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石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

今週の各社プレスリリースから(11/14-11/20)

2021-11-20 | 今週のエネルギー関連新聞発表

11/15 Shell

Notice of General Meeting – Shell seeks Shareholder approval to change articles to implement a simplified structure

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/november-press-release.html

 

11/17 石油連盟

石油増税反対 総決起大会について

https://www.paj.gr.jp/paj_info/press/2021/11/17-001953.html

 

11/17 Chevron

Pavilion Energy, QatarEnergy And Chevron Launch GHG Reporting Methodology For Delivered LNG Cargoes

https://www.chevron.com/stories/pavilion-energy-qatarenergy-and-chevron-launch-ghg-reporting-methodology-for-delivered-lng-cargoes

 

11/18 経済産業省

東京電力福島第一原子力発電所のALPS処理水の現状に関する在京外交団向けの説明会を開催しました

https://www.meti.go.jp/press/2021/11/20211118004/20211118004.html

 

11/18 ENEOS

カーボンニュートラルLNGの販売開始について  

https://www.eneos.co.jp/newsrelease/upload_pdf/20211118_02_01_2008355.pdf

 

11/18 TotalEnergies

Our strategy to accelerate growth in electric mobility

https://totalenergies.com/news/strategy-move-electric-mobility-forward

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黒字の米系+仏系3社、赤字の英蘭系2社:2021年7-9月期五大国際石油企業決算速報 (7)

2021-11-19 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0548OilMajor2021-3rdQtr.pdf

 

5.キャッシュフロー (続き)

(2)2019年10―12月期以降今期までのキャッシュフローの推移

(100億ドルを超えたShellとExxonMobilの営業C/F!)

(2-1)営業C/F

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-72.pdf参照)

 2019年10―12月期の5社の営業C/FはShellが103億ドルで最も多く、次いでbpが76億ドル、TotalEnergies及びExxonMobilがそれぞれ66億ドル及び64億ドルであり、Chevronは最も少ない56億ドルであった。2020年に入ると各社の営業C/Fは激減し、同年1-3月期にbp及びTotalEnergiesは10億ドル強、続く4-6月期にはChevron, ExxonMobilがほぼゼロ、Shellが26億ドルと5社全ての営業C/Fが大きく落ち込んだ。

 同年後半から復調の兆しが見られ、2021年に入り、石油需要が回復、油価も上昇したことにより営業C/Fの増加のテンポが早まり、7-9月期にはShellとExxonMobilが100億ドルを超えChevronも過去2年間で最高を記録している。

 

(昨年後半以降毎期大きく変動した投資C/F)

(2-2)投資C/F

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-73.pdf参照)

 2019年10-12月期のExxonMobilを除く4社の投資C/Fが最も多かったのはShellの▲49億ドルであり、以下はTotalEnergies(▲39億ドル)、bp(▲32億ドル)、Chevron(▲27億ドル)であった。

2020年の1-3月期から7-9月期までの3四半期は各社とも大きな変化は無かったが、同年10-12月期はShellとTotalEnergiesが大きく増加した(Shell▲28億ドル→▲54億ドル、TotalEnergies▲19億ドル→▲45億ドル)。一方、bp及びChevronは大きく減少しており、特にbpは投資額が純減(▲35億ドル→+6億ドル)となった。同社の投資C/Fは2021年1-3月期も純減(+4億ドル)であった。今期(7-9月期)は4社の投資C/Fは前期(4-6月期)と大きな変動はなく、Shellの▲38億ドルを筆頭に、bp▲26億ドル、TotalEnergies▲25億ドル、Chevron▲13億ドルとなっている。

 

(運転資金調達に走った2020年!)

(2-3)財務C/F

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-74.pdf参照)

(ExxonMobilを除く)4社の2019年10-12月期の財務C/F収支はChevronが▲93億ドルと際立って多い。その他3社はTotalEnergies▲36億ドル、Shell▲31億ドル、bp▲17億ドルであった。2020年に入ると1-3月期にChevronが+14億ドルと新規借入額が返済額を上回り、この傾向は4-6月期にさらに顕著となり、同期の財務C/Fはbp+147億ドル、TotalEnergies+75億ドル、Shell+57億ドルといずれも大幅なプラスであった。2020年に入りコロナ禍が世界に蔓延、エネルギー需要が急減した結果、各社が運転資金の不足を補うため巨額の借入を行った結果である。

