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石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月13日)

2012-09-13 | 今日のニュース

・Brent原油、5月3日以来の高値$116.67。独憲法裁の合憲判決を好感

・カタールガス、日本への供給を拡大。 *

 

*「BP統計解説シリーズ:天然ガス貿易篇」参照。

 

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月11日)

2012-09-11 | 今日のニュース

・ナイミ・サウジ石油相:油価高騰に懸念。市場には十分な石油。備蓄放出の要なし

・8月のクウェイ石油生産前月比60万B/D増の300万B/D。サウジ、UAEの生産も高水準

・イラン、エジプトに原油販売を打診。米国の反応が注目

 

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今週の各社プレスリリースから(9/2-9/8)

2012-09-08 | 今週のエネルギー関連新聞発表

9/3 JX日鉱日石開発    ミャンマー海上 新規探鉱鉱区の取得について http://www.hd.jx-group.co.jp/newsrelease/2012/20120903_01_0920492.html
9/4 JX日鉱日石エネルギー    人事異動について http://www.noe.jx-group.co.jp/newsrelease/2012/20120904_01_0960575.html
9/6 ExxonMobil    Rosneft and ExxonMobil Announce Selection of Vostochniy Offshore Structures Construction Yard for Concept Evaluation and Feasibility Study of Shallow Water Arctic Drilling Platform http://news.exxonmobil.com/press-release/rosneft-and-exxonmobil-announce-selection-vostochniy-offshore-structures-construction-

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:天然ガス貿易篇8 パイプライン貿易

2012-09-07 | その他

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0238BpGasTrade2012.pdf

 

(ロシア、ノルウェー、カナダが三大輸出国。中国向け輸出でトルクメニスタンが急浮上!)
6.パイプラインによる天然ガス貿易(2006年~2011年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-3-G01.pdf 参照)
 パイプラインによる天然ガスの貿易量を2006年から2011年までの6年間についてみると2006年は5,371億㎥であった。貿易量はその後毎年増加し2009年には6千億㎥を超えて2011年には2006年の1.3倍の6,946億㎥に達し、この間の年間平均成長率は5.3%であった。同じ期間中のLNG貿易の1.6倍、9.7%に比べると低いもののパイプラインによる天然ガス貿易は着実に成長していると言えよう。

 輸出国で見るとロシアが6年間を通じてトップであり世界に占めるシェアは2006年が28%、2011年は30%と若干シェアが上昇している。カナダは2006年にはロシアに次いで世界第2位の輸出国であり、毎年1千億㎥前後を米国に輸出していたが、2009年以降米国向け輸出量が急減し、輸出国2位の座をノルウェーに譲り、2011年の対米輸出量は880億㎥に減少している。これは米国でシェールガスの生産が急増したためである。

 ロシア、ノルウェー、カナダに加えオランダ、アルジェリア等が伝統的な輸出国であるが、これに対して最近急速に輸出を伸ばしているのがトルクメニスタンとカタールである。トルクメニスタンは中国向けパイプラインがフル稼働したことにより輸出が急増している。カタールは世界最大のLNG輸出国であるが、UAE、オマーンとの間に「ドルフィン・パイプライン」が完成、両国向けの輸出が始まっている。

(世界のパイプライン貿易の4分の1を支配するロシア!)
7.国別の天然ガスNET輸出量(2011年)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-3-T01.pdf 参照)
 2011年のパイプラインによる天然ガス輸出(NET)ではロシアが1,770億㎥で2位ノルウェー(928億㎥)の2倍近い輸出量を誇っている。これは全世界の輸出量の4分の1を占め、東欧を経由したパイプラインにより西欧諸国に供給されている。なおこのことが2006年のロシアとウクライナの天然ガス価格を巡る紛争のように西欧諸国にとってエネルギー安全保障上の問題となっている 。

 ロシア、ノルウェーに次ぐ輸出国はカナダ(614億㎥)であり、オランダ、トルクメニスタン及びアルジェリアが350億㎥前後で続いている。輸出量7位から10位はカタール、ボリビア、ウズベキスタン、インドネシアである。

