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http://mylibrary.maeda1.jp/0440OilMajor2018-1stQtr.pdf
2.2018年第1四半期以降の四半期別業績の推移(続き)
(4)部門別利益の推移
(4-1)上流部門(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-66.pdf 参照)
前年の2017年第1四半期の各社の上流部門の損益はShellが欠損を計上、その他の4社は利益を出している。利益が最も多いのはExxonMobilの23億ドルであり、Chevron、Total、BPの3社は13~15億ドル程度の利益であった。第2及び第3四半期はShellが引き続き欠損であり他の4社は利益が減少した。第3四半期の5社の利益水準はExxonMobilの16億ドルを筆頭に最も低いChevronの5億ドルまで各社ほぼ横並びとなった。
第4四半期はExxonMobilとChevronの利益がそれぞれ84億ドル、53億ドルと大幅に伸びた一方、Shell、BP及びTotal3社は横ばいとなり格差が拡大した。今期(2018年第1四半期)はExxonMobil、Chevron及びBPが30億ドル超で並び、またTotalとShellは20億ドル前後である。
5四半期を通じて各社の上流部門の利益の推移を見ると、Shellが5社の中で最も利益水準が低く、同社の上流部門は他の4社に比べて見劣りがする。
(4-2)下流部門(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-67.pdf 参照)
下流部門は2017年第一四半期から今年2017年第一四半期までの5期連続して全社が利益を計上している。2017年第一四半期はShellが26億ドルと他の4社を引き離して最も多く、次いでBPが17億ドル、ExxonMobil、Total、Chevronの3社は10億ドル前後で並んでいる。ExxonMobil及びChevronは第2、第3四半期と連続して増益を記録、第3四半期にはExxonMobilが5社トップの26億ドルの利益を計上、次いでShell、BP、Chevronの順で、Totalのみは低迷し10億ドルにとどまった。
しかしExxonMobil及びChevronの利益は第4四半期、今年第1四半期と連続して急減、前年同期を下回る結果となった。BP及びTotalも漸減傾向を示し、前年同期とほぼ同じ水準にとどまった。Shellは第4四半期は利益が急落したものの、今期は18億ドルの利益を確保し、5社のトップに返り咲いている。Shellは上流部門の利益が他社に見劣りするが(上記4-1参照)、下流部門に強いようである。
(5)設備投資の推移 (図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-64.pdf 参照)
5社の四半期ベースの設備投資額は第4四半期のExxonMobil(90億ドル)を除き、過去1年間を通じて60億ドルを下回る低い水準が続いている。2017年第1四半期の投資額はExxonMobil、Chevron、Shell及びBPの4社が40億ドル前後並んでおり、Totalのみ1ケタの8億ドルにとどまっている。第2四半期から第4四半期までの3期はShell、Chevron、BP、Totalの4社いずれもが40億ドル前後で並び、金額の順位も変動が無かった。ExxonMobilは第4四半期に他社を大幅に上回る90億ドルの投資を行っている。今期(2018年第1四半期)の設備投資額は36~49億ドルと全社ほぼ横並びの状態である。
(続く)
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