各社は2021年に入り先行きの見通しが多少とも明るくなったと判断したようであり、投資C/Fの大きな変動は治まりつつあるようである。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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石油と中東のニュース(11月18日)

2021-11-18 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・露Rosneft副社長:OPEC+の投資不足で2022年には油価120ドルに

(中東関連ニュース)

・リビア大統領選に現前首相、国会議長、ハフタール将軍、カダフィ元大統領子息など10人が名乗り上げる

・米国防長官、バハレーン、UAEを訪問。IISSマナマ会議に出席予定

・カタール中央銀行総裁にSheikh Bandar前会計検査院長

・女性写真家アンナ愛子、ルブアルハリ砂漠をラクダに乗って撮影旅行

 

 

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黒字の米系+仏系3社、赤字の英蘭系2社:2021年7-9月期五大国際石油企業決算速報 (6)

2021-11-18 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0548OilMajor2021-3rdQtr.pdf

 

5.キャッシュフロー[1]

(1)当期キャッシュフロー

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-71.pdf参照)

(注) ExxonMobilの7-9月期決算書類は投資C/F及び財務C/F不詳。

 

(1-1)営業C/F[2]

 今期の5社の営業C/FはShellが160億ドルで最も多く、次いでExxonMobilが121億ドル、Chevronが86億ドルであり、bp及びTotalEnergiesはそれぞれ60億ドル、56億ドルであった。

 

(1-2)投資C/F[3]

 (ExxonMobilを除く) 4社の投資C/Fによるキャッシュの流出はShellが最も多く38億ドルであった。これに次ぐのがbp26

億ドル、TotalEnergies25億ドルであり、最も少ないChevronは13億ドルであった。

 

(1-3)財務C/F[4]

(ExxonMobilを除く)4社の財務C/F収支はChevronが最も多く88億ドルであった。これに次ぐのがShell79億ドル、bp68億ドルであり、最も少ないのはTotalEnegies(22億ドル)であった。財務C/Fは借入金の支払い金利、借入金の返済あるいは新規借入で構成され、通常、投資が少ない時は既存借入金を返済し、新規借入を控えて財務の健全化を図ろうとすることが多い。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1] キャッシュ・フロー(cash flow、現金流量)とは、現金の流れを意味し、主に、企業活動や財務活動によって実際に得られた収入から、外部への支出を差し引いて手元に残る資金の流れのことをいう。欧米では古くからキャッシュ・フロー会計にもとづくキャッシュ・フロー計算書(Cash flow statement, C/F)の作成が企業に義務付けられており、日本でも1999年度から上場企業は財務諸表の一つとしてキャッシュ・フロー計算書を作成することが法律上義務付けられている。

 キャッシュ・フローは(1)営業キャッシュ・フロー(日常的な、生産・営業活動によって稼得する現金と、それに要する現金コストの収支)、(2)投資キャッシュ・フロー(工場新設やビル建設・トラック購入などの設備投資・有価証券投資に要する現金支払いと資産売却による収入)及び(3)財務キャッシュ・フロー(財務活動による現金の収支)の3種類があり、これらの総合収支が会計期間内の現金収支であり、期首(前期末)の現金(及び現金相当物)の残高に期間内の収支を加えたものが当期末の現金(及び現金相当物)となる。(Wikipediaより)

[2] 「営業キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Cash Flow form Operating Activities (U.S. GAAP) / Net cash provided by operating activities (U.S. GAAP)

Shell:Cash flow from operating activities

bp:Net cash provided by operating activities, Condensed group cash flow statement

TotalEnergies:Cash flow from operating activities, TotalEnergies financial statements

Chevron:Net cash provided by Operating Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[3]「投資キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from investing activities

bp:Net cash used in investing activities

TotalEnergies:Cash flow used in investing activities, TotalEnergie financial statement

Chevron:Net cash Used for Investing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

[4]「財務キャッシュ・フロー」は各社資料から下記項目を抽出した。

Shell:Cash flow from financing activities

bp:Net cash provided by (used in) financing activities

TotalEnergies:Cash flow from (used in) financing activities, Total financial statement

Chevron:Net cash provided by (Used for) Financing Activities, Summerrized Statement of Cash Flow (Preliminary)

 

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黒字の米系+仏系3社、赤字の英蘭系2社:2021年7-9月期五大国際石油企業決算速報 (5)

2021-11-17 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0548OilMajor2021-3rdQtr.pdf

 

4.設備投資[1]

(Shellが46億ドルでトップ!)