 上記各国の他ミャンマー、アゼルバイジャン、モザンビークなどを含め全世界では20カ国がパイプラインによる天然ガス輸出を行っている。なおここでの輸出量は他国からの輸入量を差し引いたNETの輸出量である。例えばカナダと米国(次項の輸入国参照)はパイプラインを通じて相互に天然ガスを融通しあっており、カナダは米国向けに880億㎥を輸出する一方、米国から266億㎥を輸入しており差し引きNET輸出量は614億㎥である(上記6の貿易量とは異なる)。

(パイプラインによる天然ガス輸入量トップはドイツ!)
8.国別の天然ガス輸入量(2011年)
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-3-T02.pdf 参照)
 2011年にパイプラインによる天然ガスの輸入(NET)が最も多かったのはドイツで輸入量は840億㎥であった。これに次ぐのがイタリア(608億㎥)、米国(474億㎥)、ウクライナ(405億㎥)、トルコ(356億㎥)である。ドイツの主たる輸入先はロシア及びノルウェーであり、イタリアはアルジェリア及びロシアから輸入している。

 ウクライナは全量をロシアからの輸入に依存しており、上記に触れた2006年のロシアとの紛争に見られる通り天然ガス問題はウクライナのアキレス腱となっている。この他天然ガスの輸入国は合わせて20カ国に達する(上記7で述べたと同様、輸入と輸出の差が輸入超過となっている国の数)。

(天然ガス貿易篇 完)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:天然ガス貿易篇7 LNG貿易(4)

2012-09-06 | その他

 

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0238BpGasTrade2012.pdf

 

 

5.LNG輸入(続き)
(2000年当時は日本一国だけで世界の半分以上のLNGを輸入。現在は3分の1!)
(3)LNG輸入国の増加(2000年と2011年の比較)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G04.pdf 参照)
 第4章LNG輸出(3)項同様輸入についても2000年と2011年を比較すると輸入量が大幅に増加し輸入国も多様化していることがわかる。

 2000年の輸入総量1,370億㎥は2011年には2.4倍の3,308億㎥に増加している。そして輸入国の数は2000年の10カ国から同じく2.4倍の24カ国に増えている。これらの中にはパイプラインにより天然ガスを輸出しているカナダ、オランダのような国もある。天然ガスの場合は流通インフラであるパイプライン網が未整備のため同一国内でも海外からLNGを輸入する方が経済合理性に適うことがあるからである。

 国別の輸入量とシェアで比較すると、2000年当時は日本の輸入量は725億㎥で全体の半分以上(53%)であった。これに韓国のシェア14%、仏の8%を加えると上位3カ国だけで世界の輸入量の4分の3を占めていたのである。しかし2011年になると日本の輸入量は1.5倍の1,070億㎥に増えたもののシェアは32%に低下している。韓国はこの間に輸入量が2.5倍に増加、全世界に占めるシェアは15%で2000年当時と変わっていない。輸入国の3位にはフランスに代わって英国が躍り出ている(シェア8%)。上位3カ国の合計シェアは55%で過半を超えるが2000年当時の日本一国並みに留まっている。このようにLNGの輸入は量、国とも分散化の傾向が顕著である。

(かつては輸入国トップだったインドネシア。昨年急増したカタール!)
(4)日本の天然ガス輸入(2006年~2011年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G07.pdf 参照)
 2006年から2011年までの日本のLNG輸入先を分析すると、2006年はインドネシアからの輸入が186億㎥と最も多く、これに次いでオーストラリア及びマレーシアが160億㎥弱であり、第4位以下にカタール、ブルネイが続いている。

 2007年以降マレーシアからの輸入は漸増したが(2007年177億㎥→2011年204億㎥)、インドネシアからの輸入は2011年に大幅に減少し同国の順位はトップから4位に転落している。同国は生産量の減少と国内消費の増加により輸出制限策を取っているためである。

 これに対して輸入量が増加しているのはオーストラリア及びカタールである。この2カ国からの輸入は2010年、2011年に急増しているが、特に昨年のカタールからの輸入は前年比50%増と大幅にアップしている。2009年から始まったロシアからの輸入は2011年には98億㎥に達し輸入順位では第5位となっている。

