Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

GW特別企画(3)「名」かどうかは怪しいが、とりあえず「キメ」台詞

2013-04-28 01:13:08 | コラム
狙って放ったことばなのに、思ったとおりの反応を得られない―ということが、日常生活では「あり過ぎる」くらいに、ある。

きのうのテーマ「告白」に関連づけていえば、「好きだ」といったのに、相手がジョークと捉え「また~!!」と返されたり。

ちょっと高度なブラックジョークを放ったら、笑うとか白けるではなく、怒ってしまったり。

そのときの間抜けな感じといったら、ない。
ないが、日常というのはそういうことの繰り返しで、1割の打率でいいんですよ、思ったとおりにコトが運ぶのは・・・などといってはみるものの、なかには百発百中のヤツも居てね、悔しい思いをすることがある。

映画のキャラクターは、どんなだろう。

ここで取り上げるのは、教科書的な意味での名台詞ではない。

以下の10傑のうち半分以上が野卑に過ぎるし、そうでないものも、同じ映画のなかで決定的な名台詞が「誕生してしまった」ため、光を浴びることがなかった「ちょっと気の毒な」ことばなのである。
ただ、この台詞を生み出した作家、そしてそれを発したキャラクターたちは、おそらく狙っていたはずで、
だから『「名」かどうかは怪しいが、とりあえず「キメ」台詞』というビミョーなタイトルを冠してみたというわけ。


(1)ジョン・マクレーン「あったりめぇよ」、『ダイハード』(88)

実際には「yippee ki yay、mother fucker」、しかしまぁ「あったりめぇよ」でも不自然な感じはしない。

名台詞として認定? してもいいけれど、短過ぎるし、二作目や三作目ではちがう訳しかたをされていたので、日本では浸透し難いのではないか。

(2)ジョディ「それが、お前の性だ」、『クライング・ゲーム』(92)

決め台詞としては決定的というか、ちょっと二の句が継げなくなる。

でもこれ、日常生活にも応用も出来ることばで、けっこう使うよ「これが俺の性だから」って。

(3)権藤「これからが、いよいよほんとうの俺なんだ」、『天国と地獄』(63)

全財産を失った主人公が、窮地だからこそ放つヒトコト。
自分に自信がないといえないが、権藤さんだったら大丈夫だろうと思わせる力強さがある。

(4)ハリー・キャラハン「やんなよ、俺を楽しませてくれ」、『ダーティハリー』シリーズ(71~)

「go ahead、make my day」―というオリジナル言語のほうが有名か。

これはある意味で名台詞に入るのだろうが、ダーディなハリーが「そういう名誉」を喜ぶとは思えないので敢えて選出してみた。




(5)ジュールズ「聖書は読むか?」、『パルプ・フィクション』(94…トップ画像)

その後、エゼキエル書のなかの「ありもしない」一節を長々と発する。

本人もいっているとおり「処刑場面として相応しい文言」だと思ったから発するようになった「決め台詞」であり、だから「聖書は読むか?」というのは、その前戯にあたる。

しかし相手が「うん、よく読むよ」と答えたらどうするんだ? という無粋なツッコミも可能なので、「名」台詞なのかどうかは、ひじょうに疑わしい。

(6)オットー「(俺のことを)馬鹿とはいうな」、『ワンダとダイヤと優しい奴ら』(88)

「stupid」という侮蔑語を極端に嫌う、馬鹿な犯罪者―というキャラクター設定が抜群に面白い。

(7)サリエリ「わたしは、凡人のなかのチャンピオンだよ」、『アマデウス』(84)

その前に、司祭に対し「君も同じだ」という。
説教しにきたはずの司祭が、いつの間にか逆になっているという構図の妙。

(8)勘兵衛「この米、おろそかには食わぬぞ」、『七人の侍』(54)

これは「勝ったのは百姓たちだ」という名台詞があったために、ちょっと影が薄くなった・・・とされているけれど、このシーンが好きな映画小僧、すっごく多いのだ。

(9)アリス「ファックしましょ」、『アイズ ワイド シャット』(99)

ある意味で最強の決め台詞。

鈴木保奈美のバージョン(=東京ラブストーリー)も悪くないけれど、リアリティはなかったよね。

(10)ゾンビ「脳ミソを!」、『バタリアン』(85)

あの勢いで迫られたら、なんとなく差し出してしまう?? かもしれない。

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明日のコラムは・・・

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コメント (1)
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