(1)当期設備投資 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-54.pdf 参照)

 国際石油企業5社の7-9月期設備投資は、Shellが46億ドルで最も多く、これに次ぐのがExxonMobilの39億ドルである。その他の3社はbp 29億ドル、Chevron28億ドルで、TotalEnergiesは5社中で最も少ない19億ドルであった。前期(4-6月期)に比べると、bp、Shellは増加、ExxonMobil及びChevronは横ばいであるが、TotalEnergiesは▲42%と大幅に減少している。

 

(横ばい続ける4社、半減させたTotalEnergies!)

(2)2019年10-12月期以降今期までの設備投資の推移 

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-64.pdf 参照)

2019年10-12月期の各社の設備投資はExxonMobilの85億ドルを筆頭にShell、Chevronが60億ドル台で続き、TotalEnergies及びbpは40億ドル前後であった。2020年に入り各社の設備投資は急減し、2020年7-9月期には各社ともほぼ半減している。その後10-12月期は少し回復したが、2021年1-3月期はExxonMobilが前期比▲34%減の37億ドルであった他、bpを除く4社はいずれも減少した。そのbpも4-6月期は前期比▲34%であった。今期(7-9月期)はExxonMobil、Shell、bp、Chevron4社はほぼ横ばいであるが、そのような中でTotalEnergiesのみは今年に入ってから3期連続で設備投資を削減しており、今期は昨年10-12月期の4割に落ち込んでいる。

 

5月に公表されたIEAレポートは2050年までの炭酸ガス排出量ネットゼロを目標とし、化石燃料供給プロジェクトへの新たな投資を控えるよう提言している[2]。またオランダの裁判所がShellに対して2030年までに排出量を2019年比で45%削減するよう命じており(Shellは控訴中[3])、ExxonMobilの株主総会では環境対策を求める投資ファンドから取締役2名の選任を押し付けられた[4]。さらに11月に英国で開催された国連COP26では化石燃料の使用に強い警告を発している。このように石油企業を取り巻く環境は厳しさを増しており、各社とも従来の設備投資方針の見直しを迫られている。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1]  「設備投資」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Capital and Exploration Expenditures

Shell:Capital expenditure, Consolidated Statement of Cash Flow

bp:Capital expenditure

TotalEnergies:12. Net investments

Chevron:Capital & Exploratory Expenditure, Worldwide

[2] ‘Net Zero by 2050 A Roadmap for the Global Energy Sector’

https://www.iea.org/reports/net-zero-by-2050

[3] ‘Shell response to Dutch court ruling in case brought by Milieudefensie!’

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/shell-response-to-dutch-court-ruling-in-case-brought-by-milieudefensie.html

[4] ‘ExxonMobil announces preliminary results in election of directors’

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/0526_ExxonMobil-announces-preliminary-results-in-election-of-directors

 

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石油と中東のニュース(11月16日)

2021-11-16 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・ドル高、コロナ禍再燃で原油価格下落。Brent $81.41, WTI $80.09

・OPEC+のサウジ、UAE、ロシアが米大統領の原油増産要請蹴る

・サウジ外交がCOP26決裂を救った:サウジエネルギー相が憤懣ぶちあける

・ロイヤル・ダッチ・シェル社、英蘭2本社制を英国籍に変更。社名もShellに。  *

Shellプレスリリース及び「五大国際石油企業7-9月業績速報」(本ブログで連載中)参照。

(中東関連ニュース)

・トルコ外相、イラン訪問。ライシ大統領と会談。アフガン問題などで協力

・イラク、ポーランド-ベラルーシ国境に取り残された自国民に救援機派遣

・クウェイト、首長権限の一部を皇太子に移譲。 *

*参考:クウェイト・サバーハ家系図

・エジプト-UAE外相会談。リビア、シリア、イエメン、スーダン問題で協議

・イランヘリが艦船の航行を妨害。米国防省、イランを非難

・米、2019年のIS掃討作戦でシリア市民犠牲の事実を隠蔽

・リビア、カダフィ元大統領の息子Seifが大統領選出馬

・サウジファンドPIFの9月末保有米国株、前期3倍の435億ドル

 

 

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黒字の米系+仏系3社、赤字の英蘭系2社:2021年7-9月期五大国際石油企業決算速報 (4)

2021-11-16 | 海外・国内石油企業の業績

3.売上高利益率

(コロナ禍前の利益率を確保したExxonMobilとChevron!)

