)」に取り憑かれているという設定なんですけどね、こういうものに取り憑かれると・・・除霊出来ない限り死んでしまいます。

百日・・・という長さがミソですね。
一日読めば一年寿命が縮まるというとあっという間に寿命が尽きそうだけど、
百日だと微妙にこの程度ならっていう気になってくる・・・?

でも・・・百日あると、家の片付け、後に残った人へ残す言葉、残す物、心の整理などなどいろんな事が出来ますよね。
百日ってとっても貴重な時間です。
・・・などとこの作品には直接関係ない事ばかりを考え込んでしまう私・・・
ま、いつものことですけどね。(笑)

もし、目の前に恐怖新聞があって、読んでも読まなくてもいいけれど
読めば百日寿命が縮まるけれど、自分の知りたい未来のことが書いている・・・とすれば、
読んでしまうかな~?
読まずにガマン出来るかな~~??

うしろの百太郎 平成版 (つのだじろう)

2008-08-01 09:49:59 | 漫画家(た行)
<フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』のあらすじより>
心霊科学を研究する父・後健太郎の下で、主人公・後一太郎はさまざまな超常現象を体験していく。時には生命の危険に晒されることもあるが、一太郎の主護霊である「百太郎」によって難を逃れている。また他にも人間の顔を持ち、テレパシーで会話も出来る、霊犬ゼロなどの協力によって様々な超常現象を解明していく。


守護霊って本当にいるのかどうか私にはわかりません。
でも、自分を守ってくれる存在がいるっていうのは何となく安心出来るような気もします。
ただ・・・悪徳霊能者とでもいうような者につけこまれて騙されるというのは困ります。

漫画として読む場合は守護霊がいるかどうかなんて事を考えずに普通に楽しめばいいと思ってます。


少しは夏の暑さ解消になる・・・かな?