(注)本シリーズは「マイライブラリー(前田高行論稿集)」で一括してご覧いただけます。
http://members3.jcom.home.ne.jp/3632asdm/0298FiveMajors2013.pdf
III. 6カ年(2008-2013年)業績推移の比較(続き)
5.石油及び天然ガス生産量
(1)石油生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-10.pdf 参照)
5社の2008年から2013年までの石油生産量の推移を見ると、6年間を通じてExxonMobilは他の4社を大きく引き離している。同社の生産量の推移を見ると、2,405千B/D(08年)→2,387千B/D(09年) →2,422千B/D(10年) →2,312千B/D(11年) →2,185千B/D(12年) →2,202千B/D(13年)と常に2百万B/D以上を維持しており、他の4社はいずれも百万B/D台である。
ExxonMobil以外の2008年の生産量はShell1,771千B/D、Chevron1,649千B/D、BP1,575千B/D、Total1,456千B/Dで4社間に大きな差は無かったが、その後Chevronが生産量を増やす一方BPは2009年以降急激に減少、Shell、Totalも毎年漸減し、2013年の4社の生産量はChevron1,731千B/D、Shell1,541千B/Dに対しBP及びTotalはそれぞれ1,176千B/D、1,167千B/Dに落ち込んでいる。
なお2008年の生産量を100とした場合、2013年の各社生産量はExxonMobil92、Chevron105、Shell87、BP75、Total80である。5社の中で2008年の生産水準を上回っているのはChevron1社のみであり、他の4社は生産量の低減に歯止めがかからないようである。
(2)天然ガス生産量
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-11.pdf 参照)
2008年から2013年までの天然ガスの生産量は各社で明暗が分かれている。2008年の生産量はExxonMobil、Shell及びBPが80~90億立法フィート/日(以下cfd)であり、TotalとChevronは50億cfd前後であった。その後ExxonMobilの生産量は急激に増加、またShell及びTotalも漸増傾向を示したのに対し、BPは大幅に減少、Chevronは横ばいにとどまっている。
その結果、2013年の各社の生産量はExxonMobil118億cfd、Shell96億cfd、BP63億cfd、Total62億cfd、Chevron52億cfdとなり、トップのExxonMobilとChevronの格差は2倍以上に開いている。
(3)石油・天然ガス合計生産量(石油換算)
(図http://members3.jcom.home.ne.jp/maeda1/2-D-4-12.pdf参照)
石油と天然ガスの合計生産量(石油換算)を見ると、2008年にはExxonMobil(3,921千B/D)とBP(3,833千B/D)が並び、これにShellが3,248千B/Dで続き、Chevron(2,530千B/D)とTotal(2,341千B/D)は2百万B/D台であった。
2013年までの6年間でBPは2百万B/D前半まで急減、その他4社はほぼ横ばい状態である。上記(1)石油生産量及び(2)天然ガス生産量の推移からもわかるとおり、BPは石油、天然ガスともに激減しており、Chevronは石油、天然ガスの双方が増加している。またExxonMobil、Shell、Totalの3社は石油の落ち込みを天然ガスの増加でカバーして横ばいを維持している状況である。
(完)
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