人間万事塞翁が馬

長い人生では、人の周囲に何がどのように展開されるか分からない。だから人生は生きている価値がある。

新規事業

2024-06-03 17:18:29 | Weblog
企業において新規事業を創り出すことは容易ではありません。大企業も新規事業で失敗を重ねますが成功することは稀です。中小企業でも下請け仕事に専念していると、新規事業を起こすことは資金的にも時間的にも難しいという経験をします。新規事業は同じ業種の周辺で現存する人的リソースにて可能としなければなりません。別業種に手を伸ばす経営者がいますが、私自身は不器用なので真似はしてきませんでした。 

新規事業とは分かり易く言うと同じ業種の中で企業が目指す新事業分野のことです。目標を決めて必要な資金や人材を集めて必ずしも上手くいくものではありません。現存するリソースを最大限に生かして付加価値を追求するための新事業分野を創り出すのです。弊社の場合も不況期をチャンスにして新事業分野に人的リソースを当てました。好況期は既存の取引先の事情もあり事業の転換が難しいのです。

現場は現在進行形なので、経営トップが時代を先取りし率先して新事業分野を切り拓かなければ会社の現状は永久に変わりません。大企業が成長につまずくのも、時代を見据えた事業の選択と集中に時間が掛かり過ぎるからです。中小企業は身軽ですが、資金的にも人材的にも新規事業分野へリソースを移すことは容易ではありません。しかし、下請け体質から脱皮して付加価値を高めるにはトップが自信を持って事業の方向性を定めることが肝要です。
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経営目標

2024-06-03 14:46:20 | Weblog
ある方から貴殿はなぜ中小企業でオーナー社長なのに、配当も殆ど貰わず会社に貯め込んだのですかと聞かれました。すごく的を得ている質問でしたので、正直な気持ちをお話ししたのですが、理由は金融機関から「借りてほしい」と言われる企業を只管目指してきたのです。つまり、バランスシート上の自己資本比率を上げることに25年以上前から毎年取り組んできたからです。

特に人から聞いたわけでもなく自分で経営の勉強をして目標を設定したのです。スタート時は殆ど0%でしたが、いつまでに達成できるか分かりませんでしたが、先ずは20%を目標に必死に頑張ってきました。経営指標として少し経営的に安定してきた証拠の比率だからです。次は借り入れにあまり依存しない財務諸表基準の40%を目標にしてきました。

内部留保を厚くすることで借り入れに依存しない経営を目標にしてきましたので、10年に一度は景気の浮き沈みはありましたが、今日に至っては無借金経営といえるほど安定した経営基盤を有するまでになりました。ところが某金融機関の支店長から、弊社がこのままの業績で進むと将来大変な問題を抱えることを諭されたのです。

真面目に会社を良くすることに一心で経営してきたのに、将来ハイリスクがあることに恥ずかしながら全く気づかなかったのです。ある意味、先々で大変なことになることを早く気付いたからこそ、今日のように事業承継がスムーズに運んだのです。自己資本比率の経営を目指してきたからこそ世間でも評価される企業になったのだと思います。
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