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紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

ブリューゲル展

2018年01月26日 | 美術館・博物館
ブリューゲル一族の展覧会が東京都美術館で開催されています。フランドル絵画は個人的に好きな部類ですので楽しみ。ちなみに昨年見た《バベルの塔》を描いたのが、ピーテル・ブリューゲル1世(父)です。今回の作品のほとんどが個人蔵とのことで、普段は見ることができない絵画ばかり。もうじっくり見なけりゃ後悔しそう...。

緻密なエッチングは単眼鏡でその先にある世界をも覗き込みます。ピーテル・ブリューゲル2世の《鳥罠》は寒々しさが伝わる冬景色。これも単眼鏡でくまなく覗き込みます。小さめの絵にびっくりするくらい丹念に描くブリューゲル一族は、単眼鏡があると楽しみ倍増ですので。ちなみに2階展示室は静物画、農民の生活を描いた風俗画がありますが、2/18までこの展示室が撮影可!!! 他の鑑賞者の邪魔にならない程度に写しましょう。

 よく見ると吹き出しそうな面白さ。 大理石に描かれた蝶たち。大理石に...。

 なんだこりゃ?

古代アンデス文明展

2017年11月10日 | 美術館・博物館
数年前に国立科学博物館で開催された「黄金の都 シカン展」。それ以外にも何度かアンデス関連の展示があり、今回の古代アンデス文明展はその集大成とも言える展覧会です。前のシカン展では写真撮影はダメだったような気がしたのですが、今回は映像作品と一部のエリアを除いて写真撮影可。ということで早速激写しまくりです。






面白いデザインの土器多し。展示品数は結構あります。
ミイラの文化エリアは撮影禁止。極度の乾燥地帯ゆえの死後の世界とは...。

上野公園にでかい木造建築が出現!! なんだろうと思ったら「TOKYO数寄フェス」なるもの開催中とか。伊藤園のお茶の専門家がサーブしてくれる空間もあるようです。噴水広場のまわりにはオブジェ的なものも展示。あとで調べてみたら東京藝大の学生が制作したお御輿だそうで。確かに担ぎ棒がありました。


運慶展とマジカルアジア

2017年10月10日 | 美術館・博物館
日曜日には待ちの大行列ができる運慶展。日本各地にある慶派の仏像が、ここ東京国立博物館に集結しています。その中でも無著・世親像は、興福寺の特別公開時にしか見ることができません。そんな鎌倉彫刻の傑作があなたの目の前に!! それも360度ぐるり正面はもちろん真横、そしてお背中まで(ども失礼いたしやした)見られるなんて...素敵すぎます。無著立像とは目が合う立ち位置がありまして...もうシビれました。
同じく興福寺の四天王立像も素晴らしい。持国天の圧倒的な迫力にひれ伏したくなります。金剛峰寺の八大童子立像も見たかった仏像。八躯のうち六躯が展示されています。制多迦(せいたか)童子と矜羯羅(こんがら)童子はおなじみかと。恵光童子の柔らかそうな二の腕をつかんでみたい...写実的な表現力がずば抜けているから、こんな気持ちになるんでしょうか。
躍動感あふれる運慶仏。目に宿る力強さ。仏像のパワーに圧倒されまくりな運慶展でした。

そのあとは東洋館へ。ここでは「マジカル・アジア」なる展示がされています。パンフに載っている説明だと...アジア各地の吉祥、魔除け、呪いなど、目に見えない不思議なパワーにまつわる作品をご紹介とあります。



唐時代の褐釉豚と藍釉兎。



加彩女子。憂いを帯びた眼差し。



チベットの仏像と密教の世界より
こういう仏像の写真を撮れる機会があまりないので超アガる。





中国清時代の銭剣。キョンシー退治に使うもの。
その他エジプトのミイラとか霊魂を宿す頭蓋骨、なかでも呪詛人形(呪いのわら人形)なども展示されています。ちなみに上野公園で発見されたものだそうで。さすがに写真はちょっと...。

池田学展

2017年10月03日 | 美術館・博物館
佐賀、金沢と続いた巡回展。いよいよ東京にやってきました。日本橋高島屋で開催されている「池田学展 The Penー凝縮の宇宙ー」です。
美術手帖という雑誌の特集に載っていた池田学は、丸ペンだけで緻密な世界を表現していくアーティスト。ただ細かいだけではなく、色もきちんと塗り分けられています。単なる風景画ではありません。その題材となっている景色も、現実のものか空想上のものか...見れば見るほどわからなくなります。絵の中にいろんな場面が展開されていて、どこから見ていいのやら迷ってしまいそう。とにかく絵に引きこまれること請け合いです。作品の隅から隅まで見たいんですけど、この混みようではちょっと難しいかもしれません。やっぱ図録買わなきゃダメか...。
建物の緻密な描写にもびっくりしますが、自然界の波の表現がまた良いんです。うねりとかザッパーンみたいな音が聞こえてきそう。池田学の世界にすっかりのめり込んでしまいました。

ちなみに...単独記事にはしていませんが、先日なんとiPhoneを購入しました。それもまさかのSEを!!! いや...自分とこのキャリアではキャンペーン中でかなり安いですし、とりあえずお試しスマホという感じです。7とか8もいいんでしょうが、あんまでかいのは好きじゃないんで...まあ無事にガラケー卒業したことをご報告まで。
この池田学の展覧会では新作の『誕生』という作品のみ写真OKなので、さっそく誇らしげに!? iPhoneSEを取り出して撮影しました。なんか連写みたいな音がしたけど気のせいか?

