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石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

前年の悪夢から脱した五大国際石油企業:2021年度業績速報シリーズ(5)

2022-02-21 | 海外・国内石油企業の業績

I. 5社の2021年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

以下の各表参照。

表A:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20A.pdf (利益、売上、設備投資)

表B:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20B.pdf (キャッシュフロー)

表C:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20C.pdf (石油・ガス生産量)

 

(売り上げは五社で最小だが利益率は最高の二桁 !)

5.Chevron[1]

*同社ホームページ:

https://www.chevron.com/stories/chevron-announces-fourth-quarter-2020-results

 

(1)売上高

 Chevronの2021年10-12月の売上高は459億ドルであり、また通年売上高は1,556億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ8%及び65%の増収である。

 

(2)利益

 10-12月期は51億ドル、通年も156億ドルの利益であった。前年同期はいずれも赤字であったが、2021年は他社同様黒字に転換している。

 

(3)売上高利益率

 通年ベースの売上高利益率は、10%であり、5社の中では唯一二桁の利益率であった。

 

(4)設備・探鉱投資

 2021年の年間の設備・探鉱投資額は117億ドルであり、これは2020年比で▲13%減である。

 

(5)キャッシュフロー

Chevronの2021年の年間営業キャッシュフローは292億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲59億ドル、▲231億ドルであった。(なお年末のキャッシュフロー残高は開示されていない。)

 

(6)石油・ガス生産量

 昨年のChevronの石油生産量は日量平均1,814千B/Dであり、前年比3%減であった。天然ガスは日量平均7,709mmcfdで前年比5.7%増である。

 石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で3,099千B/Dとなり、2020年比微増である。

 

 (続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行

 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

[1] Chevronの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Sales and other operating revenues

利益:Net income

設備投資:

営業キャッシュフロー:Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

投資キャッシュフロー:Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

財務キャッシュフロー:Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

年末キャッシュフロー残高:(n.a.)

 

 

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前年の悪夢から脱した五大国際石油企業:2021年度業績速報シリーズ(4)

2022-02-19 | 海外・国内石油企業の業績

I. 5社の2021年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

以下の各表参照。

表A:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20A.pdf (利益、売上、設備投資)

表B:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20B.pdf (キャッシュフロー)

表C:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20C.pdf (石油・ガス生産量)

 

(五社の中で平均的で堅実な決算のTotalEnergies!)

4.TotalEnergies[1]

*同社ホームページ:

https://www.total.com/media/news/press-releases/Results-2020-and-TotalEnergies

(注)Total社は2021年6月、社名をTotalEnergiesに変更している。

(1)売上高

 TotalEnergiesの2021年10-12月期売上高は603億ドルであり、また通年売上高は2,059億ドルであった。前年同期比では10-12月期は10%、通年ベースでは46%の増収である。

 

(2)利益

 10-12月期は58億ドルであった。通年では160億ドルの利益であり、前年2020年の損失(▲72億ドル)からプラスに転じた。

 

(3)売上高利益率

 通年ベースの売上高利益率は7.8%であり、前年の▲5.1%から大きく改善している。

 

(4)設備・探鉱投資

 2021年の年間の設備・探鉱投資額は133億ドルであり、2020年と比べ横ばい状況である。

 

(5)キャッシュフロー

TotalEnergiesの2021年の年間営業キャッシュフローは304億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲137億ドル、▲255億ドルであった。この結果同社の2021年末のキャッシュフロー残高は213億ドルとなっている。

 

(6)石油・ガス生産量

 昨年のTotalEnergiesの石油生産量は日量平均1,500千B/Dであり、前年(2020年)比▲3%減であった。天然ガスも前年比0.6%減の日量平均7,203mmcfdである。

 石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で2,819千B/Dとなり、2020年比▲2%減である。

 

 (続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行0

 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

[1] Totalの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Sales

利益:Netincome (TotalEnergies share)

設備投資:12. Net investments

営業キャッシュフロー:Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements

投資キャッシュフロー:Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement

財務キャッシュフロー:Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement

年末キャッシュフロー残高:Cash and cash equivalent at end of period, TotalEnergies financial statement

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今週の各社プレスリリースから(2/13-2/19)

2022-02-19 | 今週のエネルギー関連新聞発表

2/14 ENEOS

ジャパン・リニューアブル・エナジー株式会社の共同出資に関する覚書締結のお知らせ

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20220214_01_01_2008355.pdf

 

2/15 INPEX

2022 年度 役員人事に関するお知らせ

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20220215_d.pdf

 

2/16 INPEX

組織改編および関連人事について

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20220216_a.pdf

 

2/16 INPEX

I-RHEX(アイレックス)の発足について(お知らせ)

https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20220216_c.pdf

 

