石油と中東

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業績が大幅に落ち込んだ五大国際石油企業:2019年度業績速報シリーズ(11)

2020-02-26 | 海外・国内石油企業の業績

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。
http://mylibrary.maeda1.jp/0495OilMajors.pdf
 

IV. 8カ年(2012-2019年)業績推移の比較
 ここでは2012年から2019年までの過去8年間の5社の業績の推移を比較検討する。因みに各社業績と密接な関係にある原油価格を見ると、Brent原油は2012年から14年までの3年間は年間平均価格が100ドル前後であった。しかしその後2015年は一転して50ドル台に下落、2016年初めには30ドルを割るまでに落ち込んでいる。その後回復し2018年の年間平均価格は71ドルに上昇したものの、2019年は再び64ドルに下落している。5社の決算数値はこの価格変動に大きく左右されたと言えよう。

1.売上高
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-20.pdf 参照) 
 2012年の売上高トップはExxonMobilの4,807億ドルでありShellが4,672億ドルで第2位であった。売上高第3位はBP(3,758億ドル)で、TotalとChevronはそれぞれ2,570億ドル及び2,419億ドルであった。2013年はShellの売上がExxonMobilをわずかに上回ってトップを奪い、2016年まで両社は僅差で首位争いを続けた。しかし2017年以降はShellの売上の伸びが大きく昨年まで売上高トップを続けている。一方、ExxonMobilは売り上げが停滞し、2018年にはBPにも追い抜かれ、2019年もBPを下回り5社中の3位に甘んじている。

2016年までのBPの売上高はExxonMobil、Shellの8割前後で3位にとどまっていた。しかし2019年の売上高は2,784億ドルとなり、ExxonMobilの2,649億ドルを上回っている。TotalおよびChevronはそれぞれ5位と6位であり、トップの5割前後の水準で推移している。

 年毎に見ると2012年から2014年までは各社とも売上高は高い水準を維持し続けた。しかし2015-16年は原油価格が急落し、売上高はそれまでの5割ないし6割程度に急減した。その後2017年、2018年と回復したが、2019年は再び売上高は減少し、Total、Shell及びBPは2012年の70%強にとどまっている。またChevronは2012年の6割、ExxonMobilは55%程度である。

(続く)

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 前田 高行
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