(1)当期売上高利益率 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-53.pdf 参照)

IOC5社の今期売上高利益率はChevronが14.4%と最も高く、続いてExxonMobilが9.1%、TotalEnergies8.5%であり、bp及びShellはマイナスであった。前期及び今期を見る限りExxonMobilとChevronはコロナ禍以前の高水準の利益率を回復したように見える。

 

(悪夢の2020年!)

(2)2019年10-12月期以降今期までの利益率の推移 

(図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-63.pdf 参照)

2019年10―12月期から今期(2021年7-9月期)までのIOC5社の売上高利益率の推移を見ると、2020年は各社とも大幅な下振れを経験しており悪夢の一年間であったと言えよう。

2019年10-12月期の売上高利益率はExxonMobilが8.5%と最も高く、Chevronは5社中でただ一社▲19.1%の大幅なマイナスであった。2020年に入るとまず1-3月期にbp及びExxonMobilがマイナスの利益率に転落、4-6月期には全社がマイナス決算となった。損失率もShell、bp及びChevronは▲50%以上を記録している。比較的損失率が低かったExxonMobilも10-12月期には▲43%の大幅なマイナスを記録、昨年1年間はIOC各社いずれも厳しい決算を余儀なくされた。

2021年に入り各社とも業績が回復、1-3月期は全社の利益率がプラスとなり、この傾向は4-6月期も続いた。但し7-9月期にはExxonMobil、Chevron及びTotalEnergies3社の利益率がさらに改善した一方、bp及びShellはプラスからマイナスに転じており、明暗が分かれた。

 

(続く)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

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黒字の米系+仏系3社、赤字の英蘭系2社:2021年7-9月期五大国際石油企業決算速報 (3)

2021-11-15 | 海外・国内石油企業の業績

2.売上高[1]

(ExxonMobilはじめ前年同期比1.5倍前後の売上増、減少したのはbp1社のみ!)

(1)当期売上高 (図:http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-51.pdf 参照)

2021年7-9月期の売上高は5社の中ではExxonMobilが738億ドルと最も多くShell が600億ドルで続いている。TotalEnergiesはExxonMobilより約200億ドル少ない 547億ドルであり、Chebronが426億ドル、最も少ないbpは379億ドルであった。

 

ExxonMobilの売上高を100とした場合、Shellは81、TotalEnergies 74、Chevron58、bp51であり、bpの売上高はExxonMobilの半分である。前項で触れた通り利益面ではExxonMobil、Chevron、TotalEnergies、bp、Shellの順である。ExxonMobil及びShellは利益、売上共1位を占めており、一方bpは利益、売上共に5社中の最下位である。

 

前年同期(2020年7-9月期)と比較すると、ExxonMobil及びChevronは損失から利益に転換しておりTotalEnergieも大幅な増益である。一方、Shellは利益から損失に転落しており、bpは損失が大幅に拡大している。

 

(bp以外の各社はほぼ原油価格に連動して売上高アップ!)

(2)2019年10-12月期以降今期までの売上高の推移

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-61.pdf 参照)

 2019年10-12月期から今期(2021年7-9月期)までの売上高の推移を見ると、2019年第4四半期の売上高は851億ドルのShellを筆頭に、bpが711億ドル、ExxonMobil672億ドルと続き、TotalEnergiesは493億ドル、Chevronが346億ドルであった。

 

その後、2020年第1四半期から第2四半期にかけて各社とも売上高が急激に減少した。特に第2四半期は新型コロナ禍の影響で経済活動が大きく減速し、各社は販売価格及び販売量の両面で過去2年間では最も厳しい売上減少を強いられた。この期の売上高はExxonMobil、Shellが330億ドル、TotalEnergiesは260億ドル、bp210億ドル、Chevron160億ドルであり、各社押しなべて2019年10-12月期の5割乃至3割にとどまっている。

 

その後、bpを除く各社の売上は多少のばらつきはあるものの、今期まで5期連続して増収となり、今期(2021年7-9月期)はExxonMobil、TotalEnergies及びChevronは2019年10-12月期を超えている。但しShellは未だ7割の水準であり、特にbpは2019年10-12月期の2分の1にとどまっている。