2/16 OPEC

IEA, IEF and OPEC Hold 12th Symposium On Energy Outlooks

https://www.opec.org/opec_web/en/press_room/6820.htm

 

2/17 石油連盟

杉森 石油連盟会長定例記者会見 発言要旨・配布資料

http://www.paj.gr.jp/from_chairman/data/2022/index.html#id1959

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石油と中東のニュース(2月18日)

2022-02-18 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・Brent $92.88, WTI $91.72。イラン協議進展、ウクライナ危機緩和で価格2%下落

・韓国、輸入再開でイラン担当者と協議開始、購入代金70億ドルの凍結解除も

(中東関連ニュース)

・イラン最高指導者:独立維持のため核開発促進を。米:核協議は最終段階

・イラン、ホルムズ海峡の大Tunb島に滑走路新設。UAEとの領有問題に新たな火種

・クウェイト:内相、防衛相の王族閣僚2名が辞表提出。 *

*参考「クウェイト閣僚名簿

・ペロシ米下院議長がパレスチナ大統領と会談

・イエメン:有志連合軍がサナアのフーシ派ドローン発射基地空爆。 *

*参考レポート「中東に広まるドローン(UCAV)の開発と軍事利用」 & 「イエメン・フーシ派の攻撃で泥沼に陥った UAE

・萩生田経産相-UAE工業相電話会談、先端技術協力で合意

・バハレーン、全入国者のコロナ証明、PCR検査を免除

・サウジ:高速列車女性運転手30名募集に28,000人が応募

 

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前年の悪夢から脱した五大国際石油企業:2021年度業績速報シリーズ(3)

2022-02-17 | 今日のニュース

I. 5社の2021年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

以下の各表参照。

表A:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20A.pdf (利益、売上、設備投資)

表B:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20B.pdf (キャッシュフロー)

表C:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20C.pdf (石油・ガス生産量)

 

(5社の中で利益が最も少ないbp!)

3.BP[1]

*同社ホームページ:

https://www.bp.com/en/global/corporate/news-and-insights/press-releases/fourth-quarter-2021-results.html

 

(1)売上高

 BPの2021年10-12月の売上高は522億ドルであり、また通年売上高は1,642億ドルであった。前年同期比では10-12月期は38%、通年ベースでは51%の増収である。

 

(2)利益

 10-12月期の利益は23億ドルで前年同期の1.7倍であり、通年ベースで見ると前期の203億ドルの赤字に対し今期は76億ドルの利益である。損益は改善したが、利益額は比較した5社の中で最も少ない。

 

(3)売上高利益率

 通年ベースの売上高利益率は前年の▲19%に対して2020年は4.6%である。

 

(4)設備・探鉱投資

 2020年の設備・探鉱投資額は128億ドルであり、2020年に比べ9%減少している。

 

(5)キャッシュフロー

BPの2021年の年間営業キャッシュフローは236億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲57億ドル、▲181億ドルであった。この結果同社の2021年末キャッシュフロー残高は307億ドルとなっている。

 

(6)石油・ガス生産量

 昨年のBPの石油生産量は日量平均978千B/Dであり、5社の中で唯一100万B/Dを下回っている。また天然ガスは日量平均1,903mmcfdで前年より16%減少している。

 石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で1,307千B/Dとなり、2020年比では14%減である。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行

 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

[1] bpの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Total revenue and other income

利益:Profit (loss) for the period; Attributable to BP shareholders

設備投資:

営業キャッシュフロー:Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement

投資キャッシュフロー:Net cash used in investing activities

財務キャッシュフロー:Net cash provided by (used in) financing activities

年末キャッシュフロー残高:Cash and cash equivalent at the end of the period

 

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石油と中東のニュース(2月16日)

2022-02-16 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・ロシア撤退報道で原油価格最高値から下落。Brent $92.49, WTI $91.18

・ロシア・ヤマルーヨーロッパ間パイプライン、ガス輸出は安定

(中東関連ニュース)

・イスラエル首相、バハレーン訪問、国王と会談。米第五艦隊基地も訪問

・トルコ大統領、UAE訪問。関係改善に踏み出す。 *

*レポート「目覚ましいUAEの外交活動」参照。

・ロシア国防相、シリア大統領と会談

・イエメン沖放棄タンカーの原油積替えで合意。海洋汚染の恐れ無くなる

・エジプト、貿易決済に新ルールLCのみ、CAD認めず。企業は困惑

・エジプト失業率7.4%に改善。失業者数220万人

・サウジ国営ファンドPIFの米国株式560億ドル、大半は電気自動車メーカーLucid株

・韓国斗山重工、サウジで8.3億ドル投じ鋳鋼合弁プラント建設

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前年の悪夢から脱した五大国際石油企業:2021年度業績速報シリーズ(2)

2022-02-15 | 海外・国内石油企業の業績

I. 5社の2021年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要(続き)

以下の各表参照。

表A:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20A.pdf (利益、売上、設備投資)

表B:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20B.pdf (キャッシュフロー)

表C:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20C.pdf (石油・ガス生産量)

 

(昨年末のキャッシュフロー残高370億ドル!)

