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第6章:現代イスラームテロの系譜(22)
167 敵と味方を峻別する一神教(6/6)
米国は帝国主義時代の英国、フランスに次いで中東で大きな問題を起こした。これが間違っていたかどうかは今後の歴史が決めることである。キリスト教中世のプロテスタント異端論争ですら問題が落ち着くまでに数百年が必要であったことを考えれば、中東イスラーム世界で現在起こっている事象の正誤を判断するにはまだ相当の年月を要するに違いない。
中東イスラーム世界の異教対決、宗派対決、異端対決が第二次大戦後のわずか100年足らずで円満解決の大団円になるはずはない。しかるにこの世に正義と神の国を実現せんとして真っ向から対決する米国もISも解決を急ぎすぎている。
甚だ無責任な言い方に聞こえるであろうが、ここしばらくは「奢れるものは久しからず。ただ春の夜の夢のごとし」の心境で事態の推移を見守るほかないようである。
(続く)
荒葉 一也
E-mail: Arehakazuya1@gmail.com
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