 

売上高の変動に大きな影響を与えるのが原油価格であるが、代表的な油種であるBrent原油の各四半期の平均価格を見ると以下の通りであった(価格はドル/バレル)。

 

63.08ドル(‘19年10-12月期)→50.06ドル(‘20年1-3月期、前期比▲20.6%)→29.55ドル(‘20年4-6月期、前期比▲41.0%)→42.94ドル(‘20年7-9月期、前期比+45.3%)→44.16ドル(‘19年10-12月期、前期比+2.8%)→61.12ドル(‘20年1-3月期、前期比+38.4%)→68.97ドル(‘21年4-6月期、前期比+12.80%)→73.51ドル(‘21年7-9月期、前期比+6.6%)

 

これに対して5社の対前期比売上高の平均増減比率は、▲25.5%(‘20年1-3月期)→▲41.6%(‘20年4-6月期)→+53.9%(‘20年7-9月期)→▲2.9%(‘19年10-12月期)→+23.5%(‘21年1-3月期)→+10.0%(‘21年4-6月期) →+8.6%(‘21年7-9月期)であった。両者を比較すると全期間を通じて売上高と原油価格との相関関係が極めて高いことがわかる。

 

(続く)

 

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        前田 高行         〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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                               E-mail; maedat@r6.dion.ne.jp

 

 

[1] 「売上高」は各社資料から下記項目を抽出した。

ExxonMobil:Total revenues and other income          

Shell:Total revenue and other income         

bp:Total revenue and other income

TotalEnergies:Sales         

Chevron:Sales and other operating revenues           

 

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石油と中東のニュース(11月14日)

2021-11-14 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

(中東関連ニュース)

・トルコ語圏6カ国がイスタンブールで8回目の首脳会議。テロ対策など協議

・スーダン、クーデタ抗議デモで死者

・来年のCOP27、エジプトSharm El-Sheikhで11月開催正式決定。COP28はUAE

・イランとの協議は進展、但し次回は未定:サウジ外相、仏メディアのインタビューで

 

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今週の各社プレスリリースから(11/7-11/13)

2021-11-13 | 今週のエネルギー関連新聞発表

11/8 INPEX

四 半 期 報 告 書

https://www.inpex.co.jp/ir/library/pdf/securities/securities20211108.pdf

 

11/8 ExxonMobil

ExxonMobil to invest in petrochemical complex in China

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/1108_ExxonMobil-to-invest-in-petrochemical-complex-in-China

 

11/9 経済産業省

萩生田経済産業大臣は、アブドルアジーズ・サウジアラビア・エネルギー大臣とTV会談を行いました

https://www.meti.go.jp/press/2021/11/20211109004/2021109004.html

 

11/9 JX石油開発石油開発

米国8 Rivers社との包括提携協定の締結について

https://www.nex.jx-group.co.jp/newsrelease/2021/8_rivers.html

 

11/9 出光興産

2021年度第2四半期 決算説明資料

https://www.idemitsu.com/jp/content/100037887.pdf

 

11/9 コスモエネルギーホールディングス

2021年度 第2四半期 決算短信

https://ceh.cosmo-oil.co.jp/press/p_211109/index.html

 

11/9 ExxonMobil

Why we're investing $15 billion in a lower-carbon future

https://corporate.exxonmobil.com/News/Newsroom/News-releases/2021/1109_Why-we-are-investing-15-billion-in-a-lower-carbon-future

 

11/10 Shell

Shell and Baker Hughes Sign Broad Collaboration Agreement to Accelerate Energy Transition, Achieve Net-Zero Emissions

https://www.shell.com/media/news-and-media-releases/2021/shell-and-baker-hughes-sign-broad-collaboration-agreement.html

 

11/11 ENEOSホールディングス

2022年3月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕(連結)

https://ssl4.eir-parts.net/doc/5020/tdnet/2045439/00.pdf

 

11/12 出光興産

当社グループ初のカーボンニュートラル海上輸送を実施 カーボンクレジットを活用し、日本~中東往復の航海で発生するCO2約1万トンをオフセット

https://www.idemitsu.com/jp/news/2021/211112_1.html

 

11/12 出光興産

豪州ニューキャッスル港でのグリーン水素・アンモニアプロジェクトにおける共同検討・調査の実施について

https://www.idemitsu.com/jp/news/2021/211112_2.html

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