2.Shell[1]

*同社ホームページ:

https://www.shell.com/investors/results-and-reporting/quarterly-results/2021/q4-2021.html

(注)Shellは従来Royal Dutch Shellの名称で英国及びオランダの二本社制とし、両国の株式市場に上場されていたが、今年から本社及び株式市場をロンドンに一本化して、社名もShellに変更している。

レポート:「『女王陛下の Shell(貝)』になったロイヤル・ダッチ・シェル石油」参照。

 

(1)売上高

 Shellの2021年10-12月の売上高は853億ドル、通年売上高は2,615億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ42%及び45%の増収である。

 

(2)利益

 10-12月期及び通年の損益はそれぞれ115億ドル及び201億ドルであった。前年は10-12月期が▲40億ドル、通年では▲217億ドルの赤字であり、今期は大きく黒字に転換している。

 

(3)売上高利益率

 通年ベースの売上高利益率は7.7%であり前年の二桁赤字(▲12%)から脱却した。

 

(4)設備・探鉱投資

 2021年の年間の設備・探鉱投資額は190億ドルであり前年の166億ドルを15%上回っている。

 

(5)キャッシュフロー

Shellの2021年の年間営業キャッシュフローは451億ドルであった。これに対して投資キャッシュフロー及び財務キャッシュフローはそれぞれ▲48億ドル、▲347億ドルであった。この結果同社の2021年12月末のキャッシュフロー残高は370億ドルとなっている。

 

(6)石油・ガス生産量

 昨年のShellの石油生産量は1,522千B/Dであり、前年(2020年)より4.8%減少している。天然ガスは日量平均4,164mmcfdであり前年を13%下回っている。石油と天然ガスの合計生産量は石油換算で2,240千B/Dとなり、前年比8%減となっている。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行

 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

[1] Shellの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Total revenue and other income

利益:Incom/loss attributabel to shareholders

設備投資:Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow

営業キャッシュフロー:Cash flow from operating activities

投資キャッシュフロー:Cash flow from investing activities

財務キャッシュフロー:Cash flow from financing activities

年末キャッシュフロー残高:Cash and cash equivalent at end of period

 

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前年の悪夢から脱した五大国際石油企業:2021年度業績速報シリーズ(1)

2022-02-14 | 海外・国内石油企業の業績

 国際石油企業(International Oil Companies, IOCs)の2021年第4四半期(10-12月)及び年間(1-12月)の決算が発表された。本稿ではExxonMobil(米)、Shell(英)[1], BP(英), Total(仏)及びChevron(米)の5社を取り上げ、各社の売上高、利益、設備投資額、キャッシュフロー及び石油・ガス生産量を概観し、さらに5社の業績比較を行う。

 

I. 5社の2021年第4四半期(10-12月)及び通年(1-12月)業績概要

以下の各表参照。

表A:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20A.pdf (利益、売上、設備投資)

表B:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20B.pdf (キャッシュフロー)

表C:http://menadabase.maeda1.jp/1-D-4-20C.pdf (石油・ガス生産量)

 

(220億ドルの赤字から230億ドルの黒字に転換!)

1. ExxonMobil[2]

*同社ホームページ:

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2022/0201_ExxonMobil-earns-23-billion-in-2021_initiates-10-billion-share-repurchase-program

(1)売上高

 ExxonMobilの2021年10-12月の売上高は850億ドルであり、また通年売上高は2,856億ドルであった。前年同期比ではそれぞれ15%及び57%の増加である。2020年は新型コロナウィルス(COVID-19)禍により世界経済が大きく減速、原油及び天然ガスの需要と価格が同時に大幅に下落した。これに対して2021年はOPEC+の協調減産により原油価格が大きく上昇し、また世界経済に復活の兆しが見られ石油需要が回復したためである。原油価格について検証すると、代表的な指標油種である北海Brent原油の2021年の平均価格は54.73ドル/バレルであり、これに対して2020年のそれは41.67ドルであり24%アップしている。

 

(2)利益

 10-12月期及び通年の損益は89億ドル及び230億ドルであった。前年損益がそれぞれ▲201億ドル、▲224億ドルの大幅な損失であったことと比較すると、1年間で劇的に好転している。