驚異の超絶技巧!

2017年09月19日 | 美術館・博物館
何年か前にも同じような展覧会がありまして、気にはしていたんですが結局行かずじまい。明治時代の超絶技巧がいま再び。三井記念美術館で開催されている『驚異の超絶技巧!』展です。
京都の清水三年坂美術館のコレクションを中心とした明治工芸が勢揃い。そして今回は現代作家の作品も併せて展示されています。七宝焼き、漆工芸、象牙彫刻に木彫り、自在置物他いろいろあるようで。
これがヤバい超絶技巧:一刻:皿に秋刀魚。食いかけのサンマと皿が一木造りで出来ている。ということは魚と皿はくっついているってことでしょうか?
同じ作者の一刻:有刺鉄線。どうしたらあんな細い茎まで折らないで彫れるんでしょうか。
並河靖之の七宝:精緻な文様と色彩の鮮やかさに引き込まれそうな花瓶。単眼鏡で見ないとよくわかりません。
花鳥人物図輪花鉢:細かすぎる絵付けの絢爛豪華な薩摩焼は、もはやどんな料理に合う皿か見当がつきません。豚角煮!?
安藤緑山の牙彫:ぶどうの粒に吹いた粉の表現とか、バナナの皮むいた白い筋の質感を極限まで追求する安藤緑山。その柔らかそうな干し柿が、実は象牙から作られていたことに驚愕。

「タイ~仏の国の輝き~」展

2017年08月15日 | 美術館・博物館
世間は夏休み真っ最中。上野は朝から大賑わいです。まあ予想はつきますが、深海展2017とアルチンボルド展に向かう人たちでしょう。最後尾はこちらという立て札に並ぶ大行列、そのほとんどが子供連れという深海展の恐ろしい光景を横目に見ながら、東京国立博物館へ。ここではいま特別展「タイ~仏の国の輝き~」が開催されています。
タイの名宝と仏教美術が勢揃いした会場内は、深海展のようなごった返す大混雑もなく、ゆったりとした雰囲気に包まれています。仏陀立像や法輪などをしげしげと鑑賞。スコータイ王朝の仏陀坐像と仏陀遊行像に心惹かれます。
アユタヤ王朝の金冠の煌き。黄金色に輝く仏陀坐像の存在感。ガッチリとした体つきはまるで競泳選手のよう...なんか包まれてみたいと何やら変な気分になってしまいました。明らかに日本の仏像とは違うというのがわかります。
全長5.6mのラーマ2世王作の大扉というのが唯一写真撮影可。国王自ら彫られたのだとか。扉の裏面にはこんな絵も描かれています。



神奈川にある三會寺所蔵の仏陀涅槃像がまたいい...。模型ないですかね。

深海2017

2017年07月21日 | 美術館・博物館
夏休み始まる前に見に行こうと思ってたんですが...遅かった。ガキだらけの「深海2017」です。4年前にも科学博物館で深海展が開催されましたけど、今回は深海調査や海底に眠る資源なども紹介する展示になっています。もちろん人気があるのは深海生物。発光するクラゲやらダイオウイカ、でかいサメなどの標本がずらり勢揃い。でもでもじっくり見てみたい標本に限って子供が群がっています。しかし発光する様子は上の液晶画面で眺め、実物は瓶詰めの死体ってのもどうかと...。

 

しんかい6500や海洋調査船の模型が興味深い。掘削用のパイプや採取された断層なども。

奇声が飛び交う科学博物館を逃げるようにして、次は東京都美術館へ。ここではボストン美術館の至宝展が開かれています。ボストン美術館のなんちゃら展ってのは結構ありがちなんですけど、所蔵品のおもしろさは別格。古代エジプトに始まり、中国や日本美術、その他いろいろという感じで。ミレーの《洋梨》、ジョージア・オキーフの《グレーの上のカラー・リリー》が自分好み。いいのに限って絵はがき売ってないんだからな...。

アルチンボルド展

2017年07月14日 | 美術館・博物館
アルチンボルドメーカーっていう記念撮影コーナーが人気のよう。展覧会場の入口脇にあるんですけど、何十人も行列が続いてます。野菜や果物で自分の顔を作るというものですが、あんまり似ててもちょっと困りますし。上野の国立西洋美術館で開催中のアルチンボルド展。
動物や植物を組み合わせて描かれた肖像画は、だまし絵や寄せ絵的なものでしょうか。歌川国芳が人や猫で寄せ絵を描いていますが、アルチンボルドが描くそれはものすごくリアル。季節の花々や動物の姿が緻密に描き込まれています。
連作《四季》のひとつ《春》は、何となく明治チェルシーっぽく見えるのは自分だけでしょうか。連作《四大元素》の《水》は、水辺の生き物が集結してできた作品。カニの目がコワすぎます。自然描写の展示室にはアンコウやタイなどの博物画も展示。このアンコウがまたいいんです(この絵はがき熱望)。ちなみに参考作品《蝶々とさまざまな昆虫》という銅版画が精緻で美しい。毛虫の表現がこれまた...。
連作《四季》と《四大元素》が一度に見られる機会は滅多にありません。今度の休みは上野に直行!!