(2009-11年の3年間は毎年倍々ゲームで輸入が増加!)
(5)中国の天然ガス輸入(2006年~2011年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G06.pdf 参照)
 中国の場合陸続きのトルクメニスタンからのパイプライン輸入を含めた全輸入量について分析を試みる。同国の輸入の最大の特徴は2009年以降輸入量が急激に増大していることである。同国の2006年の輸入はオーストラリアからのLNG10億㎥のみであったが、2009年には11カ国から合計76億㎥のLNGを輸入している。

 そして2010年にはトルクメニスタンからのパイプラインによるものを含め天然ガスの輸入量は一挙に164億㎥に達し、さらに2011年にはトルクメニスタンが輸入国のトップとなり総輸入量も309億㎥を記録している。中国はここ3年間で輸入が倍々ゲームで増加しているのである。

 2011年の輸入量のうちトルクメニスタンがほぼ半分の46%を占めている。それ以外の国は全てLNGの輸入であり、その中ではオーストラリアが最も多く(50億㎥)、カタール、インドネシア、マレーシアがこれに続いている。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月5日)

2012-09-05 | 今日のニュース

・サウジアラビア、2030年には石油輸入国に転落か?国内電力急増で燃料需給ひっ迫:Citigroupレポート

 

*参考:「BPエネルギー統計レポート2012年版:石油篇」

 http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0231BpOil2012.pdf

 

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:天然ガス貿易篇6 LNG貿易(3)

2012-09-05 | その他

 

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0238BpGasTrade2012.pdf

 

 

5.LNG輸入
(世界のLNGの3割以上を輸入する日本!)
(1)2006~2011年のLNG輸入の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G03.pdf 参照)
 LNG輸入の全体量は2006年の2,111億㎥から2011年には1.6倍の3,308億㎥に増加している(既述第3項(1)の輸出の総量と同じ)。国別で見ると日本の輸入量は2006年の819億㎥から2008年に921億㎥に増加した。2009年には一旦859億㎥に減少したものの、2010、2011年は再び増加、特に2011年は対前年比14%の大幅な増加を示し1千億㎥を突破した。これは言うまでもなく原発の運転停止による火力発電用燃料としてLNGの輸入が急増したからである。この状況は今後もしばらく続くため日本のLNG輸入は高止まりするものと考えられる。

 韓国は日本に次いで輸入量2位の位置を占めているが日本との差は大きい。従って日本は当分の間LNG輸入量が世界一であり続けることは間違いない。但しLNG貿易は拡大しており、また輸入国も多様化しているため、日本のシェアは2006年の39%から2011年には32%へと漸減傾向にある。

 第3位の英国はここ数年で急激に輸入量が増加している。即ち2008年は10億㎥に過ぎなかった同国のLNG輸入は2009年には一気に103億㎥に激増し2011年には253億㎥のLNGを輸入している。英国はこれまでは北海油田からの随伴ガスにより国内のガス需要を賄っていたが、油田が枯渇しつつあるため安定的な天然ガス供給源として外国産LNGを輸入するため2009年にウェールズ州サウス・フックにLNG受入基地を建設している。

 これら3カ国以外の主なLNG輸入国はスペイン、インド、中国、台湾等である。上位7か国のうち4カ国(日本、韓国、中国、台湾)は極東アジアの工業国である。日本、韓国及び台湾は国内にガス資源が殆ど無く、またパイプラインで近隣国から輸入する手段もないため天然ガスをLNGに依存しているのである(なおロシア産のガスを日本はサハリンから、また韓国は北朝鮮経由のパイプラインで輸入する計画もあるが、採算性、政治的リスク等の問題があり実現には障壁が多い)。

(米国は世界10位のLNG輸入国。しかしいずれは輸出国に!)
(2)2011年の国別LNG輸入量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-T02.pdf 参照)
 2011年のLNGのNET輸入国は24カ国であり、総量は3,260億㎥である(注)。1位は日本であり1,070億㎥を輸入し世界に占めるシェアは33%に達する。2位は韓国(493億㎥)であるが日本の半分以下に留まっている。3位英国(253億㎥)、4位スペイン(234億㎥)はさらに韓国の2分の1前後である。