 

(3)売上高利益率

 通年ベースの売上高利益率は8.1%であり、前年の▲12.4%から大幅に改善している。10-12月期の利益率は2020年が▲27.2%、2021年は10.4%であり、両年の格差は通年を上回っている。

 

(4)設備・探鉱投資

 2021年の年間の設備・探鉱投資額は166億ドルであり、2020年の214億ドルに比べ22%減少している。

 

(5)キャッシュフロー

 ExxonMobilの10-12月期の営業キャッシュフローは171億ドルで前年同期の40億ドルの4倍強に達している。また年間の営業キャッシュフローは2021年が481億ドルであり、前年の147億ドルにくらべて3倍強に膨らんでいる。

 なおExxonMobilの決算資料では営業キャッシュフローのみが示されており、投資及び財務キャッシュフロー並びに年末残高は示されていない。

 

(6)石油・ガス生産量

 昨年のExxonMobilの石油生産量は日量平均2,289千バレル(以下B/D)であり、前年(2020年)の2,349千B/Dに比べ3%減少している。天然ガスは日量平均8,537百万立法フィート(以下mmcfd)であり前年と横ばいである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行

 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

        Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

        E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

[1] Royal Dutch Shell社は今年1月21日、社名をShellに変更した。

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2022/royal-dutch-shell-plc-changes-its-name-to-shell-plc.html

レポート:「『女王陛下の Shell(貝)』になったロイヤル・ダッチ・シェル石油」参照。

[2] ExxonMobilの売上、利益、設備投資及びキャッシュフローは決算資料の下記項目による。

売上:Total revenues and other income

利益:Net income attributable to ExxonMobil (U.S. GAAP)

設備投資:Capital and Exploration Expenditures

営業キャッシュフロー:Cash Flow from Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)

 

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SF小説:「新・ナクバの東」(5)

2022-02-14 | その他

(英語版)

(アラビア語版)

Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」

. 三羽の小鳥()

 

「マフィア」はロシア正教を信じるウクライナ地方の貧しい農民の息子である。彼が生まれた当時はまだソ連邦の時代であり、社会主義国家のソ連はキリスト教、イスラム教、ユダヤ教を問わず宗教を敵視し教会を否定した。モスクワ中央政府は集団農場制度により農民はロシア時代の農奴制から解放され、コルホーズは労働者の天国になる、と宣伝した。しかし農民の暮らしは楽になるどころかノルマに追われる生活が続いた。支配者がかつての地主から中央政府の高級官僚に替わっただけだった。それでも農民たちはいつか救われると信じて自宅や集会所でひっそりとキリストのイコンに祈りを捧げていたのである。

 

1985年にソ連でペレストロイカが起こると、帰還法に触発されてソ連から100万人とも言われる大量の移民がイスラエルに流れ込んだ。イスラエルの「帰還法とは祖父母のうち少なくとも一人がユダヤ人ならば誰でも移住できるというものである。母親の実家の祖母がユダヤ人であったことを思い出した「マフィア」一家は当時5歳の息子を連れて新天地を目指した。仲間の中には役人を買収して祖父母がユダヤ人であったと言う偽の証明書を手に入れイスラエルに移住した者も少なからずいた。

 

ロシアからの移住者と言えば医者か農民のどちらかと言われ、おかげでイスラエルの一人当たりの医者の数は世界一となったほどであるが、医者達は病院の勤務医か開業医となってユダヤ人やアラブ人の中に溶け込んでいった。しかし所詮農地を耕すしかない者達は政府の与えた入植地で肩を寄せ合って暮らす他なく、「マフィア」一家が移住した開拓地は同じ境遇のロシア人ばかりであった。彼らのコミュニティではロシア語が使われ、そしてキリストに祈りを捧げた。政府はヘブライ語を半ば強制的に奨励したが、「マフィア」の父親たちの世代は新しい言語を覚えるには遅すぎたのである。

 

イスラエル社会ではヘブライ語を話せないロシア移民たちは冷遇され、二級市民の扱いであった。建前では移住者の出身地、宗教、学歴で差別されないことになっているが、それはあくまで建前である。幼い時は皮膚の色や親の職業など意識することなく小学校で仲良く遊んでいた「マフィア」も大きくなるに従い嫌でも差別を意識するようになった。そのハンディを乗り越えるために「マフィア」は学校では人一倍ヘブライ語を勉強し、優秀な成績を修めた。そして差別が少ない軍隊に入ったと言う訳である。

 

(続く)

 

荒葉一也

 

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石油と中東のニュース(2月14日)

2022-02-14 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

(中東関連ニュース)

・サウジ:アラムコ株4%を国有ファンドPIFに移管

 

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