Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(189)

2016-08-13 00:10:00 | コラム
映画のなかの花火といえば・・・

古くはヒッチコックの『泥棒成金』(55)、



映画通のあいだで挙がるのは『わが心のボルチモア』(90)や『ナチュラル』(84)、

変わり種、しかも花火ではなく爆竹だが、香港の『哀戀花火』(93)、

少し前の日本産であれば『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』(93)・・・であったのだが、

若い映画ファンのあいだで支持を集めているのは、『海街diary』(2015…トップ画像)のほうかもしれない。

美人と花火―もう、いうことないですな!!


さて。
昔は「なんてこと、ない。」こと、けれども現在では難儀になったこと。

自分が想起するのは、部外者が学校の敷地内に入ることである。

ガキのころは嫌いだったのに、成人以降、妙に鉄棒に郷愁を抱いてしまうというかね。
校庭に忍び込んで、体育のマネゴトをやりたくて仕方ないんだよ。

だから20代のころ、よくアパート近くの小学校の校庭に「勝手に」「侵入し」鉄棒で遊んだものである。

そう。
池田小の事件が起こる前までは、部外者だって(よほどの不審者? でないかぎり)簡単に校庭に入ることが出来たんだ。

いや、いまだってやろうと思えば出来る。
すぐに通報されてしまうがね!!

窮屈な世の中になったものだ・・・と思うけれど、実際にそういう事件が起きた以上、学校側は対策を取らなければならない。

それと同じことが、マンションにもいえる、、、とまで書くと、どこかから注意が入るかな。

マンションは昔から、基本的には住人以外の立ち入りを禁止していた。
けれども、現在ほど「きっちきち」していなかったから、たとえば花火大会の夜、住人に紛れ込んで屋上で見物していようが、それは無問題だったのだ。

自分は19歳の夏、そんな風にして花火大会を見物した。

場所は、調布の南口に建つ高層マンション。
自分はこの区域を担当する新聞奨学生(朝日新聞)だったから、住人さんに怪しまれることもなかった・・・というのもあるけれど。

ひとりで見に行った?

否。

同じ区域を担当する、毎日新聞の女子奨学生Aちゃんを誘ったんだ。

彼女はマンションのエレベーターに乗るとき、「大丈夫? あたしたち部外者だよ」と心配していたが、

「心配ないっしょ。ウチら、イマドキ珍しい、真面目な勤労学生と思われているはずだから」と返した。


「(苦笑)勤労って…」
「俺はちがうかもしれんけど、Aちゃんはそうでしょうよ」
「そうかな」
「大丈夫、ここの住人さんたちとは、ほとんど顔見知りではあるから」


自分の思ったとおりにコトは運んだ。

ただ、住人さんたちに「あんたたち、付き合ってんの?」と冷やかされて困ったが。。。


花火の眺めは最高だった。

あまりにも素敵なのでAちゃんを抱き寄せてキスも「ありかな?」と思ったが、Aちゃんはほんとうに真面目な子なので、それはやめておいた。

いや、まだ童貞捨てたばかりのガキだったから、その勇気がなかったといったほうが正しい。


それから、8年後―。

用事で、夕刻の調布を自転車で走る。

ちょうど花火大会の日だ、自分は思い出に浸ろうと思い、その高層マンションの屋上に上がった。

しかし。
まわりの空気は、あきらかにあの日とちがっていた。

もう勤労学生じゃない―というのもあったろうが、自分は不審者のように見られ、10分も居たら通報されてしまうかのような雰囲気が漂っていた。

やばいな、、、と思って、すぐにその場を去る。


池田小の事件が起こって、2年後のことである。

ほんとうに自分が「不審者っぽかった」という理由のほかに、この事件が遠因にあったような気がしてならない。


「昔は、えがった」というつもりはないが、ちょっと寂しい思いをした、夏の日の出来事であった―。


おわり。


※こちらは、タイトルそのものが「花火」。

本作で、いちばん好きなシーン。
大杉漣のパートではなく、たけしのパートね。

久石譲の軽快な曲に乗せて、パトカー仕様の塗装に励む、なんともユニークなシーン。




…………………………………………

明日のコラムは・・・

『Hey、 Judo』
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1 コメント

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映画で花火と言うと (夢見)
2016-08-13 10:25:08
って考えて
東映時代劇~~~・笑

しか思い浮かびませんでした

祭りと喧嘩と花火と


近所の小学校も「あの事件」以来 警備員を置いて校門の所にはカメラも設置され 部外者はインターホンで「これこれこういう用事できました」と伝えて身分証明など見せなくては出入りできなくなりました

父兄参観など行事の時には前もって配られたカードを首から下げておくとか
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