 中国(166億㎥)はインド(171億㎥)に次いで輸入量世界7位であるが、その伸びは著しく、2006年には10億㎥に過ぎなかった輸入量が2007年は39億㎥、2009年は76億㎥となり、昨年2011年には166億㎥と6年間で17倍に増加している。この勢いが続けば今年はインドを追い抜き、数年後には日本、韓国に次ぐ世界3位のLNG輸入国になることは確実であろう。

 この他LNG輸入上位10カ国にはフランス、イタリア及び米国が名を連ねている。このうち米国は国内でシェール・ガスの生産が急拡大しており、LNGとして輸出する計画も浮上している。米国の石油・天然ガスの自給率は近年急速に改善しており2011年は62%に達している(本シリーズ「石油+天然ガス篇」3-(6)参照)。近い将来米国のエネルギー自給率は100%を超えてエネルギーの輸出国になると思われる。

(注)各国のNET輸入量の合計。LNGの輸入と輸出を同時に行っている国については両者を相殺した数量である。例えば米国は中南米から100億㎥のLNGを輸入する一方、アラスカ産LNGなど20億㎥を日本他各国に輸出しており、同国のNET輸入量は80億㎥である。このため上記(1)の輸入量(Gross)と異なる。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:天然ガス貿易篇5 LNG貿易(2)

2012-09-04 | その他

 

(注)本レポートは「マイ・ライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。

 

http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0238BpGasTrade2012.pdf

 

 

4.LNG輸出(続き)
(11年前に比べ輸出量は2.4倍。トップの座はインドネシアからカタールに交代。!)
(3)LNG輸出国の増加(2000年と2011年の比較)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G02.pdf 参照)
 上記(1)に説明した通りLNGの輸出量は2006年から2011年までの間に1.6倍に増加しているが、2000年と2011年を比較すると貿易量に加え輸出国も著しく増加していることがわかる。同時に輸出国の盛衰も読み取ることができるのである。

 即ち2000年のLNGの輸出量は世界全体で1,370億㎥であり、輸出国の数は12ヶ国であった。その中ではインドネシアが最大の輸出国であり全体の26%を占めていた。インドネシアに次ぐ輸出国はアルジェリア(シェア19%)、マレーシア(同15%)であり、これら上位3カ国で世界全体の6割を占め、カタール、オーストラリアの2カ国を加えた5カ国で全体の8割弱に達していた。

 これに対して2011年の場合は全世界の輸出量は3,259億㎥であり2000年の2.4倍に増加しており、また輸出国の数も4カ国増えて16カ国になっている。輸出量トップの座はインドネシアからカタールに入れ替わり、カタールは全世界の輸出量の3割を占めて断然トップとなっている。インドネシアの輸出シェアは過去10余年の間に26%から10%に落ちている。またカタール、インドネシアにマレーシア、オーストラリア、ナイジェリアを加えた輸出量上位5カ国の世界シェアは66%であり2000年当時の8割弱(上記)より下落している。

(目を見張るカタールの天然ガス輸出。6年間で量も相手国の数も4倍!)
(4)カタールの天然ガス輸出の内訳(2006~2011年)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G05.pdf参照)
 カタールはLNGの輸出量が世界一であり、パイプラインとLNGを合計した輸出量でもロシアに次いで世界第2位である(本編第2章「2011年の国別天然ガス輸出量」参照)。カタールは昨年からUAE及びオマーン向けにパイプライン(ドルフィン・パイプライン)による輸出を開始したが、これを含めて2011年の同国の天然ガスの輸出を見ると以下のとおりである。

 カタールの2006年の天然ガスの輸出は全量LNGであり、最大の輸出先は日本向けの99億㎥であった。これに次ぐのが韓国向け90億㎥、インド向け68億㎥であり、その他スペイン、ベルギー及びメキシコを含めた総輸出量は311億㎥であった。2007年には英国、台湾などが新たなLNGの輸出先に加わりまたUAE向けにパイプラインによる輸出も始まり、LNG385億㎥、パイプライン8億㎥の合計393億㎥に増加した。2008年にはパイプライン輸出が本格的になり、UAEが日本を抜いてカタールの最大の輸出相手先となった。