ジャコメッティと21_21

2017年06月23日 | 美術館・博物館
引き伸ばされた身体が特徴のジャコメッティの彫刻。ぱっと見は焼死体!?に見えなくもないような...。でもまあ作品によっては、直立不動のすらりとした姿が美しいと感じるものもあります。国立新美術館で開催中のアルベルト・ジャコメッティの回顧展。
ジャコメッティの彫刻は去年のポンビドゥーセンター傑作展で見たのが初でして、その時にもなかなか面白いブロンズ像を作る人がいるもんだと思ってました。ジャコメッティの彫刻は時代によって様々。台座付きの重そうな人物群像があるかと思えば、見上げるほど大きな人物像、それとは逆にわずか数センチの小さなものまでいろいろあります。時代ごとの変化が激しすぎるジャコメッティ。《歩く男》のフィギュアとか売ってたら買うんですけどね...(そんなの無い)。
国立新美術館の地下で展覧会のフライヤーを漁ってたら、21_21 DESIGN SIGHT「『そこまでやるか』壮大なプロジェクト展」なるものが目に入り...それ今日からですよ!! ものはついでと早速21_21の会場へ。



壮大な計画の一部始終を展示やら映像でご紹介みたいなことでしょうか!? 自分は展示のフライヤーが気に入ったんで、それにちょうど開会初日だから来ただけですので、あまりよくわからないんですけど。それにここ21_21 DESIGN SIGHTもいつか来よう来ようと思っていた割には、あまり乗り気もなかったのできょうが初めてです。なので館内のどこでチケット買ったらいいかとか、入口がどこかとか全然わからないんで、まさかの観光客みたいな雰囲気を醸し出してスタッフの方にいろいろ聞いてしまいました。ちなみに『そこまでやるか』の隣にあるギャラリー3では、西野達の『実現不可能性99パーセント』という副題の作品が展示されています。それ...美術館の中にベットがずらり。まるでカプセルホテルのようですが、こんなところで寝たら全部丸見えですし。ニヤニヤしながらこの写真を撮ってます。乱れたシーツ実現不可能!!



壮大なプロジェクトは『湖面を渡る布』、『500人が入れる風船』他にドデカイ建築物、彫刻(もはや大きすぎて彫刻ではない)など。湖面を渡る...のドキュメント映像はたしか56分だかそれくらいの時間です。さすがに全部は見られませんでしたが、すべて見た方は満足感アップ間違いなし。下の図は風船のやつですね、これもスケール感ハンパない。



『テープ・トウキョウ 02』というインスタレーション。パレットの上で荷物が動かないように巻きつけるラップ。それと似たようなものが会場内に張り巡らせてあるだけかと思ってました。



中からギュウギュウと音がする。何だ!?と思っていたら、ラップの中に人がいる!! こんな仕掛けになっているとは。



『重なる1°の奇跡』




単なる棒の組み合わせに見えますが、ある場所から見ると円が出現。



順路を表すデザインがおしゃれ。21_21 DESIGN SIGHTは面白い。

RARCOがない!!

2017年06月09日 | 美術館・博物館
Bunkamuraで開催中のソール・ライター展に行ってきました。原宿の方から明治通り沿いを歩いたのですが、どうも景色が違うような気が。あれ!? RARCOがありません。いつもあの看板を目印にしてたんですけど...渋谷はあまり来る機会がないので土地勘5%くらいでしょうか。ものすごい遠回りをしてBunkamura着。

ソール・ライターはファッションカメラマンとして活躍しながら、1950年代のニューヨークを題材にした写真を撮り続けました。日常の中にある一瞬の「美」を被写体とするソール・ライターのスタイル。その色彩感覚や構図は絵画を思わせます。多くのファッション雑誌で活躍していましたが、1980年代に彼は世間から姿を消してしまいます。忘れられた存在となったソール・ライター。フィルムは未現像で放置されたまま...。
1994年に未現像フィルムがプリントされ、それを見た関係者が衝撃を受けたカラー写真。その後2006年に出版された作品集で再び脚光を浴びることになったソール・ライター。その人生はドキュメンタリー映画にもなりました。
ちょい古めの色彩が逆に新鮮なのか、Bunkamuraには若い人たちの姿が多く見られます。ポラロイドカメラとか流行ってますし。