(英語版)
(アラビア語版)
(目次)
第6章:現代イスラームテロの系譜(18)
163 敵と味方を峻別する一神教(2/6)
このような過激な反応は一神教特有のものである。ギリシャ神話、日本神道或いは仏教のような多神教(仏教を多神教と見るかどうかは異論があろうが、キリスト教やイスラームのような一神教と異なることは間違いない)では、善と悪、神と悪魔は自らの心の中に共存していると教える。ここでは敵と味方の闘争はあっても、それは決して正義と悪の対決、神の代理人と悪魔の代理人の対決ではない。
敵と味方を正義と悪、神と悪魔で峻別する一神教の世界で敵と味方に分かれるケースは三つ考えられる。一つは異なる宗教との対決(異教対決)、二つ目は宗派の違いによる対決(宗派対決)、そして三つ目は同じ宗派の中の正統派と異端派の対決(異端対決)である。そしてそれぞれの対決のなかでテロが発生する。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます