紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

シャセリオー展

2017年03月11日 | 美術館・博物館
モネとかゴッホとか万人受けしそうな展覧会を催す東京都美術館。それを横目に国立西洋美術館はと言うと...誰でしょか的なマイナー路線で、知る人ぞ知る人たちを喜ばす美術展を開いているように思えます。2年くらい前に開催されたグエルチーノも知りませんでしたし、その前のホドラーも然り。つい先日のクラーナハもそうですかね。ちなみに自分は知る人ぞの中には含まれていません。
まるで競走馬の名前みたいなシャセリオー。カリブ海のイスパニョーラ島(現ドミニカ共和国)生まれ。フランスに帰国後はアングルの弟子となり画家の道へ...。ロマン主義の異才と讃えられるテオドール・シャセリオーの展覧会、さてどんな作品がありますことか。
青い空に逞しいカラダが映える《黒人男性像の習作》、《岩に座るナポリの若い漁師》の素朴さが個人的に好み。《サッフォー》の夕暮れから夜へと続く重苦しさの表現はなかなか。肖像画もいいもの揃ってます。《ドサージュの肖像》とかカッコイイ。
シャセリオーの作品だけでなく、影響を受けた画家たちの作品も展示されています。ギュスターヴ・モローの作品がちょいちょい挟まれるのが楽しみ。《牢獄のサロメ》、《若者と死》など。
アルジェリアを旅したシャセリオー。オリエンタルな雰囲気漂う作品にも心惹かれるものばかり。色鮮やかな民族衣装や目ヂカラ鋭いユダヤの女子。なぜか馬のひとみがキュートすぎ。
道半ばで早逝したシャセリオー。その芸術は世紀末の象徴主義へと受け継がれました。
コメント
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