星槎教育研究所ブログ★相談員の部屋

みんなちがって、みんないい。一人ひとりの宝物を見つけながら。

『笑顔から指導は始まる』・・・荒れた学校をたてなおした先生たちの奮闘

2007-08-02 17:32:04 | SFS【星槎教育研究所】
ODECOの教育コンテンツ・プラットフォームをご存知ですか?
http://www.odeco-net.jp/
文部科学省・初等中等教育局が公募を行った
「新教育システム開発プログラム」に採択されたプロジェクトです。

学校の外にある企業や教育NPOなどの経験やノウハウを、
学校の中で使っていただけるよう
多様な教育プログラムを登録し、
・全国の小学校・中学校の教職員の方
・地域で行われている先生や保護者の方々の勉強会、研究会
・教育委員会の方
が、必要と思われる教育プログラムを見つけて申し込むものです。

星槎教育研究所も「発達障害への理解と対応セミナー」で登録しています。
http://www.odeco-net.jp/program19/s08.html


先日 このODECOのセミナーで ある関西の小学校の先生方の研修に
お招きいただきました。
経済的に困難な家庭 さまざまな諸事情をかかえた家庭が多い地域で
発達障害の様相を呈する児童が3割近くいるということです。

「教室に入らない」「けんかが絶えない」など 荒れが校内を蔓延している中、
権力や叱責で子どもを抑えるのではなく
『笑顔から指導は始まる』をスローガンとして掲げ、
子どもたちが安定した心をとりもどすことを目標にしてやってこられました。

言うことを聞かない 授業中教室から出て走り回る
こんな子どもたちの姿は、先生に対して「やり方が間違っているよ」という
メッセージだと捉え、二次障害として発生している行為傷害は、
「つくり出したのだから、つくり直せる」と考えられたのです。

ある先生が語っておられました。
「廊下をキャスターつきの椅子で滑っている生徒に、叱ったり怒鳴ったり
力づくで教室に戻そうとしてもだめでした。でも 『笑顔』をモットーに
生徒といっしょに一回滑り、肩の力を抜いて『じゃあ、戻ろうか・・』というと
スーッと教室に戻ったのです。びっくりしました。」

交流分析の中に「プラスのストロークバンク【銀行】」というのがある。
プラスのストローク(かかわり)には
① 肯定的に認めてほめられた体験           
② できたという成功体験
③ 「ありがとう」といわれる体験
④ 笑顔をもらう体験
⑤ 愛されている大切にされている実感
などがある。
こういうプラスのストロークがたっぷり蓄えられている子は
つらいことがあったときも、この蓄えを切り崩して
元気でいられるそうだ。
この小学校の子たちは、プラスより
放任・叱責・暴力などマイナスのストロークをより
受けていることが多い。
先生方はそういう親をも支えている。
「だれも相談する人がいなくて独りで悩んで子どもに
 あたってしまう親もいるのです・・・」
「子どもが学校にしょってくるのはランドセルだけではない。
 親に殴られたつらさや悔しさ、両親のけんか、経済的な不安・・・
 それが見える教師でいたい」
夜22時くらいまで家庭訪問するのは よくあることという。

これらの小学校の取り組みに
それを率先してこられた校長先生 養護の先生たちに
惜しみない拍手を送りたいと思いました。

すばらしい出会いに感謝です。



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