 2009年にはカタールの輸出は2006年の2倍を超える682億㎥に達し、その後2010年949億㎥、2011年1,218億㎥と飛躍的に増加している。そして相手国別では英国向けがトップとなり、次いでUAE、日本は第3位となっている。輸出量も輸出相手国の数も2006年当時の4倍に拡大しているのである。カタールLNG産業の発展には目を見張るものがある。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
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ニュースピックアップ:世界のメディアから(9月3日)

2012-09-03 | 今日のニュース

・イランの7月原油生産275万B/D、22年ぶりの低水準

・イラクの7月原油輸出256.5万B/D、30年ぶりの高水準

 

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BPエネルギー統計レポート2012年版解説シリーズ:天然ガス貿易篇4 LNG貿易(1)

2012-09-03 | その他

4.LNG輸出
(6年間で1.6倍に。カタールは3.3倍の突出した伸び!)
(1)2006年~2011年のLNG輸出の推移
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-G01.pdf 参照)
2006年に2,111億㎥であったLNGの輸出量は毎年伸びて2011年には1.6倍の3,308億㎥に達した。特に2010年及び2011年の対前年比増加率はそれぞれ23%、11%と大幅な伸びを示している。国別で見るとカタールの増加率が特に著しく2006年の311億㎥から2011年には1,026億㎥へと3.3倍に増えている。

国別で見ると2006年当時はカタール、インドネシア及びマレーシア3カ国の輸出量は300億㎥前後で全世界に占める割合は14%とほぼ同じであったが、2011年にはカタールの輸出が全世界に占めるシェアは3割を超え2位のマレーシア(同10%)以下を大きく引き離している。カタールはこの間7,700万トン体制と呼ばれる世界最大のLNG生産能力を確立したことが飛躍の大きな要因である。この時期、米国でシェールガスの開発が急進展しカタールの対米輸出の目論見が外れたため同国の過剰設備が危惧されたが 、福島原発事故によるLNGの突発的需要増で設備はフル稼働の状況である。日本にとっては不幸な原発事故ではあったが、カタールには思わぬ僥倖だったと言えよう。

 今後数年はカタールのトップの座は変わらないであろうが、オーストラリアでは急ピッチで開発が進んでおり、モザンビークなど東アフリカでも世界最大級のガス田が発見され開発段階に入っている。これらの国々はパイプラインによる近隣国への輸出が期待できないため、LNG生産に注力しておりいずれカタールに匹敵するLNG生産能力を持つようになると考えられる。

(2)2011年の国別LNG輸出量
(表http://members3.jcom.home.ne.jp/maedaa/4-2-T01.pdf参照)
 2011年のLNGのNET輸出国の数は16カ国であり、その輸出量は3,259億㎥であった(注)。輸出量(NET)が世界一はカタールの1,026億㎥であった。これは全世界の輸出量の32%に達し、2位以下を大きく引き離している。2位はマレーシアの333億㎥(世界シェア10%)、3位はインドネシアで292億㎥(同9%)である。4位以下はオーストラリア(259億㎥)、ナイジェリア(259億㎥)、トリニダード・トバゴ(189億㎥)、アルジェリア(171億㎥)と続き、8位にロシア(144億㎥)が付けている。

 9位から16位までの国を列挙するとオマーン、ブルネイ、イエメン、エジプト、UAE、エクアトール・ギニア、ペルー、ノルウェーの順である。

(注)各国のNETの輸出量の合計。例えば米国は日本向けにアラスカ産LNGを輸出する一方、中南米等からLNGを輸入しておりNETではLNGの輸入国である。この他輸入LNGの一部を再輸出している国もあり、本項ではNETの輸出国のみを比較の対象とした。このためNET輸出の合計量は上記(1)の輸出量と異なっている。

(続く)

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。
 前田 高行 〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601
   Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642
   E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

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